『ザ・マインド』というボードゲームを買った。
以前から気になっていてAmazonほしい物リストに入れていたのだが、価格が約1,500円に下がっていたのでチャンスだと思って買った。
娘「なにこれ?」
ぼく「新しいボードゲームだよ。おもしろそうだから買ってみたの」
娘「へ~! やりたい!」
というわけで、興味を持った娘とさっそく遊んでみることに。
中に入っているのは、1~100の数字が書かれた『数字カード』、レベル1~12までの『レベルカード』、手裏剣が描かれた『手裏剣カード』、パッケージにもいるキャラクターが描かれた『ヒットポイントカード』の4種類。
ダイスやチップなどはなく、これらのカードだけでゲームができるらしい。さらに、対戦ではなく協力型のゲームで、たった2人でも遊べるらしい(2~4人対応)。いったいどんなゲームなのだろうか。
とりあえず、説明書を読みながらそれっぽく並べてみた。
ゲームはレベル1からスタートで、各プレイヤーは1枚の数字カードを手札として持つ。
で、2人プレイの場合、HP2、手裏剣1から始まるらしい。なんのことかはよくわからないが、やってみよう。
ゲームスタート!
まず、自分の手札を自分だけに見えるようにめくる。63だ。
そして、ここからのゲームのルールは極めて単純。
【ザ・マインドの基本ルール】
各プレイヤーは協力して、数字の小さい順に数字カードを場に出す。ただし、数字カードは見せ合ってはならないし、いっさいの発言やジェスチャーも用いてはならない。
つまり、味方(他のプレイヤー)がどんな数字カードを持っているかを心で、すなわち「マインド」で読み取ってうまくカードを出していってね、というゲームなのだ。
……えっ、ムリじゃない!? なにも言わない相手の心を読めってこと!? ぼくなんてものを言う相手の心すら読めたことないのに!? 中学生のとき女子に「なんで私が怒ってるかわかる?」って聞かれて「感情をうまくコントロールできないから?」って2ちゃんに毒された人みたいな返ししてぶん殴られたことあるのに!?
しかし、63ということは、1~100のなかでは数字がけっこう大きいほうだ。
そして、娘はなんだかソワソワしている気がする。カードを出したそうに手がピクピクしている。
ということは、娘が持っているカードは比較的小さな数字である可能性が高いのでは……? じゃあこっちは、目を閉じて「出す気はありません」という感じで、ひたすら待ってみるか……
あっ! 娘が数字カードを出した!
娘の数字は3。ということは、ぼくが63を出せば、小さい順が成立するのでクリアだ!
なるほど、こういう感じで読み合いながら出していくのか!
楽しいぞ、これ! プレイ中は無言だけど、クリアできると言葉をかわす以上に意思疎通できている感覚が得られる!
レベル1をクリアすると、レベル2がスタート。
レベルの数は手札の枚数を表しており、レベル2なら手札は2枚になる。
このときのぼくの手札は78と79だったのだが、これはかなりラッキーなパターン。
78が通れば79も絶対に通るので、リスクが極めて低い。
レベル2もクリア!
娘「やった~! すごいね、いきなりこんなクリアできるなんて」
ぼく「もしかして我々、天才なのでは?」
娘「やっぱり? パパもそうおもう?」
ぼく「思う~! 我々は天才なのだと思う~!!」
娘「おもう~!」
クリアするたびに全力で調子に乗るとめちゃめちゃ楽しいので、ぜひ試してみてほしい。
レベル3。手札が3枚になり、だんだん難しくなってきた。
ぼくの手元にあるのは、46、51、98。98はほぼ最後だからあまり悩まないでいいし、51は46と近いから46が通れば続けて出せそうだが、46があやしい。微妙だ。
ふつうに考えれば、46は初手で出す数字にしてはやや大きくて怖いのだが、娘がぜんぜん動かないのが気になる。無言なので細かいことはよくわからないが、なんだかとまどった表情をしているように見える。なにを考えているんだ……?
よし、こんなときは……
ぼく「手裏剣カードを使おう」
娘「どうやってつかうの?」
ぼく「ええっと、説明書を読むと……手裏剣カードを使いたい人が、手を挙げる。他のプレイヤーは、使用に賛成なら、同じく手を挙げる。全員が手を挙げたら使える、だって」
というわけで、ぼくが手を挙げ、娘も続けて手を挙げ、手裏剣カードの使用が決定。
その効果は……
各プレイヤーは、自身が持っている数字カードのうちもっとも数字が小さいものを公開し、ゲームから除外できる!
この場合で言うと、ぼくは46、娘は97を出した。これらが出て除外されたいま、娘にはぼくが47以上のカードしか持っていないことが伝わるし、ぼくには娘が98以上のカードしか持っていないことが伝わる。
そして、もっと言うと98はぼくが持っているので、必然的に娘が持っている残り2枚は99と100である、ということが確定する。
スゲエ! 手裏剣カード、最強じゃん! これを戦略的に使いこなすことが完全制覇へのカギか!
レベル3もクリア!
ちなみに、レベルカードには右下にヒットポイントカードや手裏剣カードの絵が描かれていることがあって、それはそのレベルのクリア報酬を示す。
たとえば、レベル3をクリアするとヒットポイントカードがもらえる、つまりHPが1増える、という具合だ。HPはミスすると(数字カードを小さい順に出せないと)1減ってしまうので、補充できるのは大きい。
レベル12までの完全制覇をめざそうと思うと、難しい場面において手裏剣カードを使うか、HPが減るのを覚悟のうえで勝負をしかけるか、といった判断が求められる場面が多くなりそうだ。
初プレイの結果は、レベル5でHPが0になってゲーム終了。クリアできたのはレベル4(手札4枚)までだった。難しい……
これくらいのレベルだと、自分の手札の最小数字が30前後だったら「まあ、初手は自分じゃないだろう」とある程度安心できるし、逆にひとケタだったら「初手は自分の可能性が高い」と踏み切りやすいのだが、13くらいが回ってくるとかなり悩む。確率的に考えてもかなり微妙だし、沈黙や目線によってアピールしようにも、初手として大きいとも小さいとも言えない数字だから伝えようがない。
そういうときこそ落ちついて相手と心を通わせないといけないのだが、それが難しい。まさに『ザ・マインド』だ。
しかし、何度もやっていると不思議なもので、相手の「呼吸」というか「間合い」みたいなものからいろいろなものが感じ取れるようになってきて、読みの精度が着実に上がる!
初プレイも楽しかったけど、同じ人と何回もプレイして精度が上がっていくのを肌で感じるのもめちゃめちゃ楽しい! 超能力者になった気分が味わえる!
1回目はレベル5止まりだったが、2回目はレベル6、3回目はレベル8、そして4回目はなんとレベル12までいくことができた。惜しくも最後の最後で失敗してしまったが、あと何回かやれば完全制覇までいけそうな気がする。
ただ、慣れてきたところで今度は息子もまじえて3人プレイしたらレベル3であっさり失敗してしまった。人が増えると単純に出す数字カードの枚数が増えるし、心をシンクロさせる難しさも増すので、通常のボードゲーム以上に、プレイ人数による難度の変化幅が大きいゲームだと言えそうだ。
この『ザ・マインド』、4種類のカードだけで遊べてややこしくないこと、言葉が不要なので大人でも子どもでも、なんなら言語が違う人でも一緒に遊べること、協力型ゲームなので敗者がいないこと、手裏剣カードを使うかHPを削ってでもバクチに行くかの判断がゲーム性がかなり高くておもしろいこと、やればやるほど意思疎通の精度が上がっていくのを実感できることなど、独自の長所がたくさんあり、個人的にはめちゃめちゃおもしろいゲームだと思った。1,500円でこの体験は絶対に安い。
強いて欠点を挙げるとするなら、本気でやると思考力・集中力をずっと使うのでめちゃくちゃ疲れる、ということだろうか。
でも、深く思考・集中してこそ真髄が感じられるゲームだと思うので、長くだらだら遊ぶよりは、ある程度時間やゲーム数を区切ってみんなで全力で遊ぶのがオススメだ。
内容物がカードだけで箱も小さいので、収納や持ち運びもしやすい。ぜひやってみてほしい。
コメント
毎回わからされるから協力に逃げるなんて見損なったぞ
これは友達同士でやったら絶対楽しいやつだ
似たようなカードゲームでitoっていうのがあって
知り合いがハマったのでよくやってたけどザ・マインドは知らなかった
無言の読み合いってのが面白そうだなー
あ、itoの方も興味があればオススメ。家族でやるにもぴったりだと思う
あまりにもまともな紹介で
明日の反動が怖い
気になってはいたんですけど数字が書かれたカードに2000円ぐらいかあ…と悩んでいたんですけど セール中、熱心なレビューもあり参考になりました
あと最近の記事はちょこちょこ闇を挟みたがるのはなんでですか?新手のドMなんですか?
ゲムぼくさんとは日頃使ってる言語(ドスケベ語)が違っているようですがこのゲームだと問題ないですね
ほんのちょっと闇の青春と親バカがにじみ出てるだけで、あとは真っ当なカードゲームのプレイレビューだ……
これがアレか、昨日言ってた不正アクセスか! 乗っ取りか!!
学生のころのエピソードちょくちょく女子に絡まれてるあたり多分見た目はいいんだろうなぁ…
感情をコントロール出来ないから、昔は2ちゃんだろうけど今なら胡蝶しのって言い張れる
大きさ例えるんではなかったっけと思ったけどそれはまた別のゲームか
面白悲しい青春送りすぎだろ
中学生の女子に言う言葉じゃないから殴られても仕方ないと思う
シンプルゆえに盤外コミュニケーションが問われるやつは好みだ
購入検討させてもらおう
アカウント乗っ取られました?
itoはあるお題に対してカードの数値の大きさを例えて遊ぶゲーム。
例:給食の人気メニュー、動物の大きさ、異性のドキッとくる仕草など
ザ・マインドが沈黙の読み合いを楽しむゲームなら、itoは会話での認識のすみ合わせを楽しむゲーム。
その人の価値観、考え方がわかりルールも単純なので初対面同士のアイスブレイクにおすすめのゲーム。
親子でボードゲーム記事とはゲムぼく。でも最強の記事だな!
>2ちゃんに毒された人みたいな返ししてぶん殴られたことあるのに!?
…見なかったことにしよう…
娘さんいたんですか…でも僕応援しますよこの気持ち悪さを
楽しそうなゲームをやってらっしゃる。
理論上は全プレイヤーで共通して数えられる100カウントが成立してしまうと勝率100%になるから「何秒以内に誰かがカードを出さないと負け」とか追加していくんかな?これ
綺麗なゲムぼくすぎて偽物扱いされてるのわろてまう
ボドゲ自体は普通に面白そうなので買ってみようかな
一緒にプレイする友達が同梱されていないのは致命的なミスではないでしょうか?
メーカーには改善を紳士に求めます
明日はきっとこの反動でドルフォンウェーブの頭がアレな記事が出るに違いない
概ね良い記事なんだけど、中学時代のエピソードが色んな意味で涙を誘う。
ボードゲームだとドメモ(Domemo)ってゲームも面白くてオススメですよ
対人ゲームに弱いゲムぼくさんだと調子に乗って勝ち宣言した所に
お子さんにまんまとやられて敗北という黄金パターンもやりやすいと思うので
良いネタにもなりそう
なにかあったのか心配になる記事だ・・・
>>たった2人でも~
2人も揃えられない読者諸兄への配慮をして欲しかったです。
深く傷付きました。ハチナイ始めません。
キレイなままで終わった……?体調大丈夫ですか……?
友達もういないけど凄く楽しそう!
友達とやったら面白そう
友達がいればだけど
大丈夫?ゲムぼくっぽくないよ?別人?
ゲムぼくさんはいろんなおもちゃのレビューするけど、おもちゃ箱がどうなってるのか気になる。見てみたいもんだ。
お典雅入りのハコとセットで公開おなしゃっす!!
コメでも既に言われてるけどitoも読み合いが楽しい協力ものだぞ!
「どうせ途中や落ちでとんでも変態発言してほっこりした読者をまた困惑させるんだろな」っていう読者のマインドは読み取れなかったみたいですね
ボドゲムぼくシリーズ好き
はぇ〜ガキ使ではシンプルなルールでやってたけど、HPとかレベルクリアの戦略性があったんすね
人数増えれば増えるほど楽しいゲーム
こんな良記事を無償で書いてるなんて、素晴らしいです。後から案件てことにしてお金支払われてほしいくらいです。
でもそのお金fanzaに流れるだけだからやっぱいらんか。
それはまあ殴るかな…
大丈夫?おっぱいもむ?
ボードゲームは絶対楽しいと思うけど友達も家族もいない人には厳しいんだよなあ
パパボク。のほっこり話好き
一生子供と仲良くしててろしいな