よし、1ラウンド目を取って2ラウンド目!
ここは読み合いになるぞ。開幕までの数秒で考えを巡らせねば。
1ラウンド目で、こちらは攻めっ気が強いタイプだと思われているだろう。待ったりバックステップしたりをほとんどしていない。とにかく先手を取ろうと前に出続けた。
このとき、ぼくが相手の立場なら……「開幕から殴りに来るはずだから、それに勝てる攻撃で殴ればカウンターを取れる」と考える。出が速い攻撃とか、姿勢が低いしゃがみ攻撃とか。
となると……バックステップでその射程外に逃げてから、しゃがみHS→チェーン・ロリポップで反撃だ!
来た! 読み通り!
相手は少し前に出ているので、この距離ならしゃがみHSが届く!
よいしょ!
エルフェルトのしゃがみHSは前にすべりながら攻撃するので射程が長い! このHSはヘヴィスラッシュではなくて太ももスライディングの略だ!
必殺! チェーン・
太ももふっと!
チェーン・太ももふっと!!
……という感じで、初めて天上階にやってきた!
ぼくは対戦格闘ゲーム『フトモモギア ヨミアイヴ』(別名:ギルティギア ストライヴ)をプレイしている。
互いの動きを読み合って太い太ももをぶつけ合う頭脳派太ももアクションだ。
2023年12月中旬にSteamで購入し、初めて本格的に格ゲーをプレイ。
毎日とはいかないが、平均して3日に2日はプレイしているし、累計プレイ時間は60時間を超えた。そもそも最初「格ゲーって自分には合わなさそう……」という先入観がある状態からのスタートだったとは思えないほど楽しめている。
また、シリーズのファンと思われる方々から、ブログのコメントなどで何件も「ギルティギア楽しんでくれててうれしい」という声をいただけている。ありがとうございます。あと、その倍くらい「それはそれとしてその原動力がぜんぶ太ももなのはキモい」という声をいただけている。なんで?
ランクタワー10Fでエルフェルトの太ももを鍛え続けています
初めてその上が見え始めてきました pic.twitter.com/EVY0fdwzqk— ゲムぼく。 (@gamebokusan) March 17, 2024
現在、オンラインマッチのランクタワー適正階層は、10Fにいる時間が7~8割、9Fにいる時間が2~3割といった感じ。9Fに落ちても10Fに上がること自体はさほど難しくなくなってきた。
まあ、ぼくの目的は上の階に上がることではなくてエルフェルトの太ももをランクタワーよりも太くすることなので、勝ち負けなどという小さなことはどうでもいいのだが、10Fにいるとものすごく楽しいことがひとつある。
それが「読み合い」だ。
10Fには知識も技術も超一流の上級者がたくさんいる。単に強い技を連発してくるのではなく、こちらの動きを先読みして的確に技を置いてくる。
そういう人たちの一挙手一投足はすべてに理由があるので、試合が終わったあとにリプレイを見るのが楽しい。「ああ、自分が前のラウンドでこれをしてしまったから、次のラウンドのこれが読まれてカウンターされたんだな」というようなことがぜんぶわかる。
行動のひとつひとつに考えがあることが伝わってくるので、戦いというよりはコミュニケーションをしているような感覚だ。これがとても楽しい。この楽しさは、格ゲーをやったことがない人にもぜひ知ってほしいと思う。
で、そういう人たちと渡り合うためには読み合いに勝たねばならないわけだが、10Fで戦ううち、読み合いのポイントは3つくらいありそうだな、ということが整理できてきた。
そして実際に、それの実践レベルが上がるたびに、勝率がちょっとずつだが上がってきている。
[1] 自分の選択肢を増やし、正しく把握すること
[2] 自分から読み合いをしかけること
[3] 相手の気持ちになって考えること
この3つだ。
[1]はわかりやすい。取れる行動のパターンを増やし、それぞれのメリット・デメリットも理解しておく、みたいな話だ。グーとチョキをなんとなく出すだけの人よりは、グーとチョキとパーを強弱関係を理解したうえで出し分けてくる人のほうが強いに決まっている。
[2]は、キャラにもよるかもしれないが、少なくともエルフェルトにとっては超重要。エルフェルトは猪突猛進むちむち暴走列車なので、攻撃の選択肢は多いが守りの選択肢は少ない。攻撃時はグーもチョキもパーも出し放題だが防御時はグーしかない、みたいなことが非常に多い。なんならテンションゲージが溜まっていなければグーすらないことがある。よって、とにかく自分がしかける側に回ったほうが強い。
[3]は、それこそコミュニケーションだ。自分を客観視しつつ、相手をしっかり見て、自分が相手の立場だったらどうするかを考える。相手よりも相手のことを考える。で、「相手ならこうしてくるはずだ」と根拠を持って判断し、それを信じて行動する。
この[1]~[3]の考え方を整理するために、そして「読み合いってけっきょくなんだかよくわからない」という格ゲー未経験者の人にその楽しさを伝えるために、自分なりに作った図がいくつかあるので紹介しておく。
ぼくは攻略サイトの類をいっさい見ておらず自分の遊びたいように遊んでいるだけなので、一部正しくない部分や抜け漏れなどもあるかもしれないが、きっとだいたい合っているはずだ。
たとえば、開幕、つまりラウンド開始直後の読み合い。
基本的な選択肢としては、(A)打撃、(B)守る、(C)跳ぶ、(D)投げ などがある。
ぼくは最初のころ(A)と(C)しかできなかったが、のちに(B)(D)もできるようになり、それぞれの使い分けもある程度習得できた。これが [1] 自分の選択肢を増やし、正しく把握すること だ。
開幕は自分も相手も同条件なので [2] 自分から読み合いをしかけること は関係ないが、[3] 相手の気持ちになって考えること はおおいに関係がある。たとえば、1ラウンド目と2ラウンド目の開幕で (A)打撃 を選んだあとの3ラウンド目の開幕は、(D)投げ がわりと決まりやすい。相手が打撃を読んでバックステップをしてくれやすいからである。
しかし当然ながら、こちらがそうやって投げを狙っているところまで含めて相手に読まれている可能性もあるので、油断はできない。こうやって読み合いの攻防が展開されていく。
[2] 自分から読み合いをしかけること の単純でわかりやすい例が、空中ダッシュを使って相手に近づくときだ。このとき、攻める側のエルフェルトには代表的な選択肢が3つほどある。
もっとも使いやすいのは (A)ジャンプS だ。素直にそれを繰りだすのが基本だが、 (B)空中ダストアタック でリズムを崩す手もある。相手が対空技で迎撃してきそうな場合は、あえて攻撃せずに (C)空中ガード という手もある。
細かく言えば選択肢はもっといろいろあるのだが、こうやって代表的なものだけでも自分の脳内で整理できていると、実戦の場でもミスなく出しやすい。
そして、こういう感じで整理していくと、エルフェルトの代名詞であるチェーン・ロリポップがなぜ強いのか、ということもよくわかる。
この読み合いは、エルフェルト側の選択肢が多くて、エルフェルト側からしかけることができて、こちら側に心理的余裕があることが多いので相手の気持ちを先回りして想像しやすい。なので強いのだ。
ただ、個人的にいちばん重要かつ好きなのは、チェーン・ロリポップではなく、しゃがみHSに関わる読み合いだ。
しゃがみHSは相手を浮かせる効果があり、エルフェルトのさまざまな技の起点となる通常技だ。
しゃがみHSがガードされたあと、エルフェルト側は基本的には (A)チェーン・ロリポップ や (B)ボンボン・ショコラ につなげたい。ガードされようがされまいがそれらを出しに行く、と決め切っている場合も多い。
ただ、ここで大事なのは [3] 相手の気持ちになって考えること だ。しゃがみHSからチェーン・ロリポップが来るのを2回くらい見た相手は、ほぼ間違いなく「しゃがみHSの後はチェーン・ロリポップが来やすい」と認識し、パンチや無敵技で迎撃してくるようになる。
となると、ここで (D)ガード が最優力の選択肢として浮上してくる。パンチや無敵技が来ることを読み、それをガードで受け止め、技の打ち終わりをカウンターで返すのだ。これが決まるととても気持ちいい。
もちろん、読み合いというのは相手あってのことなので、100%は存在しない。
しかし、相手あってのことだからこそ、ちゃんと考えて行動を選択できるようになれば、少しずつだが読みが当たる確率を高めていける。ここがおもしろいところだ。
ぼくは10Fでの戦いを通じて、この読み合いに関する知見をかなり深めることができた。
なので、天上階の人と戦って6戦中5勝しなければならない『天上階チャレンジ』においても、それを活かして圧倒的な戦績を
あっ、あっ、
あっ、あの、守る側の読み合いというのは、あんまり選択肢がなくてですね、その、
あっ、ちょっと待って、あっ、
あっあっ、
ああ~!
太ももふっと~!!
しかし天上階の猛者たちはもっと太い! これからもがんばろう、エルフェルト=ヴァレンタイン!
コメント
未経験からこの短期間で天上階チャレンジとかアンタすげぇよ…
天上階チャレンジきっついよなぁ、しかもよしんば天上階に上がれたとしても
天上階が幽遊白書のS級妖怪みたいな括りだから、ピン(大会優勝、有名プレーヤー)からキリ(天上階上がりたて)まで色々なレベルのプレーヤーと当たるから本当大変
純粋?に格ゲーを楽しんで読み合いを向上させていってるのは凄いよ
1会話の引き出しを増やして
2話題を提供し
3相手の気持ちになる
と読み換えたら謎の頭痛がしました
まぁいつも読めるわけじゃないからしょうがないね
この感じで行けば現実の人とのコミュニケーションも上手になりそう
太ももでコミュニケーションを取るコミュニティだと
ゲムぼく氏はこんなにイキイキするのか
もう天上階なのも凄いし、戦闘に対して選択肢を増やす大切さを認識し実践すら出来ている
格ゲープレイヤーとしての素質が元々かなりあったのでは?という気すらするけど
ゲムぼく。は最低でも太ももが絡まないとプレイするところまで動かないからな・・・
それだけがキモいよ
ゲムぼく。さんがコミュニケーションを楽しいものだって思ってるのが意外でした。なんでぼっちなんですか?
理論の言語化が上手い
太もも目当てでここまで来れる初心者怖いよ
太ももスライディング(太ももでは滑ってない)
確かにソルもシリーズ進むごとにフトモモぶっとくなってますよね。
ギルティギアと世界樹の記事はゲムぼくがゲーマーである事を思い出させてくれる
他の記事はアホや
ギルティギアの基準が良く分からないが天上界はどれくらいなんだろう
エルフェルトは使ってみると分かるけど本当に守りが弱い
攻め特化の太もも
原動力がキモい以外は完璧な記事
つかみの太もも写真がマジで太くて声出た
一連のGGST上達指南を「ゲムぼく。メソッド」として確立できるのでは?
ゲムぼくさんより先にGGST始めてたけどもはや解説を全部は理解できないくらいGGSTの理解度で置いて行かれてしまった
ほんとに自分で導き出したのか疑ってしまう程に分析がすごくてすごい
2HS後の読み合い楽しいのめちゃくちゃわかります 自分がダウン取られた時のあ、4ぬってなるのもめちゃくちゃわかる‥
全格ゲーマーにオススメしたい指南書ではあるが所々挟まるふとももへの愛がまだ人類には劇薬すぎる
お世辞にも強キャラとは言い難いエルフェルトでここまで来るのは本当に立派よ
格ゲー経験なかったのについにここまで・・・凄いぜ
天チャレはプロと当たる事すらあるから相手次第のとこがある
太ももが太すぎて情報が入ってこない
ギルティギア楽しんでるの嬉しいと同時に、この攻略能力を他の格ゲーでも見たいと思う。相変わらずですがアウトプットがほんとすごい
マリーザとか全身筋肉でムチムチですぜ?アニラなんかも身体も羊もムチムチですぜ?
ゲムぼくさんが元々持つデータ化して研究する気質と何度やられてもくじけない精神。そして好きなキャラなら何時間でも見てられるから練習が苦にならないという愛。
全てが格ゲーと噛み合ってここまでこれたと思うと感慨深いですね……!
天上界チャレンジ頑張ってください!
格ゲー軽くしかやったことないけど
プレイ時間60時間の初心者の動きではないですよ…素直にすごいと思うけど
原動力がふとももオンリーであることが本当にキモくてゲムぼくさんだなって感じます
全然関係ないけどエルフェルトちゃんのふともも周りにトゲがいっぱいあってタダでは触らせてくれなそうですねぇ
いつもより困惑しなかった(少しした)
>その倍くらい「それはそれとしてその原動力がぜんぶ太ももなのはキモい」という声をいただけている。なんで?
問題文に答えが全部書いてある
昔の将棋の漫画でも主人公がゲーム越しの対話を感じて感動していたな。人間を大切にしてる者達にはよい刺激になるのかもしれない。攻撃が当たる=的くらいの感覚でいると忘れちゃいそうな素敵。
天上の太さが垣間見えてるのすげえな。おめでとうございます
未経験からでもちゃんとゲームと向き合っている人だと”対話”がどういう事なのか自分で理解して辿り着けるんだなあって感動しました。
それはそれとしてムチムチへの情熱だけでそこまでいくのはキモいなとは思います。
天上チャレンジ頑張ってください。
当初はおーおー頑張れと静観してたけど、いつの間にかおれと同格まで登り詰めててビビった
マッチしたら全力で闘るね…
格ゲー初心者が短期間で天上階チャレンジはマジですごい。憧れる。