【前回】楽しい!おいしい!いま行ける能登に行こう!のとじま水族館 前編
ほぉ〜、硬い。
でも、思ったよりツルツルだ。ザラザラしてない。
おっ、ウニ! ムラサキウニらしい。
予想通りのちくちくボディだが、その先端は思ったよりは丸っこくて、痛いと言うほどではない。
えっ、これも!? これも触っていいやつ!?
ナマコだ……マナマコというらしい。トゲがあるし、ちょっと怖いが……
あっ、むにむにだ! トゲも含めて柔らかい! 好き! むにむにむにむに!!
ここは、石川県の能登島にある、のとじま水族館。
ジンベエザメたちが泳ぐ大水槽を満喫したが、それがまだ本館ですらないことが判明。ようやく本館にやってきた。
本館の入口すぐには、鏡とプロジェクションマッピングで幻想的に彩られた『のと海遊回廊』がある。
ここは2024年1月の能登半島地震で甚大な被害を受けた箇所のひとつであり、水位が下がるだけでなく、天井が崩れたり水槽内の岩がずれたりした。ぼくは当時のようすをNHKニュースで見た覚えがあるが、衝撃を受けた。
改めて、あの状態からここまで復旧していることを本当にすごいと思う。
おっ、これは……?
おお〜! 穴が空いているのに水が漏れない、不思議な水槽! 理科の実験みたい!
そしてなんと、その穴に手を突っ込んでいいらしい。どれどれ……
ウッ、ウワアアアア!
ドクターフィッシュ! ドクターフィッシュが!!
ギャアアアアアア!
指なくなる! 指なくなるわこんなもん!!
人類を食糧としか思っていないドクターフィッシュたちに襲われ、次へ進む。食べられすぎて体重が減った気がする。
あら〜!
かわいいねぇ!
みんなのんびり過ごしててかわい……
口の構造怖くない?
館内のところどころには、能登半島地震に関するレポートがいくつか掲示されている。
たとえば、動物たちの避難状況。地震により、のとじま水族館では適切な飼育環境を保つことが難しくなってしまったが、全国の動物園・水族館が名乗りを挙げ、受け入れ・一時預かりが進んでいったらしい。アドベンチャーワールド(和歌山)、天王寺動物園(大阪)など、ぼくが行ったことのある園もいくつか含まれている。
命を引き取るわけだし、移送するだけでも多大なコストとリスクが伴うしで恐ろしいほど大変なはずだが、こうした助け合いが全国規模で存在しているのはすごいことだな。
そして、ここ半年くらいで、避難していた動物たちが少しずつだがのとじま水族館に戻ってきているようすも!
ぼくは当事者ではないから下手なことは言えないが、想像するに、避難先に送り出すときには身を引き裂かれるような思いだった飼育員の方々もきっといたはずで、そうだとすると、元気に戻ってきたときの喜びは筆舌に尽くしがたいものだったのではないかと思う。
ただ、当然ながらまだすべての動物たちが戻ってきているわけではない。
たとえば、カリフォルニアアシカ。ユウキという個体は、2024年10月ごろまでは大阪の天王寺動物園にいて、そこからは石川のいしかわ動物園にいるらしい。
……ん? 2024年10月ごろまで……?
関連記事:あべのハルカスから徒歩数分で楽園へ!天王寺動物園へGO!
2024年8月に天王寺動物園でカリフォルニアアシカを見たぞ!?
ユウキの展示は不定期だったらしいが、もしかしたらあのとき見たカリフォルニアアシカのなかにユウキがいたのかもしれない。
地震発生直後の被害のようすを残した記録写真も多数。
いちばんの被害は、水道水が出なくなったことだったらしい。水族館で水がないのは致命的だ。
また、飼育員の方々にとって大きな心配だったのが、地震によって動物たちにも多大なストレスがかかること。たとえばペンギンたちも、地震の影響によって食欲がすっかり……
大丈夫だったらしい。
かわいいね! ペンギンたちはいつもかわいいね!
おっ、なんか特別展示やってる! ラッキー!
これは『水族館 大解剖展』といって、2025/03/09(日)までの期間限定。
水族館の裏側をいろいろ教えてくれるようだ。
たとえば、のとじま水族館での飼育員の一日などが詳しく書かれている。
朝はそれなりに早いし、動物第一の仕事なので突発対応もたくさんありそうだ。加えて、のとじま水族館の場合は地震に伴う対応なども日々続いているわけで、ふつう以上に大変だろう。
でも、館内で見る飼育員の方々はとても元気で、すれ違うたびにあいさつもしてくださる。うれしい。
さて、時刻は11:10。
アザラシプールで、『アザラシのお食事タイム』があると聞いたが……
あっ、いた!
エサのバケツを持った飼育員の姿を見つけるやいなや……
ああああ~!
ビタンビタン跳ねて移動してる~!
むちむちすぎるやろがい!
なんだその魅力爆発むちむちボディは!
なんと、この子は1食あたり約1.6kg、1日合計で5kgのアジを食べるらしい!
豪快に丸飲み! 夢中になってバクバク食べている!
夢中になりすぎてお口の周りがよだれでベットベト!
かわいい~~!!
ああああ~!
満足してビタンビタン跳ねて帰っていってる~!
かわいい……すさまじかった……
距離が近すぎて、アジをなかなかもらえないときの「フンス! フンス!」という鼻息の風がちょっと感じられるほどだった。こんなに鼻息とよだれがデロンデロンの食いしんぼうアザラシが見られるとは……
おっ!
イルカ!? カマイルカってやつか!
イルカショーはお休み中だが、カマイルカ数頭はイルカプールで飼育されているらしい。
そしてこのカマイルカ、こちらが近づいてプールを覗き込むと……
それに応じるように、顔を出したり、鼻にあたる「噴気孔(ふんきこう)」から音を出したりしてサービスしてくれる! スゲェ~!
もしかしたら、イルカショーができなくてさみしい、みたいなのもあるのだろうか。人が訪ねてきてくれて喜んでいるように見える。かわいい。
その後も、さまざまな展示を見ていく。
あまり大きくない水族館かと思いきや、ショーがたくさんあることもあって、見どころは盛りだくさん。もし行った際には、可能な限りすべてのショーを見ることをおすすめする。
そして、ここは……
アッ!
フ、フフ、
フンボルトペンギンだァァァー!!
えっ!?
アッ、アッ、アアアアアアッ!?
むちむちすぎるやろがい!
むちむちもちもちぽよぽよボディにもほどがあるやろがい!
さらに、なんと!
のとじま水族館にいるペンギンは、フンボルトだけではない!
フンボルトペンギンやケープペンギンに似ているが、よく見ると違うあれがいるのだ!
そう、マゼランペンギン!
わかりやすい特徴は、正面から見たときに胸の黒い線がフンボルトやケープより1本多く見える、つまり2本あるように見えること! これを覚えていれば混同せずに済む! 「2本あるから混ざらん(マゼラン)ペンギン」と覚えよう!
ハァァァァーン!
いっぱいいる! ぷかぷかしてる! 脂肪たっぷりだからみんなぷかぷか浮いてる!
か、か、かわいい~!
泳ぎ方がゆるい~! ゼンマイ式の100均のおもちゃみたいなゆるいパタパタ感~!
お腹が! ぷかぷか浮くもちもちのお腹がゆらゆら泳ぐさまがいまなら見放題!
「それではただいまから、ペンギンのお散歩タイムを始めていきます。ペンギンさんたちが白い線の中を歩きますので、線の中には入らないようにしてあげてください」
アッ、アッアッ、
ア゛ア゛ア゛ア゛~~~~~~!!
オッ、オッ、
オ゛オ゛オ゛オ゛~~~~~ッ!!
せ、世界一かわいいものを見てしまった……!
めちゃくちゃ間近で……! 人も多くなかったから、最前列どころか、ずっとペンギンたちの横をついて歩いてしまった……!
夢中でずっとついていくのはさすがにちょっと気持ち悪いか……? と心配したが、ぼく以外もこのお散歩タイムを見ていた人たちは老若男女問わずほぼ全員そうなっていたのでよかった。そりゃなるよ。こんなの目の前で見たら全員追っかけになるよ。あなたもなるよ。
帰りのバスは、14:00に来る。本当はもっと長居したいが、これに乗らないと新幹線に間に合わない。
最後に、水族館内の食堂で、ボリュームたっぷりの野菜ラーメンをいただく。レストランなどは休業中なのだが、ここだけは営業している。ここは水族館に勤める人たちもお昼に使う食堂のようで、ぼくの隣の席にも飼育員の方がいた。社食に入らせてもらったみたいな感じで楽しいな。
食堂を出たあと、ちょっと時間があったので、売店でアイスなども食べた。食べられるものはたくさん食べておこう。
その後、グッズショップで11,240円も買い物をして、バスに乗り込んだ。
すごい金額だが、これは予定通りの出費。いち観光客に過ぎないぼくが能登のためにできることは、無理のない範囲でたくさんお金を使って、めいっぱい楽しむことしかない。
それができてよかった。それをやらせてもらえてうれしかった。
バスで約40分。和倉温泉駅に戻ってきた。
ちなみにこの子は和倉温泉マスコットのわくたまくんである。超かわいい。まんまるむちむち。
この後は、和倉温泉駅から特急『能登かがり火』に乗って金沢駅まで行き、そこから北陸新幹線に乗ることになる。
旅が、もうすぐ終わる。
金沢駅での乗り換え時間は10分くらいしかなく、買い物をする余裕がほぼなさそうなので、和倉温泉駅前にある商店でおみやげやお菓子を買った。
ほしい物がいろいろ見つかって、ここでもなんだかんだ6,000円ぶんくらい買ってしまった。うーんうーんといろいろ吟味しながら長く買い物したせいか、お会計をしながら、お店の方が話しかけてくださって、少し雑談をした。ここではその内容をすべて書くことはしないが、いろんな話ができた。
「初めて能登に来たんですけど、とてもよかったです。何年も前から、ずっと来たくて。のとじま水族館と、あと、『花咲くいろは』っていうアニメが好きで、西岸駅に。ほんとによかったです。このお店も。次はいつになるかわからないですけど、必ずまた来ます」
社交辞令ではない。必ずまた来るから、必ずまた来ます、と言った。
たった1泊2日だが、いろいろ見て、乗って、食べて。ぜんぶよかったが、全体を振り返って真っ先に思い出すのは、意外とこういう、地元の人となんでもない話をしたときの笑顔だったりするものだ。どこまでいっても、人は人によって生き、人に生かされている。
次は、いつ来ようかな。
正直、1泊2日ではぜんぜん足りないんだよな。もっといろいろ見たいし食べたい。3泊4日くらいで行きたい。それか、季節を分けて、1年に何回か1泊2日で、というのもいいな。
お弁当やお菓子を食べながら思いを巡らせていたら、眠くなる間もなく降車駅に着いた。
数時間後、無事に帰宅。
荷物がたくさんあったが、忘れ物もなく、元気いっぱいで無事に帰ってこられてよかった!
旅の途中でも何度も思ったが、本当に「元気をもらった」という実感がある。
疲れがあるはずなのだが、体感では行く前よりも活力に満ちている。なんでもできそうな気がする。気持ちは晴れやか、身体は軽やか……
……
いや、身体はなんか重いな……あれ……?
……
…………
食べすぎたな……
コメント
素敵な旅でしたね!いいね!
ペンギンちゃんもちもちすぎて声出ちゃった
アザラシがディキンソンに見えてしまうのは完全にゲムぼくのせい
いいシリーズだった
そりゃーあれだけ食べればねー
展示される子たちがむちむちやー、大変だったとは思うけど飼育員さんが作ったポップ系は元気でるしリアルな感じが好き
ペンギン散歩かわいすぎる~~~~~
2本あるから混ざらん(マゼラン)ペンギン
そろそろ覚えてきてしまったことに恐怖を感じる
能登に行きたくなる素敵な記事でした。
アザラシもイルカもペンギンもみんな可愛いねぇ〜!
地元民として本当に嬉しい記事シリーズでした。
ありがとうございました。
相変わらずペンギン愛がすげ〜となったけど散歩してるペンギン達可愛過ぎるからやむなしですね!
楽しくて能登にはお金が入ってゲムぼくさんは夢の全人類むちむち化に一歩進んだ。
最高の旅だったのでは?
ドクターフィッシュに食べられて体重減ったかと思いきや増えていた
能登いいなあ
良い旅でした!ありがとうございます!
ペンギン見た後賢者モードになってますやん
旅で増えた身体は幸せの化身ぞ、誇れ
天王寺動物園にも動物避難してたんだ!?
動物園の助け合いが全国規模であるのって凄いですね
あったけぇなぁ……
これはゲムぼくがペンギンに狂うのも致し方ない可愛さ
ゲムぼく。さんの一連の記事で、能登に行く人が増えるといいなあ。
地元民としてとても楽しくこちらまで嬉しくなる記事でした。
のとじま水族館までとりあげてくださり本当にありがとうございました。
ゼンマイ式ペンギン可愛すぎる
よい記事でした
好きで満ちてるっていいね
食堂の素朴なラーメンいいね
今度金沢行くので足を伸ばしてみようと思います
ゲムぼく。の指は角質だらけだった…?
いい記事だと思ってたらしっかりオチがついてた
いっぱい食べたもんね
他人(他鮫)に「いっぱい食べてむちむちに」って言った後、自らもむちむちになるとはさすが。
ゲムぼく、のこういう記事がバズってほしい。
>夢中でずっとついていくのはさすがにちょっと気持ち悪いか……? と心配したが、ぼく以外もこのお散歩タイムを見ていた人たちは老若男女問わずほぼ全員そうなっていたのでよかった。そりゃなるよ。こんなの目の前で見たら全員追っかけになるよ。あなたもなるよ。
ゲムぼくさんみたいなペンギン狂いが何人もいたらペンギンちゃんが怖がりませんか?
能登愛を感じる記事、とても良かったです。
北陸民として、地震の被害も現状もよく知っていたつもりですが、こうして写真と文章を見ると、地元の方々の懸命さに心が打たれますね。
次の休みには能登に行くことにします。素晴らしい記事、ありがとうございました。
次に来られる時は、いしかわ動物園、福井の松島水族館もオススメです。福井駅や加賀温泉には、ゲムぼく。さんがお取り寄せしていた抹茶庵さんのお店もあるので是非。
いい旅でした!
己がムチムチになりながら地方経済をもムチムチにしていくムチムチ旅行記乙
自分の場合交通宿泊費だけで月の遊興費が爆散しそうだけどたまには爆散させにいってもいいなあと思った
ゲムぼく。さんのおでかけ記事好きです!過去のもよく見返してます。思い出のお裾分けありがとうございます!むちむち!
ゲムぼく。さんの紀行文はとても素敵で、まさに情景が目に浮かぶようで、毎回その土地に行きたくなってしまうのですが、今回の能登旅はいつも以上に行きたくなってしまうほど魅力と愛に溢れた文でした。いつも魅力と愛に溢れていますがそれはそれとしてそれ以上にというかなんというか……
能登の人々、そして能登という場所のあたたかさゆえでしょうか。
今回もありがとうございました。
追伸
いつも読者にむちむちになれと言っておいてゲムぼく。さんだけならないのはちょっと……
とはいえブログはずっと読んでいたいので、健康に差し障りのない範囲でどんどんむちむちになってください。
ゲムぼく。さんが元気にご飯を食べてらっしゃるのを見ると、自分も食欲が湧いて元気も貰えますので。
可愛いが詰まってる記事だった
能登に来てくれてありがとうございました。シリーズ全て楽しく読ませていただきました。
ぜひ何度でも来て何度でもむちむちになってください。
ゲムぼく。が水族館で楽しそうに生き物を見てたのがわかってにこにこした
地元に来てくれてすごく嬉しかったです。
家を出て久しいのでのとじま水族館も昔の思い出ですが今度実家に戻ったときに寄ってみたいと思える記事でした。
手前味噌ですが能登には『能登はやさしや土までも』という素朴で人どころか土まで優しいという言葉があってとても暖かい雰囲気なので皆さんも是非来てほしいです。
ポケモンSVのカエデさん記事でむちむちミロカロスって言ってたせいでミロカロスの写真見た時にそれ思い出しちゃったよ
温かい記事だ…無理ない範囲で、楽しく復興支援できたら最高だよね
ゲムぼくさんの旅行日記大好きです
ゲムぼくさんならわくたまくんに反応してくれると思ってました
素敵な旅行記ありがとうございました
一連の旅行記、量もむちむち盛りだくさんであったかくてすごく良かったです
いつものむちむちドスケベ記事ももちろん大好きですが、旅の記事もまた楽しみに待ってます!
盛りだくさんの旅で楽しんでいただけてよかったです。来てくれてありがとうございました。
石川県民としてゲムぼくさんが来てくれたの嬉しいなぁと思いつつ、昔行ったっきりで被災後の能登には行ってないなぁと思わされました……。次の長期休暇に行ってみようかな