格ゲーの次は江戸川区だ！クイズ・ギア・街歩き！[アリス・ギア・アイギス]

　つい先日、ボタンやレバーや基盤を集めてコントローラーを自作したり、コマンド入力のテンキー表記を画像つきで解説したり、ボタンの静音化やアクチュエーションポイントについて議論したりするという格ゲー勢ですらドン引きする濃さの格ゲーイベントを実装し、全ユーザーの度肝を抜いた美少女3Dアクションシューティングゲーム『アリス・ギア・アイギス』。
　

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　ここまで攻めすぎると、さすがに次はバランスを取らねばならない。
　『ゲムぼく。』だってそうしている。ぼくだって、ブログで尖った記事を出してしまった翌日はある程度真面目な記事を出してバランスを取るようにしている。ほどよいブレーキは大事だ。
　そこで！ 攻めすぎてしまったアリス・ギア・アイギスが満を持して、次にお送りするのは！ 
　

　！？
　

　ボートレース江戸川監修、競艇をはじめ江戸川区の魅力を紹介するイベントだ！
　ブレーキはどうした！？ 粉々に砕いたのか！？ 美少女3Dアクションシューティングはどこへ！？ 格ゲーと競艇はもう美少女でも3Dアクションシューティングでもなくシンプルにおじさんの週末だが！？
　

　このイベントは、佐士原 七海（さしはら ななみ）と蒼浜 麻駆理（あおはま まくり）の新バージョン『アナザー』実装を記念したイベント。ゆえに江戸川区を紹介するのだ。
　ちょうどこの前、小芦 睦海（こあし むつみ）の『ステラー』が実装され、ゆえに格ゲーのコントローラーを自作したが、それと同じ。
　こんなに「ゆえに」が接続詞として機能していない文章も珍しい。現代文のテストで出たら悪問すぎる。でもぼくは正しい説明をしているので、これに関しては100%アリスギアが悪い。
　

　ストーリーは、麻駆理がローカルTV局で街歩き番組の司会をやることになり、それを通じて江戸川区の魅力をみんなに紹介していく、というもの。
　「なぜ約400年後の宇宙で謎の機械生命体と戦うゲームで江戸川区の紹介を……？」という根本的な疑問はあるものの、単体で考えれば自然な話の流れではある。

　ただ、アリスギアは本気度が違う。単に「登場人物たちが江戸川区を知っていくお話をやりますよ～よかったら読んでね～」ではなく、ユーザーに本気で江戸川区の知識を叩き込もうとしてくる。「キャラじゃなくてお前が江戸川区のことを学ぶんだよ！」と迫ってくる。
　どういうことかと言うと……
　

　！？
　

　わざわざこのために用意された江戸川区クイズが多数登場！ 要所要所でクイズパートが差し込まれ、江戸川区の知識を試されるのだ！
　このゲームはなんなんだ？ 格ゲーと競艇とクイズのゲームなのか？ それはもう美少女でも3Dアクションシューティングでもなくゴリゴリのおじさんだが？
　

　難しいわ！ わかるかこんなもん！
　

　用意されている問題数はかなりのもので、プレイするたびに出題が変わる。どうしてそこまでする必要があったのか。
　間違いなく、アリスギアはいま世界一江戸川区クイズが多い美少女ゲームだ。そもそもふつう美少女ゲームに江戸川区クイズはない。
　

　そして、ただ奇をてらったわけではなく、知識が身に着くクイズゲームとしての完成度が非常に高いのが、このイベントのすごいところ。
　まず、序盤でいきなりクイズが出され、当然ながらほとんどのユーザーはまったく正解できず「わかるわけねぇだろ！」とツッコむ。その後、麻駆理たちによる街歩きパートが挟まり、ふたたびクイズが出されるわけだが、よく見ると何問か、街歩きで見聞きした問題があるようになっている。そこで、「あれ？ 意外とわかる！」と、成長を実感できるのだ。人は成長を実感すると、もっと努力したくなる。つまり、もっと江戸川区のことを知りたくなる。
　さすがアリスギア。ユーザー心理を巧みにつかみ、江戸川区の知識を叩き込むための徹底したゲームデザインだ。魂が込められている。込めるな！ こんな変なイベントに！ 魂を！
　

　なんなんだこのイベントは……
　いや、おもしろいし、しっかりぜんぶ読んだし、江戸川区にもだいぶ詳しくなってしまったが、こんなピンポイントな知識を使う機会なんて一生ないのがネックだな。

　と、思っていたら……
　

　先日、実家から母が遊びに来て、たまたま葛西臨海公園に連れて行く機会があった。

「このへんは自然が多いんじゃねえ。鳥がいっぱいおるねぇ」
「そうだね。近くの干潟が水鳥の楽園になってて、国際条約でも保護されてるらしいよ」
「へえ～！ すごいねぇ」
　

　知識を使う機会あったわ。すぐあったわ。
　

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