相手のバザラガの守りが堅い!
よし、ここはトリプルアタック(攻撃ボタン連打)をしゃがみガードさせてから……
飛羊乗雲(↑+アビリティ)でスキを消しつつ小ジャンプして!
しゃがみガードできない中段攻撃で崩す!
着地後すかさずトリプルアタックでつないで!
お灸を据えてやろう! 奥義・金牙神然(きんがしんねん)!
勝った! やったぜアニラ!
太いぜアニラ!!
……という感じで、対戦格闘ゲーム『グランブルーファンタジーヴァーサスライジング』(略称:GBVSR)をプレイしている。
むちむちのアニラをメインキャラ、むちむちのベアトリクスとむちむちのファスティバをサブキャラとして使っている。
こう書くと「こいつはむちむちにしか興味がないのか?」と思われてしまいそうだが、最近はむちむちじゃないビカラも好んでよく使っているので安心してほしい。ビカラは、
将来的にむちむちになることが確定している期待の14歳だ!
その証拠に、見ろ! このもちもちほっぺを!
かわいい!
こんなもちもちほっぺ、将来はむちむちになるに決まっている! 毎日バーガーキングとすたみな太郎に通ってほしい!
いまのうちから応援しておかなければ! むちむち先行投資!!
そんなむちむちファンタジーもちもちライジング(略称:むちもち)は、公式が宣伝文句として「格闘ゲーム入門の決定版」を自称している。
決定版とはずいぶん大きく出たな、と最初は思ったのだが、遊んでみると「本当にそうだな」と感心する要素がたくさんある。とてもわかりやすいし、遊びやすい。
たとえば、各キャラが持つ必殺技は4種類に統一されており、アビリティボタンと方向キーの組み合わせで出し分けができること。いわゆる「ワンボタン必殺」で、具体的には「アビリティ」「→+アビリティ」「↓+アビリティ」「←+アビリティ」の4パターン。
これは最近の有名どころだと『ストリートファイター6』で「モダンタイプ」という近い操作体系が選択肢のひとつとして導入されているが、それで言うと、GBVSRはそもそも全キャラクター&全プレイヤーがモダン前提になっている感じだ。旧来の格ゲーによくあるコマンド入力は『テクニカル入力』という名前でいちおう存在しているが、あえてそれを使う意味はかなり薄い。
「ワンボタン必殺モードも選べるよ」と「ワンボタン必殺モードが基準だよ」はかなり違う話であり、これは個人的にはGBVSRをちょこちょこ遊び続けている大きな理由になっている。
ほかにも、トレーニングモードに「基本コンボ練習」が組み込まれていて、そのキャラの基本的な連携はすぐ手本を見てすぐ練習できるようになっていたり、
ほとんどのキャラで「壁際でトリプルアタック→H版アビリティ→トリプルアタック→奥義」くらいの単純なコンボは使い回せたりする点もよい。
総じて、いろんなキャラを気軽に触りやすいしくみが整っている。ぼくは『ギルティギア ストライヴ』では使用キャラをエルフェルト一本に絞っているのだが、GBVSRではいろいろ使っているのは、このあたりの要素の影響が大きい。
そして、なにより!
個人的にGBVSRでいちばん「これはすばらしい!」と思った、格ゲー入門の決定版としての工夫は……
格ゲー用語でも屈指の意味のわからなさを誇る謎の言葉「中段攻撃」を、「オーバーヘッドアタック」と言い換えてくれていることだ!
知らない人のために解説しておくと、GBVSRを含め、メーカーを問わずほとんどの2D格ゲーに共通するシステムとして、攻撃の「上段」「中段」「下段」と、防御の「立ちガード」「しゃがみガード」がある。
すごくざっくり言うと、足払いなど低い位置からの攻撃は立ちガードだと防御できないし、ジャンプ攻撃など高い位置からの攻撃はしゃがみガードだと防御できないよ、みたいなことだ。この考え方だけ聞くと、直感的でとてもわかりやすい。
で、これを図に落とし込むとこうなる。
は?
逆では?
意味がわからないと思うのでていねいに説明すると、格ゲーではしゃがみガードでだけ防げる低い攻撃を下段、立ちガードでもしゃがみガードでも防げる真ん中あたりの攻撃を上段、立ちガードでだけ防げる高い攻撃を中段と呼ぶ。
は? 逆では? ていねいに説明されても意味がわからないが?
ちなみにこれは、格ゲー有識者に「逆じゃないですか?」と質問すると、「その昔、バーチャファイターというゲームが流行ったときに~」みたいな話が返ってくるので気をつけよう。
仮にそこで「いや、昔話が聞きたいわけじゃなくて、逆じゃないですか?」とさらに質問すると、「うるせえ! 中段は中段なんだよ!」と怒られるので気をつけよう。
でもまあ、実際に何十年も前から「中段」の呼称が定着しているので、「中段は中段だろ」となる気持ちもわかる。
でもその点、「オーバーヘッド」表記は新規勢にも古参勢にもわかりやすい!
ハイ=上段、ロー=下段はそのままに、ややこしい中段をオーバーヘッド、つまり「頭上」と言い換えることで、上段よりも上から来る攻撃であることをわかりやすく示している!
ちなみにこれは、GBVSRオリジナルの呼称というわけではなくて、海外ではもともと日本で言う「中段攻撃」が「Overhead Attack」と呼称されているらしい。それをGBVSRはゲーム内表記にも取り入れている、というわけだ。
めちゃくちゃわかりやすい。すべての格ゲーでこうしてほしい。議題をアジェンダと言ったり根拠をエビデンスと言ったりするヒマがあったら中段をオーバーヘッドと言ってほしい。日本語→カタカナ語の言い換えにちゃんと価値があるめちゃくちゃレアなケースだぞ。
難解な言葉を少しでもわかりやすく。さすが格ゲー入門の決定版だ。
このGBVSRの、徹底して初心者に優しい姿勢に感銘を受けた。GBVSRでは、「中段」という言葉はひとつも
……
あったわ。
コメント
格ゲーの動画見てると出てくる中段の意味がさっぱりわからなかったから助かります
ビッキーはアニラにお菓子いっぱい食べさせてもらってるからね
むちむちになろうね
格ゲーおじ達も知らねーよ中段は中段なんだよってなってしまってる本当に
スト2時代は元々中段がなかったからね…あったのは上段、下段、ジャンプ攻撃の3属性だけ…
そこに「立ち状態のままジャンプ攻撃属性」って崩す属性を入れたけど、適切かつ簡潔な呼び方が他になかったのですよ…
これこれ、めっちゃ分かる~
と思ったのに急にハシゴを外されちゃった…
でも最近だとプレステのボタンとか○X△□とかABXYを海外に合わせて入れ替えようとしてるけど、日本人はずっとこれでやってるから変えないで欲しい側の気持ちも分かるわ
こうやって見ると中段ってホントにややこしいですね
これからは宙段の誤変換だと思うことにします
格ゲーやらないから中段の意味普通に始めて知ったわありがとう!
こんなにまともにゲマぼく。がためになることあるんだ……。
今って格ゲー動画勢も結構多いけど
こういう言葉絶対初見の人分からないよな…
わかるー!!
中段って言われて「これ立ちガード?しゃがみガード???」ってなった遠い記憶
言葉の理解に無駄なコストかけないで済むの初心者に優しくていいですわね
あとは2回転とかのよく分からんコマンドを無くしてくれれば……!
そういえばナルメアは触ってないんですね
俺はナルメアに触りたい
上段は立ちガードできてしゃがむとそもそも当たらない、中段は立ちガードはできるけどしゃがみガードはできない、下段は立ちガードできなくてしゃがみガード可能……なだけなら良かったんですけどね。
しゃがんでても当たる上段攻撃があったり、ジャンプ攻撃をしゃがみガードさせないために中段属性つけたりしたおかげで訳がわからなくなってるのです。
昔の単語をそのまま使ってるとこうもなるよね
身近なところだと無線なのにオンライン状態って言ったら
昔、格ゲーで遊んだ時によく使われてるというコンボが繋がらなくて諦めたんだけど、
もしかして中段と上段を逆に認識してたから説明通りに出来てなかったのか…!?
仕方ないんだ中段という単語が何故生まれたかをきちんと説明しようとすると3D格ゲー(バーチャファイター)の話をせざるを得ないんだ…
でも正直「攻撃位置」の概念で単語を理解しようとするなら「しゃがみガードだと攻撃そのものがすかされる高い位置に攻撃するのが上段」っていう説明を「昔話」で拒否されるのはちょっと困ってしまうと思うのも事実ではあるんよ…そこはわかってくれ…
(逆じゃないよ…
これだから素人さんは云々…)
格ゲーおじさんが来るぞ!気をつけろ!
起源を説明したい古参勢VS起源じゃなくて今の話をしたい新規勢
は他の界隈でも割とある
お疲れ様です。
……一応空手やってたことある身からしても「逆じゃねーか!」感ありますね……。
素人の感覚どころか武道経験者の感覚からすら用語の意味が乖離している……。
TCG『デュエル・マスターズ』でも製作会社も製作スタッフも同じ兄貴分に当たるTCG『マジック:ザ・ギャザリング』由来の色の組み合わせの俗称が輸入された結果、
「『マジック:ザ・ギャザリング』側では公式側が意図して組織名を対応する色の組み合わせの公式名称として定める事を目指すカードデザインを行い、対応する色の組み合わせに対応する背景ストーリーの組織が生み出され公式サイトで組織名を色の組み合わせの公式名称として用いたことで定着し、『マジック:ザ・ギャザリング』側のプレイヤー内では廃れた色の組み合わせを指す俗称が『デュエル・マスターズ』側のプレイヤー内では未だに主流。
『デュエル・マスターズ』側では色の組み合わせに対応する組織を生み出すことも珍しく公式名称として定めるカードデザインの動きがないのもあり代わる呼び方が生まれそうにない」
なんて事態になっているのを思い出しますね……。
知りませんでした
逆だろ……?としか思えませんねw
なんか格ゲー用語って独特で一般人にはイメージが湧きにくいものが多くないですか?用語がわからなくて検索するとその説明も専門用語だらけで結局わからんってなります
本筋とは逸れるけど
ゲムぼくさん図解うまくない?
バーチャや鉄拳の上段攻撃は「中段より攻撃位置が高い故に屈んでる相手にはそもそも当たらない」という仕様だったんだけど
それが「中段は屈んじゃダメ、上段は立っても屈んでも防げる」という対処法ベースの考え方で認知された結果今のようなややこしい呼び方が定着してしまった
分かりやすかったです!
内容見るまでサムネは上中下で並んでると思い込んでた……
そういえばソウルキャリバーっていう格ゲーもハイ、ミドル、ローの表記でしたね。キャラクリばっかりしてて対戦は全然してなかったけど
野球おじが聞かれてないのにON時代の話をするように
格ゲーおじは聞かれてないのに中段の起源の話をする習性があるんじゃよ
わかりやすいな〜。ゲムぼく。ありがとう!
2D格闘の中段技ってあのCAPCOMの人ですら「「そういうものだ」と気にせず覚えてしまいましょう。」と言っちゃうくらいややこしい概念ですからね…。
3D格闘が世に出てなかったらシンプルに「しゃがみ崩し」とか言われてたんだろうか。
ビッキーかわいいね
だめじゃん
中段、連ガ、詐欺飛び、グラップ……
中段の元となったバーチャだと、上段はそもそもしゃがみんだら当たらない、中段はしゃがみに当たるし、ガードできないだったのよ
それをしゃがみを崩す攻撃として2D格ゲーに輸入されたけど、そもそも上段にあたる攻撃でもしゃがみにあたるので、分けわからなくなった。
ゲームによって差異はあるけど基本2Dだと上中下というよりは、中段と下段とその他打撃って覚えたほうがいいね
コメ欄で本当に昔語りされた上で「うるせえ!中段は中段なんだよ!」されてるの含めて良記事
昔の話じゃなくて今逆だよねって話なんだけど
昔の人には昔の慣れもあるから難しいよね…
ギルティで5階あたりうろうろしてる者ですが中段の意味初めて知りました。ありがとうございます
格ゲーは他にもグラップや当て身など、本来の意味とは違った意味で定着してしまった用語があるから難しいですね。
今から変えるにも定着しすぎてて混乱が発生するから変えられないという。
そういう意味ではオーバーヘッドの言い換えはどちらにも影響なくていい塩梅だと思います。
ゲムぼく、格ゲー初心者の目線からいつも分かりやすい記事書いてくれるから業界に貢献してると思う
これでむちむち狂いでさえ無ければ完璧だったんだが
上段中段下段は初めて知ったわ
雰囲気で格ゲー動画見てたから解説助かる
当て身投げは「相手の当身(打撃技)を取って投げる技」って意味だけど、カウンター技自体が当身と解釈されて見事に誤解が広まりましたね
それ言い出したら本来の意味と全然違う当て身とかめくり(相手の背中の皮をめくることが由来)とか意味分からない格ゲー用語たくさんあるしなぁ
「そういう用語」だと思うしかない
中段は中段だよおじがコメに沢山いるのネタなのかも知れないけど面白い
詐欺飛びも安全飛びに変わったから中段もそろそろ変わるかもしれない
「当て身」って言葉があるけど格ゲーで最初にそれを知ったせいで
本来の当て身の意味の方に逆に違和感がある
スト6から格ゲー始めたけど
上段を中段だと思い込んでた…ありがとう
ギルティはハイスラを海外に合わせてヘヴィスラにしたから
オーバーヘッド呼びも採用するかもと思った