あっ、青色サイクバーストされて壁際に飛ばされた!
まずは……よく見る! 距離は近め。体力はどちらも余裕あり。テンションゲージは双方なし。こちらはバーストゲージあり。相手はスレイヤーで、ここまでの動きの傾向からすると、なにかしら攻めに来るだろう。
次に……考える! こちらのP(パンチ)やK(キック)は届かない距離だから、地上から来ると読むならしゃがみガードで守るのが無難か。空中から来ると読むなら前Pを出したい。ただ、読みが外れたときのリスクと、壁際から早く脱したい状況であることを考慮して……
決めた! しゃがみガードで待って、もし相手がジャンプしたのが見えたらその瞬間に金色サイクバーストだ! お互いのテンションゲージがないこの状況下、金色サイクバーストを当てれば一気に優位に立てる!
跳んだ!
ガードされないタイミング、そして当たる距離を見計らって、すばやく正確に!
金色サイクバーストを当てていく!
見たか、これが!
金色に輝くエルフェルトの太ももだ!
太ももオリンピック金メダル! エルフェルト=ヴァレンタイン!!
対戦格闘ゲーム『ギルティギア ストライヴ』をプレイし始めて、8ヶ月以上が経った。
累計プレイ時間は200時間が近づいてきた。おそらくこの感じだと、2024年にいちばんプレイ時間が長かったゲームはギルティギア ストライヴになるだろう。めちゃくちゃハマっている。
8ヶ月前まで「格ゲーやったことないし、そもそもアクション系のゲーム苦手だし……」と言っていたのはなんだったのか。人は「エルフェルトの太ももが太い」という理由だけでここまで成長できるのか。エルフェルトの太ももを小学校の教科書に載せるべきではなかろうか。
オンラインマッチでの強さのめやすとなるランクタワー適正階層は、天上階と10Fを行ったり来たりしている感じだ。
10Fだと勝ち越しが多いが天上階だと負け越しが多いので、実力的にもちょうど天上階と10Fの間くらいだろう。まだまだ鍛錬が必要だ。
ぼくはけっこう特殊なプレイスタイルを採っていて、外部の攻略情報を見ていない。
ほかのゲームでもよく初見縛りプレイをやっているように、自分で考えて試行錯誤するのが好きだからだ。というか、自分で考えないと気が済まないクセがついてしまっていると言ったほうが近い。
ただ最近は、アークシステムワークス公式大会の配信を観たり、プロゲーマーのナゲさんやちゅららさんの動画を観たりすることはしばしばあるので、そこから気づきを得て考えを深めていくことも多い。
関連記事:1日1成長!格ゲー初心者が半年間でできるようになったこと120個![ギルティギア ストライヴ]
で、ぼくはデータ分析やしくみ・枠組みを考えることが好きなので、そういうのを活かして格ゲーをうまくなれないだろうか、ということに自分なりに挑戦している。
たとえば、習得したい動きを細かく分解して具体的に羅列して作った「練習リスト」がある。これは発想としては、仕事などでよく用いられる「ToDoリスト」の応用だ。やるべきことを具体的な作業レベルにまで落とし込んで、完了したらチェックをつけていく。
これは手前味噌ながら、かなりいいしくみだと思っている。着実に身につくし、身についたことを忘れないし、日々チェックマークが増えていく喜びでモチベーションも高まりやすい。
そして最近、もうひとつ新しいしくみを考えて実践し始めており、いい手ごたえがあるので紹介しておきたい。
先にざっくり言ってしまうと、「PDSサイクル」の格ゲーの試合への応用だ。これによって、試合中の自身の行動と課題を体系的に整理できるようになってきた。
まず、PDSサイクルとは、Plan(計画)→Do(実行)→See(評価)を繰り返していくしくみのこと。
おもに、ビジネスの世界などで業務管理の手法としてよく用いられる。「PDCAサイクル」とよく似ているが、PDCAよりもPDSのほうが1周が短く、高速で何度も回すことに向いている。
で、あるとき「これ、格ゲーの試合そのものでは? 格ゲーって、超高速PDSバトルなのでは?」と考えた。
図に落とし込んでみる。
格ゲーの試合は、PDSよりSPDサイクルと言ったほうがよい。Sから始まることが多いからだ。
もしかしたらプロや上級者の世界はちょっと違うかもしれないが、少なくともぼくがいままで経験してきた範囲では、格ゲーの試合におけるプレイヤーの行動はほぼこれで説明がつく。
まず、見る(See)。体力や各種ゲージ、間合い、互いの状態などの情報、つまり現状を見る。そのうえで、情報をもとに起こりうる未来をいくつか想像する。つまり先を見る。
次に、考える(Plan)。Seeの結果をもとに、何ができるかを考えて、何をすべきかを決める。
最後に、動く(Do)。Planで決めた行動をすばやく正確に入力して、やりきる。
その後、また見る(See)に戻る。Doの結果として、体力や各種ゲージ、間合い、互いの状態が変化しているはずなので、現状を見て、先を見る。
この繰り返しだ。
このSPDサイクルは、1周が1秒程度であることが多い。0.3秒で見て、0.3秒で考えて、0.3秒で動いて……という感じだ。すべてにスピードが求められる。
(再掲)
SPDそれぞれに必要な力を分解すると、下記だ。この力の定義も、ビジネスのPDSサイクルをベースに格ゲーに落とし込んだ。
See(見る):情報をとらえる把握力と、情報から未来を描く予測力。
Plan(考える):予測をもとに選択肢を考える思考力と、最適解を決める決断力。
Do(動く):決めたことを相手より速く入力する速度と、ミスをしない精度。
こうやって整理すると、自分がSPDのどこが強くてどこが弱いか考えやすい。
ぼくはPlanが強くてSeeとDoが弱い。
Seeは、飛鳥やハッピーケイオスなどが相手のときにその固有ゲージの情報を追いきれていない把握力不足と、ポチョムキンやアクセルなどが相手のときにキャラ知識不足ゆえの予測力不足が目立つ。
Doは、精度にまだ悩みがある。速度はかなり上がってきたが、逆に速くなったせいで先行入力のタイミングがずれて技が出ないこともしばしば。
これらの弱さを、Planの思考力と決断力の強さで読み合いにムリヤリ勝ってごまかしている場面が多い。それで勝てるのはまあいいことなのだが、ごまかしに過ぎないので本質的ではない。もっとバランスよく地力をつけねば。
よし。課題はSeeの把握力&予測力と、Doの精度だ。
これがわかったら……
鍛える(Train)によって、知識と技術を高めていく!
ここはおもに、リプレイとトレーニングモードを往復する。ぼくの場合はリプレイを見て練習リストを作り、トレーニングモードでそれを消化している。
SPDで試合中のサイクルを回し、Tでスキルアップし、またSPDを回す。すなわち、SPD-Tサイクルだ!
このSPD-Tをなんとなく頭に入れて戦うだけでも、日々の成長度はかなり変わると感じている。試合中の自身の行動フローが整理できるのであわてたり直感だけで戦ったりしてしまうことがなくなるし、自身の強み弱みも発見しやすい。試合から得られるものが増えるので練習の質も上がる。
この日は見る(See)の予測力にフォーカスし、予測の前提となるキャラ知識を磨くことにした。
フレームワークが頭のなかにあると、こうやってその日の練習テーマを明確にしやすいのがありがたい。
なるほど、ポチョムキン戦は開幕で先に殴られることが多いが、あれはしゃがみPなのか。だからエルフェルトの遠S(スラッシュ)より出が速いんだな。
ただ、射程はけっこうギリギリで、初期位置から0.5EF離れたらもう届かない。かわせる。
ちなみにEFとは「エルフェルトの太もも」を表す単位である。ぼくは相手との間合いをつねにEFで測っている。
対ポチョムキン戦の開幕においては、「ポチョムキン側から見ると、しゃがみPは出が速くて安定しやすい行動である。しかし射程はギリギリなので、こちらが少しでも後ろに下がると空振りする」という知識を得た!
で、Train(鍛える)で得た知識と技術を……
実戦のSPDに取り入れる!
開幕で一歩下がり、初撃をかわしてHSでカウンターだ!
(再掲)
SPDを意識して試合中の行動の質を高め、その結果にもとづくTで練習の質を高める。
自分なりの整理ではあるが、SPD-Tサイクル、よくできている気がする! 今後もしばらくこれを意識してプレイしていこう。
よし、じゃあ今日のTrain(鍛える)は、同じく見る(See)の予測力のために、スレイヤーのキャラ知識を磨いていくか。
スーパーマッハパンチの性能を知りたいから、いろんな状況で撃ちまくってみて……
……アッ!?
スーパーマッパハンチは発動時にズーム演出が入るから……
エルフェルトの太ももがめちゃくちゃでかく見える!!
アッ、アッ、
アアッ、
アーーーーーーーー!!
エルフェルトのすごい太ももをよく見て、ぷるぷるの太ももについて考えて、でっかい太ももを動かす! そして太ももを強く鍛える!
SPD-T(Sugoi Purupuru Dekkai – Tsuyoi)サイクル!!
コメント
中盤くらいまではいい記事だなーと思ってたのに最後はいつものゲムぼく。だった
格ゲーそこそこ長くやってるけどEFってなに!?初めて聞いた単語だ!
最近の格ゲー業界で使われてる言葉なのかな?と思ったら世界でゲムぼく。しか使わない単語だった
内容自体は上級者ですらめちゃくちゃ参考にできるのに…他人においそれと記事を勧められない理由がこれである
いつもの
嘘でしょ、太もも丸太じゃん
色々なキャラの性能調査し出すと極め出した人って感じがする
エルフェルトの太ももを教科書に載せたら未来ある子供たちが全員ゲムぼくみたいになってしまう
公式配信でゲムぼくコメが反応されてるのだいぶ面白い
実際成長曲線はすごいと思う
ハマる事なくエルフェルトの太ももをSeeするだけで満足すると思ってた
>ちなみにEFとは「エルフェルトの太もも」を表す単位である。ぼくは相手との間合いをつねにEFで測っている。
こっわ
最後から目を背ければとても参考になる攻略記事
ゲムぼくさんのギルティギア記事、スト6やってる自分でも参考になる内容が多くて助かる
たまに社会人みたいな記事を書くゲムぼくだ
自分で考える瞬間、いいですよね〜!
格ゲーに限らず技や武器のセオリーを考えたり、短所を補うビルドを考えたり、一点集中のネタを考えたり…
一点集中といえば、エルフェルトの太ももって近くで見るとこんなに太かったんだ…
8ヶ月も太ももふっと〜❤️してたのか
あんたすげえよ
しれっと天上行ってるの怖すぎる
この8ヶ月で一番大きな太ももが獲れましたね
スゴく良い事書いてるのになぁ・・・
感動した。継続は力ですね
うちの社長がPDCAをしっかり回してとか言ってるのより
よっぽど説得力がある
何この絵本…
むちむち〜〜!
ふっと…って絵本で笑ってしまった
書いてあることはすっごいためになるのに、
書いてあることはすっごい怖い
役に立つのか立たないのか判断に困る検証記事
ディキンソンのレーザーの方の超必もカメラ寄り優秀だよ
最後の勢いよすぎて太ももしか残らなかった
賢者タイムみたいな研究・トレーニングからいきなり堕ちるやん
また変な単位生み出してる……
MCMCサイクルじゃん
EFめっちゃなんかの用語かと思ったら謎の単位だった時の脱力感がスゴイが癖になりそう
ふっと・・・で絶対笑うだろこんなの
ズーム演出でキャラを凝視するのはもう格ゲー玄人仕草なのよ
ゴールドルイスのバーンイットダウンもかなりズームするのでオススメです
ほぼ無意識や感覚でやっているサイクルを、きちんと可視化するのはビジネスでもゲームでも大事だけど
EFで距離を測るのはどうかと思う
ヤードとかインチとかフィートとかあるからEFという単位が生まれるのも「さもありなん」ですな
急にIQが高くなるの怖かったけどオチで安心した
ズームで見るとエルフェルトの太ももとスレイヤーの太ももが同じぐらいで草
ムチムチ太もも頂上決戦じゃん
間違いなく他の各ゲームにも流用できる考え方なのに太ももが絡むとIQが下がるの恐怖を感じる
>>エルフェルトの太ももを小学校の教科書に載せるべきではなかろうか。
むちむち英才教育でむちむち狂いを大量生産する気か!
ゲムぼくさんは、HUTOMOMOではなくFUTOMOMO派ってことか…
いつもギルティギアの頭がおかしい記事楽しみにしてます!
今回も期待通り狂っていて面白い!狂気の沙汰ほど面白いものはない!
ヤードポンド法でもウンザリなのにまたEFとかいう新しい単位が誕生してる…
それはそうとシステマチックなブラッシュアップがうますぎるので、格ゲーはもちろん、それ以外でも参考になりそう
EFさんの( ><)顔がかわいすぎてもうね
てかEF単位がそれっぽくて一瞬本気で「へーそうなんだー覚えとこ」って思った自分を殴りたい