Steam『Wattam(ワッタン)』レビュー。親子で遊べる絵本風謎解き町作りACTADV!

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 Wattam(ワッタン)というゲームがある。以前、Steamサマーセールの際にギフトでいただいた。その節はありがとうございました。
 「Wattan」「ワッタ」みたいな誤表記をされやすいらしいが、正しくは『Wattam(ワッタン)』である。

 このゲーム、公式の説明やいくつかのユーザーレビューを見たのだが、わけがわからなさすぎて触るのをしばらく後回しにしていた。
 たとえば、公式ストアページで「何もかもが失なわれた真っ暗で空っぽな世界。そこに1人取り残された町長が、友達や記憶、世界そのもの、そして本来の自分を取り戻して行くゲーム。」と説明があり、シリアスで暗い雰囲気に読み取れるのだが、どう考えてもポップなタイトルロゴやメインビジュアルと嚙み合わない。
 さらに、ユーザーレビューを見ても「あの『塊魂』を作った高橋慶太の新作です」みたいな切り口が多く、肝心のゲーム内容について真正面から説明している例がほとんどない。
 

 ただ、プレイしてみるとよくわかった。
 これ、PS2で『塊魂』が初めて世に出たときと同じように、斬新かつ独創的すぎて、そのジャンルやゲーム性をわかりやすく説明するのがほぼ不可能な作品なのだ。
 極論、「やればぜんぶわかるけど、やらないと絶対なにも意味わからんから、やれ」しか言うことがない。
 

 たとえばこの、「おかえりなさい バケツさん」とデカデカと書かれた画面。
 これは、バケツさんという巨大なバケツが新しい島として異界から飛来してきてプレイヤーの島に両手を伸ばし連結してくるときのムービーである。
 ほら、意味わからないでしょ。いま一生懸命説明したんですよ。にもかかわらず一言一句意味わからないでしょ。
 

 これは、ぼく(赤い1P)と娘(青い2P)で2人プレイをしているときの場面。
 ぼくはMichal(便器に吸い込まれて金色になった船)を操作し、娘はともこ(ワープホール機構を持つ四角い土管)を操作している。ほかの住民(便器に吸い込まれて金色になった外来種)と手をつないで踊ることで植物(自走するココナッツ)を育てようとしている。
 ほら、意味わからないでしょ。わかりやすくするために入れたはずのカッコが混乱を呼ぶだけの存在になってるでしょ。
 

 こちらは、ピンクのうんこが「私はうんこです!」と自己紹介するいっぽう、黄金のうんこが組体操しながら「ドカーンとしてよー!」と町長に自爆を求めている場面。
 ほら、意味わからないでしょ。うんこがしゃべるコロコロコミックの世界と首長を自害させる漫画ゴラクの世界が同居してるでしょ。
 

 ただ、プレイすればぜんぶ意味がわかるし、めちゃめちゃ楽しい。
 従来の型にはまらないゲームではあるが、ジャンルをぼくなりにムリヤリ定義すると「絵本風謎解き町作りアクションアドベンチャー」という感じになると思う。

 プレイヤーは、絵本のようなポップでほのぼのとした世界のもと、最初の住民である「町長」やだんだん増えていくほかの住民たちを操作して、新しい住民の要望に応えたり、問題を解決したりしていく。
 なかには、住民の要望を読み解いてほかの住民が持っている特定のアイテムを借りてくるみたいな謎解き要素や、高いところに上ったりジャンプしたりといったアクション要素が要求されるものもある。
 要望や問題をクリアするとストーリーが進み、新しい住民がやってきたり、島(フィールド)が増えたりする。島と島はある程度自由にくっつけたり離したりできるし、住民もじつは特定の住民が吸い込んだり吐き出したりすることで姿を変えることができる(これを利用した謎解きもある)。話の本筋を進めつつも、自分好みの町や住民を作っていく楽しみもある。
 

 なお、謎解きやアクションがあると書いたが、その難度は高くない。
 少なくとも前提に教養や知識が必要になるものではないから、話の理解とひらめきさえあれば小学生でも充分に取り組める。
 ぼくの場合は小学校低学年の子どもとプレイしているわけだが、同じ目線で考え、意見を出し合ってプレイできている。過去に似たゲームがないから大人の「ゲーム勘」みたいなものが通用しなくて、結果的にとても平等だ。
 

 子どもたちはプレイしながら「このゲーム、スイッチにはないの?」と聞いてきたが、たしかに、と思った。これ、スイッチでも出せばいいのにな。
 2人プレイできるし、インターフェイスやセリフはほぼひらがなと最低限の漢字だけだし、過激な描写もいっさいない健全ゲームだし。あとは、日本人クリエイターのゲームだからか、文化や演出面の違和感もない。
 全体的に丁寧なつくりで完成度が高く、本当にふつうの家庭用ゲームの感覚で遊べる。2,050円のインディーズゲーム、という感じがあまりない。過去になかった独特のゲーム体験、という点では最高にインディーズらしい作品なのだが。
 

 なお、娘・息子と一緒に長時間プレイしていて、悪い点もひとつ見つけたので書いておく。
 ここまで8時間ほどプレイしてきて、2回ほど進行不能になるバグに陥ったことがあった。ゲームがフリーズするわけではないが、イベントが起きなくなる。

 具体例を挙げると、「特定の道具を持って木登りする」という場面で、木のてっぺんに行ってもイベントが起きなかった。
 あれ? おかしいな? と思ったが原因がわからず、いったんあきらめて、しばらく時間を置いてから再度プレイするとすぐにイベントが起きた。
 ほかのケースで進行不能に陥ったときもゲームをリスタート(再起動)すると直ったので、「おかしいな、と思ったら再起動する」というのは有効な対処法として言えると思う。

 まあ、これはインディーズゲーム特有ではあるな。
 デバッグにかけられる人員数や時間が少ないから、バグが存在するのはある程度しょうがない。個人的には許容範囲だ。
 

 総じて、この『Wattam』、個人的には超名作だと思う。

 ボリューム的には、大人が1人プレイで効率を追求したらおそらく4~5時間で終わるだろうが、島や住民をいじったり、友達や親子でワイワイ言いながらプレイしたりするなら、10時間以上は楽しく遊べると思う。
 実際、ぼくと子どもたちは8時間かけていったんクリアしたが、実績の取り逃しがまだまだあるのでもう1回最初からやってみるか、となっているところだ。

 そして、いまのところ、ぼくが知る限りは小さい子どもにも安心してプレイさせてあげられる&子どもでも楽しめるSteamゲーム第1位だ。小学校低学年の娘と息子はホリパッドミニを握りしめて遊びまくっている。ストーリーそっちのけで黄金うんちを量産したがるのでなかなか進まないが、大笑いしているのでとにかく楽しそうだ。

 いままでにないゲームを遊びたい人と、親子で遊べるSteamゲームを探している人には、自信を持ってオススメできる。ぜひやってみてほしい。
 

Steam:Wattam
Wattam (ワッタン)。塊魂やのびのびBOYをつくった高橋慶太の新作。何もかもが失なわれた真っ暗で空っぽな世界。そこに1人取り残された町長が、友達や記憶、世界そのもの、そして本来の自分を取り戻して行くゲーム。1人で町長と冒険するのもいいし、友達(オフラインマルチプレイ対応)と一緒に楽しむこともできます
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コメント

  1. 名無しのゲーマー より:

    ゲムぼくさんはうんこが似合いますね

  2. 名無しのゲーマー より:

    まるでゲームブログみたいな記事

  3. 名無しのゲーマー より:

    ゲムぼくさんの文章力でもサッパリ意味がわからない

  4. 名無しのゲーマー より:

    >黄金うんちを量産したがる
    よくわからないけどゲムぼくさんとの血縁を感じた

  5. 名無しのゲーマー より:

    >ピンクのうんこが「私はうんこです!」と自己紹介するいっぽう、黄金のうんこが組体操しながら「ドカーンとしてよー!」と町長に自爆を求めている場面。

    政治批判に忙しい2ch民かヤフコメ民みたい

  6. 名無しのゲーマー より:

    ギフト送る人のセンスが毎回いいな

  7. 名無しのゲーマー より:

    こんな乳も尻も太もももないゲームなんてできない!

  8. 名無しのゲーマー より:

    かわいい。
    hahahaと笑い合ってる画像が特にかわいい。

  9. 名無しのゲーマー より:

    ウゴウゴルーガ思い出した

  10. 名無しのゲーマー より:

    わざとわけ分からないように説明してると思われそうだけど
    ほんとに書いてる通りだから凄いよな(既プレイ勢)

    シリーズが続けば塊魂みたいに理解者が増えていきそう

  11. 名無しのゲーマー より:

    今思えば塊魂も「なんやかんやあって星を作らないといけなくなりました。なので消しゴムから人間、大陸までいろいろな物をコロコロ転がして固めてその塊で星を作ります。なんなら太陽も固めます」だからなぁ
    改めて思うと意味わからない

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