あの手この手で立ち向かえ!旅行の最大の敵、乗り物酔い!

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 ぼくは乗り物酔いしやすいほうだ。
 バス(車)がいちばん酔いやすくて、次いで飛行機、新幹線。めったに乗らないが船もかなりきつい。電車の在来線はほぼ酔わないが、体調や混雑度によってはその限りではない。
 大人になってからかなりマシになったが、子どものころは本当にひどくて、「バスに乗る=降りた瞬間に吐く」くらいの認識だった。吐くこと自体は確定しているので、「いかに車中で吐かないように耐えるか」だけに全力を注いでいた。

 うちの子どもたちは、ぼくほどではぜんぜんないが、それでも乗り物酔いすることはしばしばある。
 もちろん、酔い止めは飲むし、それは一定の効果があるわけだが、やっぱり酔うときは酔う。

 乗り物酔いの理由はいろいろあって複合的だし個人差も大きいが、個人的には「圧迫感」と「思い込み」の影響が強いと見ている。
 圧迫感というのは、座席の狭さとかシートベルトの締めつけ感とか、あと「ほかのお客さんに当たったり誰かの邪魔をしたりしないようにいい子にしてなきゃ」みたいなプレッシャーも含む。
 思い込みというのは、そのまんま「自分は酔う」という思い込みである。酔うぞ酔うぞと思っているので酔う。小さいころはよく「遠くの景色を見なさい」と言われたが、「とっくに見てるし見たって酔うものは酔うんだよ」と思っているので酔う。なにかで気を紛らわせることができればよいのだが、さすがに下を向いて本を読んだりゲームをしたりすることは自殺行為に近いとわかりきっているので、けっきょくなにをするでもなく酔うぞ酔うぞと恐れるくらいしかやることがない。
 

 先日、子どもたちを連れて福岡・長崎あたりに旅行をする機会があって、ここではバスや特急列車、飛行機など、さまざまな乗り物に乗った。
 楽しいのだが、唯一にして最大の不安は「子どもたちが酔わないか」である。かなり心配したし、考えられる限り、あの手この手を尽くした。
 そして、喜ばしいことに、成果がめちゃくちゃあった。つまり、子どもたちがぜんぜん酔わなかったのだ! 考えた甲斐があった!

 そこで今回は、乗り物酔い防止のために実行し、実際に成果があった方法を3つ大公開!
 「酔い止めを飲む」とか「遠くの景色を見るようにする」とかは大前提として、それ以外にやったことを挙げていく。
 当然ながら個人差・状況差が大きい話なので、万人に効果があるとは限らないことに注意が必要だが、参考にできるものがあればぜひ参考にしてほしい。
 

—-

【1】ふだんと違う酔い止めを飲ませる

 乗り物酔いしやすい子どもの場合、よく飲む酔い止め薬があるはずだが、ここぞというときにはそれとは違う酔い止めを飲ませる。
 たとえば、うちの子どもたちはよく『トラベルミン チュロップ』を飲むのだが、今回の旅行においては『トラベルミン ジュニア』を初めて買って、飲ませた。「これはすごいやつだよ」と言って。

 なお、これは、「より強い酔い止めを飲ませよう」という話ではない。違う酔い止めならなんでもいいし、なんなら酔い止めじゃなくもいい可能性がある。
 なぜなら、この方法の本質は「なんかすごそう、これなら酔わなさそう」という思い込みを得るという点にあるからだ。

 ぼくは小学生のとある時期、乗り物にまったく酔わなくなったことがあった。
 事細かに覚えているわけではないが、親にお寺みたいなところに連れて行かれて、えらいお坊さんみたいな人に「車に酔わなくなる粉を特別に用意しましたから、これをひとくち指ですくってなめてから乗ってみてください。この粉はあなたのお母さんに渡しておきますから、効き目があったら、今後はお母さんからもらうとよいでしょう」みたいなことを全知全能みたいな顔で語られて、なめてから乗ってみたら本当にまったく酔わなかったのだ。あのお坊さんは何者なんだ、この粉は覚せい剤か何かか? と思っていた。
 真相は、その粉はただの片栗粉だったらしい。まあ、小麦粉でも塩でもなんでもよくて、要するに「なんかすごそうな人がわざわざ用意した粉だから酔わなさそう」とぼく自身が思い込んでしまうことが重要だったのだ。

 なので、ふだんとは違うものを用意して「これはすごいぞ」と渡すことは、それだけで効果がある場合がある。
 違う種類の酔い止めを渡すほかには、適当な飴やチョコなどを用いるのもよいだろう。渡し方や説明を工夫して「すごそう」と思ってもらえるならなんでもよい。もともと飴やチョコは血糖値を高め脳を活性化する作用があり、乗り物酔い防止によい食べ物だと言われているので、思い込みと併せれば相乗効果が期待できるかもしれない。

 で、実際、この違う酔い止めを飲ませて思い込みを促進する方法はかなり効果があった。子どもたちは「めちゃくちゃよかった! すごい! あのクスリもっとちょうだい!」と言うようになった。ぼくが逮捕されそうな発言なのでやめてほしい。
 

【2】グリーン車に乗る

 「圧迫感」の問題を金の力で解決する手法。
 わかりやすくグリーン車と書いたが、これの本質は「ゆったり座れて、周囲に人が少ない空間を確保する」ということにある。
 なのでたとえば、グリーン車でなくとも「すいている時間帯に乗る」みたいなことでもある程度よいし、「バスじゃなくてタクシーに乗る」などもこれに含まれる。もっとも、タクシーの場合は「知らない運転手さんがすぐ近くにいる」という別の圧迫感が生まれるので、逆効果になるケースも考えられるが。

 座席に余裕があると、姿勢を変えたりシートを倒したり脚をぶらぶらさせたりしやすいので、リラックスしやすい。また、周りに人が少なければ雑談もでき、気がまぎれやすい。
 あとは、グリーン車というのは内装が豪華だったり座席に照明などのスイッチが付いていたりするので、子どもはそういうのを見たり触ったりしているだけでもけっこう楽しんでくれて酔わなくなる、というのもある。

 この方法はお金がかかるのがネックであり常用はできないが、たまの旅行のときなどは積極的に使っていきたいところだ。旅先で豪華な乗り物に乗るというのは思い出にもなるし。
 

【3】寝かせる

 シンプルにして最強の手法。寝てしまえばどんなに長い移動でも怖くない。
 ただ、大人だろうが子どもだろうが「寝なさい」と言われてすぐ眠れる人は多くないので、工夫が必要だ。ぼくは思いつく限りあらゆる方法を組み合わせて子どもを眠りに導いた。

 まず、上記【1】の方法でいつもと違う酔い止めを渡すときに、「これはすごく効き目があるんだけど、ちょっと眠くなるんだよね。だからそのまま寝るといいよ」と強調した。酔い止めの成分が眠気を誘発することがあるのは事実なのだが、ことさらに強調した。思い込みによる眠気を誘うためである。
 さらに、上記【2】の方法でグリーン車に乗ったときには、ぼくが「あっ、これシート倒せるんだ! この車両ほかに誰もいないから倒し放題じゃん! ほらほら、席もふかふかだしこうやったらすぐ寝られそう」と自ら楽しそうに寝やすい姿勢を作ってみせ、寝ると気持ちいいぞアピールをしていった。
 そしてほかにも、乗り物に乗る前に公園で子どもと鬼ごっこをして適度に疲れさせ、乗ったあとに「疲れたから寝るといいよ。寝るときにはこれを聴くといいよ」とイヤホンを渡して睡眠導入に向いた環境音のBGMを聴かせた。

 結果、子どもたちはすぐ寝た。我ながら完璧である。めちゃくちゃがんばったと思う。

—-

 
 乗り物酔いというのは、わからない人にはわからないものだが、つらい人にとっては本当につらい。特に子どもは「乗り物がイヤだから」という理由だけで旅行そのものが嫌いになることだって充分にありうる。
 万人に共通する万能の解決法がないので難しいが、考えて工夫すれば多少は改善できることも多々ある。ぜひぼくを見習ってほしい。
 

ぼく「……」
息子「起きて」
ぼく「……え?」
息子「これ、そろそろ着くんじゃないの?」
ぼく「……えっ? あっ、ホントだ! 起こしてくれてありがとう。よく寝た?」
息子「うん。でも、パパのほうがよくねてたよ
ぼく「それは失礼しました

 子どもに起こされるところは見習わなくてよい。
 

コメント

  1. 名無しのゲーマー より:

    ゲムぼくがパパやってる…
    いいことだ…

  2. 名無しのゲーマー より:

    いいお父さんしてる

  3. 名無しのゲーマー より:

    乗り物酔いがキツいの分かる〜
    それだけで旅行嫌いになる事すらあるから対策大事…

  4. 名無しのゲーマー より:

    思い込ませるのは有効そうですね、こんど子供にも実践してみます!

    しかしクスリとマインドコントロールを駆使するむちむち野郎が逮捕されてしまわないか心配です・・・

  5. 名無しのゲーマー より:

    起こしてくれる人がいない私はどうすれば?

    酔わないって自信があると結構マシになったりしますよね、自分はそのタイプです。
    新幹線とか飛行機だと空気が澱む感覚あるんで、ちょっとでもリラックスできる服とかにして対策してたりしましたね。

  6. 名無しのゲーマー より:

    親の鑑

  7. 名無しのゲーマー より:

    >あのクスリもっとちょうだい!

    通報しました

    パパぼく回の人はむちむちバーサーカーの人と違っていいパパをしていてよいなあ

  8. 名無しのゲーマー より:

    パパぼく記事は癒やし

  9. 名無しのゲーマー より:

    パパぼく好き、尊敬する

  10. 名無しのゲーマー より:

    いい記事だなぁ
    自分はタクシーや観光バスとかが苦手で、シートに汚れよけ用に付けられている
    塩ビ製のカバーみたいなやつの匂いがダメなのかなと思いました

  11. 名無しのゲーマー より:

    乗り物酔いは物理的なシェイクもありますが、精神的な側面もデカいですよね〜
    トラベルミンの眠気の副作用はガチなので、寝ちゃってもいい時は本当に効果テキメン!仕事の移動(ノット運転手)時の酔い止めに飲んで、眠気が来て脚立から落ちそうになったのもいい思い出です…。

  12. 名無しのゲーマー より:

    ゲムぼく。ついに逮捕か
    いい文章書く変態ムチムチ野郎だったな…

  13. 名無しのゲーマー より:

    自分も乗り物酔いや画面酔いすごいタイプだからしんどさわかります。
    既に試されたかもしれませんが、サイダーとかコーラとか、炭酸(微炭酸よりは強めがいい)飲むと症状が楽になるので、炭酸苦手でなければオススメです!

  14. 名無しのゲーマー より:

    正義のお薬催眠おじさん

  15. 名無しのゲーマー より:

    行動で示す山本五十六バリの教育方針に関心
    お子さんはパパぼく。さんにやってみせやらせてみて褒めるまで出来て素晴らしいですね

  16. 名無しのゲーマー より:

    すごいためになる内容で参考になった
    でも期待していた内容ではなかったような気がする

  17. 名無しのゲーマー より:

    乗り物に乗る1時間前くらいから
    イヤホンを片耳だけ着けて三半規管をバグらせておけば酔いにくくなるよ

  18. 名無しのゲーマー より:

    プラシーボ効果って凄いですよね。

  19. 名無しのゲーマー より:

    クスリに詳しいパパ活の回

  20. 名無しのゲーマー より:

    車酔いの場合は自分で運転していると酔わないけど他の人が運転する車に乗っていると車酔いするとかあるよね
    集中力とか関係しているんだろうか

  21. 名無しのゲーマー より:

    パパさんモードの記事が一番楽しみだったりする

  22. 名無しのゲーマー より:

    珍しくリンク先がちゃんと仕事してる!

  23. 名無しのゲーマー より:

    自分はタクシーとバスが致命的にダメな子供時代でした
    恐らくタクシーはガス独特の匂い(タクシーのほとんどはガソリンではなくLPガスが燃料)、バスは重心が高い故の揺れが原因だった模様

  24. 名無しのゲーマー より:

    乗り物酔い(車)するので遠足が地獄だったな
    今はイヤホンで音楽を聞いて気を紛らわすことである程度耐えれる

  25. 名無しのゲーマー より:

    いつものムチムチがないと違和感がすごい

  26. 名無しのゲーマー より:

    子供の頃車酔いひどいのに親の自己満足や場所に連れてかれたり長距離ドライブ帰省(強制)で車きらいな私が浄化されたかも
    ありがとパパぼく

  27. 名無しのゲーマー より:

    乗り物酔いに根性論じゃなく、色んな工夫考えてくれるお父さんめちゃくちゃえらすぎる。尊敬する。
    お坊さんの粉のエピソード面白かった。

  28. 名無しのゲーマー より:

    乗り物酔いはホントにつらいから助かる

  29. 名無しのゲーマー より:

    クスリを求める子どもたち好き

  30. 名無しのゲーマー より:

    パパぼく記事はハズレがないね

    クスリ…クスリ…
    クスリといえばマリオの新作であるマリオワンダーが合法でキメられると身内で評判なので是非ともゲムぼくさんにやってみてほしい
    ゾウ変身でむっちむちになれますよ!

  31. 名無しのゲーマー より:

    >小麦粉でも塩でもなんでもよくて
    重箱の隅を突くようなコメントで恐縮ですが、小麦粉の生食は食中毒や澱粉の消化不良の関係でむしろお腹を壊したり嘔吐につながったりするはずなので、避けた方がいいかと思います。
    ただ乗り物酔いの辛さは私もよくわかります。素敵なブログありがとうございました。

  32. 名無しのゲーマー より:

    いつもながらパパぼく。さんは人格者ですね

  33. 名無しのゲーマー より:

    息子くん、優しくて思いやりのあるカッコいい子になるよ

  34. 名無しのゲーマー より:

    プラセボ効果ですね。アレって、偽物だとわかってても聞くらしいですよ。

  35. 名無しの悪魔 より:

    乗り物酔いは乗り物特有のにおいからもなりやすいですし、複合要因から発生しやすくもあるのでキツいと思います。
    オレンジジュースを飲むと酔いやすいと言われ、乗り物に乗る前はそういったものを摂取しないようにしています。
    振動による三半規管への刺激も酔いやすくなる要因のひとつですから、揺れにくい車輌を選ぶことも肝要かと存じます。
    気分を高揚させることは酔いにくくする方策として重要かと考えます。
    酔い止めを飲み、食べ過ぎず、乗り物特有のにおいを極力気にしないようにし、気分を高揚させたら少しずつ酔いにくくなることと愚考します。
    ちょっとずつよくなるといいですね。

  36. 名無しのゲーマー より:

    お疲れ様です。
    以前ゲムぼく。さんが乗り物酔いにとても弱いことを告白されたことで、カエデさんの記事の「乗り物酔い止めは飲んできました!」が「割とガチめに告白の言葉だったんだな……」と驚いた覚えがありますが、お子さんにも……。
    よい効果がありますように。

  37. 名無しのゲーマー より:

    大抵子供たちの方が頼もしいな?

  38. 名無しのゲーマー より:

    えっちな耳舐めASMR聴きながら乗ると頭がそれどころじゃなくなって酔わないからおすすめ

  39. 名無しのゲーマー より:

    めっちゃわかる。
    自分も、酷いときは乗る前から気分悪くなるくらいには乗り物酔いするタイプだったからすごいわかる。
    こういうのって酔いそのものより親とかまわりの人に嫌そうな顔されるのがきついから、ゲムぼく。はほんといいパパ。

  40. 名無しのゲーマー より:

    パパぼくー!

    自分は車の中で本を読むを毎日繰り返して三半規管を強くして乗り物酔いを治すという力技で直した

  41. 名無しのゲーマー より:

    うちも子供が車酔いするのですごいわかる。
    薬が高いので、うちでは薬だって言ってコンビニとかでしか売ってない珍しいラムネあげてましたね。

  42. 名無しのゲーマー より:

    ゲムぼく。のムチムチ以外の有益情報記事だ

  43. 名無しのゲーマー より:

    パパぼく。本当に良いお父さんで見てて微笑ましい

  44. 名無しのゲーマー より:

    小学生終わりくらいまで苦しんだな。
    揺れでは酔わなかったけど臭いがダメなタイプ。じぶんちの車なら窓開けてれば大丈夫だったけどそれができないバスやタクシーは致命的だった。
    その後は全く平気になったけど。

  45. 名無しのゲーマー より:

    かしこい

  46. 名無しのゲーマー より:

    船乗り10年位やってるけど、未だに海が荒れると船酔いするわ。
    これまでの経験上、酔い止めの薬(スコポラミン)とカフェインは相性が悪くて酔い止め飲んだ直後にコーヒーとか飲むと吐いちゃう事が多かったから酔い止め飲むなら酔い止めが吸収される迄はカフェインを控えた方が良いかもしれない。

    後はまあ、慣れるまで乗り続けるっていう荒療治も有るけど、1週間ずっと乗ってるとかのほぼ船乗り専用手段なのでオススメは出来ない。

  47. 名無しのゲーマー より:

    イチオシの酔い止め飲んだから大丈夫!!て思うのマジ大事
    自分のイチオシは「トラベルミンファミリー」これは「メクリジン」が入ってる

    眠らなくても目を閉じてウトウトするだけでも酔いにくくなる

  48. 名無しのゲーマー より:

    大人でトラベルミン子供用を飲んでも2日ほど眠いタイプです。センパアQT子供用はあまり眠くならないので、もし機会があればぜひ!

  49. 名無しのゲーマー より:

    酔い止めにもプラシーボ効果あるんですね
    そういえば、私は特に新幹線で乗り物酔いしていたのですが、祖母から紹介されたアネロンニスキャップがよく効いて悩まされなくなったんですよね。父も子供の頃飲んでいて効いたと紹介されたので、体質などの相性もあったのでしょうがプラシーボ効果もあったのでしょうね
    親子で、あるいは何代にも渡って悩まされてきた場合は、もしかしたらそういうアプローチでも凄そうと思ってもらえるかもしれませんね

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