『ヌイグルミ騎士団と少女の夢』というボードゲームをAmazonギフトでいただいた!
ありがとうございます。
じつはこれ、いただいた経緯がかなり特殊で……
「ヌイグルミ騎士団と少女の夢を布教したい。贈りたいからAmazonほしい物リストに入れてほしい」と言う人が現れて、その人が贈ってくださったのだ。
すごくない? この人の熱量もすごいし、そうまでさせるこのゲームもすごくない?
息子「それなに?」
ぼく「なんかね、ヌイグルミ騎士団と少女の夢っていうボードゲーム」
娘「なんかでかくない?」
ぼく「デカいね。初代XBOXかってくらいデカいね」
娘「なにそれ」
おお~! なんかいっぱい入ってる!
これまでいろいろなボードゲームを遊んできたが、どちらかと言えばカードゲームの延長みたいなものが多かったから、ここまで本格的なものは初めてだ。
説明書、絵本のようなストーリーブック、色の違うたくさんのダイス、キャラクターの人形、トークンと呼ばれるチップのような厚紙……とにかくいろいろある。
すごい……すごいけど……
息子「なんか、いっぱいあって、ルールがむずかしそう」
ぼく「うーん、たしかに。対象年齢は8歳以上って書いてあるから遊べるとは思うけど、どうなんだろう」
娘「話もむずかしいのかな」
ぼく「なるほど、ストーリーね。たしかに、子どもにわかりやすいストーリーになってることは大事だな。説明書でも見てみるか」
ぼく「このゲームの目的。ええっと、プレイヤーはそれぞれ女の子のおともであるヌイグルミとなります。その役割は、ベッドの下の暗闇に隠れているお化けから、子どもたちを守ること! 友情、勇気と情熱とともに、ヌイッ、ヌイグルミたちは、一連の物語の、ううっ、中を突っばじっでいぎまず」
娘「なんでちょっとないてるの」
ぼく「ええ話やん、絶対ええ話やんこんなん、ヌイグルミたちめっちゃ一生懸命やん」
子どもにわかりやすいどころか大人にぶっ刺さるストーリーが出てきてしまった。
いつも女の子に大切にされているヌイグルミたちが、女の子が寝ているときにはベッドの下の暗闇でオバケたちと必死に戦って女の子を守るってことでしょ? そんなん、そんなん……
ぼく「そんなん絶対ええ話やんけ! はよやろうや!!」
息子「こえでっか」
ぼく「ほれ、ダイスとか! ダイスとかカードとかどんどん開けようや!!」
娘「こえでっか」
説明書を見ながら、テーブルに必要な道具を並べた。だいたいこんな感じだろう。
なお、写真が上下逆さになっているように見えるが、これはストーリーブックやカードを子どもたちが読みやすいよう彼らに向けているからだ。ぼくから見たり写真を撮ったりするとどうしても逆さになってしまう。ご了承いただきたい。
ぼく「まずは、自分がなりたいぬいぐるみを選ぶらしい。キャラ選択だね」
息子「ええ~! どれにしようかな」
娘「セアドラかっこいい。つよそう」
息子「これ、いっかいえらんだら、かえられないの?」
ぼく「たぶん変えられないんじゃない? そのヌイグルミになるんだから、ほかに生まれ変わることはできないでしょ」
息子「なやむ~」
娘「パパはどれにするの?」
ぼく「ええっと、そうだな……この子にしよう」
娘「はやっ」
ランピィという、ゾウのぬいぐるみにした。
理由はお腹と脚がむちむちしていてかわいいなと思ったからである。
娘はセアドラという勇敢そうなクマのヌイグルミ、息子はスティッチという老兵のような人形のヌイグルミを選択。
さあ、ここからどんな物語が待ち受けているのか……
全員で覗き込むようにしてストーリーブックの最初のページを読む。
漢字がわりと多いからぼくが読んであげようとしたのだが、娘が「わたしがよむ!」と言って聞かないので娘に任せた。やる気に満ちている。
詳細はぜひ実際にプレイして確かめてほしいのだが、序章のあらすじはおおよそこうだ。
—
少女はこの夜、新しいベッドで初めて眠る。
いままではベビーベッドで寝ていたが、立派に成長し、おしゃれで大きなベッドを買ってもらったのだ。
新しいベッドに最初こそとまどった少女だったが、慣れたベビー毛布を身体にかけ、いつものヌイグルミたちを枕元に並べると、違和感はなくなった。眠りに落ちる少女。
ヌイグルミたちの時間が始まる。老兵のスティッチは気が気でない様子だが、セアドラにはその理由がわからない。
「ついにこの夜が来てしまったか。いままではベビーベッドの柵の力で、この子は魔から守られていた。しかし、このベッドに柵はない。奴らが来る」
「なにが来るって言うの?」
「夢魔の王、クレピタスだ。奴はこれを好機と見て、さっそく手下を差し向けてくるだろう。わしらが、わしらだけが、この子を守ることができるのだ!」
—
……
め、め……
ぼく(ランピィ)「めちゃめちゃかっこいい! スティッチ! スティッチおじいちゃん!」
息子(スティッチ)「わしらが、わしらがこの子をまもらねばならんのだ」
ぼく(ランピィ)「ウオオオオオオオ! 守るぞ! 命に代えても守るぞォォォォ!!」
娘「そんなセリフはどこにもかいてないよ」
序章の舞台は、少女が寝静まり、真っ暗になった寝室。
スティッチの提案で、すでに夢魔クレピタスの手下が部屋のどこかにいるかもしれないので、部屋のなかをくまなく探すことになった。
少女を起こさないよう、慎重にベッドから飛び降りるヌイグルミたち。するとそこには……
ぼく「ええっと、『ベッドの下から細長い、クモのような足が、ニョキっと突き出してきました……』」
息子「てきいるじゃん!」
ぼく「で……おっ、バトルの準備がある。『プレイヤーはそれぞれアイテムカードの山を調べ、キーワード”台所”または”書斎”が記された武器であるカードのうちから任意の1枚を取り、それを装備します』だって」
娘「どういうこと?」
ぼく「つまり、ベッドの下に魔物がいるっぽいから、戦うために台所とか適当な部屋とかに急いで武器を取りに行かなきゃってことだね。この中から武器を選べるみたい」
娘「うわ~、どれにしようかな。女の子をまもれるつよいぶきにしないと」
すごいな。ぼく自身もだが、娘も息子も最初の1ページにしてすでに没入感MAXだ。
「寝静まった寝室」というのは誰でもイメージしやすいし、ベッドの下の暗闇が怖い世界とつながっている、というのもなんとなく想像しやすい。
そして、ヌイグルミたちが少女を守るため、身近な道具を武器にして人知れず戦う展開! 燃える!
ベッドの下に隠れていたのは、カサカサというクモの魔物!
初めての戦闘が始まる!
戦闘はターン制。
手番のプレイヤーがダイス袋からダイスを5個取り出し、出た色によって取れる行動が変わる。
たとえば、移動はどの色のダイスでもできる。青いダイスを手に取って「移動します」と宣言すれば、青いダイスを振って出た目の数だけ移動できる。
そして、赤いダイスは近接攻撃に使える。敵と隣接していて近接武器を持っていれば、赤いダイスを振って出た目の数の攻撃力で攻撃できる。
息子「みどりの線をみどりのダイスでとびこえて……赤のダイスでカサカサをこうげきします」
娘「たおしてくれ~」
ぼく「カサカサの頑丈さが5で、スティッチはハサミ装備で攻撃力が+2されるから、ダイスが3以上なら倒せる! がんばって!」
このゲームはRPGのようなものでプレイヤー全員が仲間なので、協力や応援ができるのもいいところだ。
少女を守るという目的感も一致しているし、カサカサが思った以上に見た目が怖いのも緊張感があってよい。早く倒したいとみんなが自然と思えている。
息子の攻撃ダイスの目は……
息子「4だ!」
ぼく「ということは、6ダメージ! 倒した!」
息子「やった!」
敵を倒すと、はあとトークンというアイテムを1個得られる。
これはイベントで使うことがあるほか、戦闘中に消費すればヌイグルミごとの固有スキルを発動できる。敵を倒すと溜まる必殺技ゲージみたいなものだ。楽しそう!
ぼく「よし、じゃあこのターンは、この紫のワイルドダイスを2個同時に振って敵リーダーのカサカサを攻撃します」
娘「2こどうじなんてあるの?」
ぼく「あるらしいよ。これだと、2個振って1回しか攻撃できないけど、2個の合計が攻撃力になるから、高いダメージを出しやすいっぽい」
娘「え~! すごい! ぜったいつよい!」
ぼく「リーダーのカサカサは頑丈さが6あるけど、ランピィが持ってるミートハンマーで攻撃力は+1できる。だから、ダイス2個の合計値が5以上なら倒せる! 任せろ!」
数学的には、サイコロを2個同時に振ったときの期待値は7だ! ウオオオオオ!
ぼく「……1と2でした」
娘「つよくなかった」
その後、娘が次のターンで大きな目を出してくれたので、リーダーのカサカサは無事に倒せた。
ちなみに、黒いダイスが一定数集まってしまうと敵のターンになる。
この初めてのステージはチュートリアル的な要素を兼ねているのでカサカサはそんなに強くない魔物のはずなのだが、攻撃力が意外と高くて恐ろしかった。防御ダイスの使い方を早々に覚えないといきなりピンチに陥ることがあり、結果的にぼくも娘も息子も身をもって基本ルールを習得することができた。
よし、ぜんぶ倒した! 寝室の平和は守られた!
と、思われたが……
—
カサカサたちは後退しながらも、寝室にあるさまざまな物を盗み出そうとしていた。
少女が使っているクシや靴下。そして、少女がとても気に入っているベビー毛布。
「それは絶対ダメ!」
ヌイグルミたちは毛布の端をつかみ、必死に引っぱり返す。
しかし、カサカサたちはベッドの下の暗闇の奥から見えないなにかに助けてもらっているかのように、すさまじい力で毛布を暗闇に引きずり込んでいく。
やがて、毛布とヌイグルミたちは、カサカサとともに暗闇のなかに消えていってしまう……
—
ぼく「次章、『むこうがわのセカイ』……だって」
娘「ええ~! やば!」
息子「クレピタスのせかいにつれていかれたってこと?」
ぼく「そうかも」
娘「はやくつぎのページやろうよ」
ぼく「いや、今日は遅いからもうやめよう。また続きは今度やろう」
気づけば、この時点で1時間以上が経過していた。
最初だからルールを覚えながらじっくりやったことも影響しているだろうが、プレイ時間はかなりかかる。
ただ、それが悪いことだとは感じない。むしろ、時間をかけたからこそおもしろい、と感じる。1時間以上経ったはずなのに、体感では20分くらいだった。それくらい没入していた。
ぼく「いちど片付けなきゃいけないから、写真を撮って、セーブしよう」
娘「セーブ?」
ぼく「こうやって、キャラと装備と綿(ライフ)とハートと保存ダイスを写真で撮っとけば、次に始めるときに同じステータスで始められるでしょ」
娘「なるほどね~」
次の日、写真を見ながら並べ直して、またプレイを再開した。
物語はぜんぶで7つもあるらしいが、まだ1つ目の序盤か中盤くらいだと思う。長く楽しめそうだ。
なんなら、プレイするうちに細かいルールを覚えたり、ヌイグルミごとのスキルの違いもわかってきたりするから、2周目のプレイにはまた違った楽しみがあるのだろうな、と思う。
どんなゲームかぜんぜんわからなかったし、本格的な長編ボードゲームはやったことがなくて不安だったが、『ヌイグルミ騎士団と少女の夢』、めちゃくちゃおもしろい!
いまも続きを少しずつプレイしているので、進捗によってはまた紹介記事を書きたい。
少女に愛されたヌイグルミたちは、愛する少女を守る騎士となる。
弱くて強い、かわいくてかっこいい、ヌイグルミたちの奮闘をその手で導け!
コメント
なるほど、子供と一緒に出来るTRPGって感じか
ストーリーの出来が非常に良さそうなので推してた人の気持ちもわかるなぁ
面白そうやん
ミニチュアついてるの良いね
自分で色塗ると愛着沸いて楽しいぞ(沼)
こういったゲームを一緒にできる友だちが欲しかった
>ヌイッ、ヌイグルミたちは、一連の物語の、ううっ、中を突っばじっでいぎまず
ここ、てっきりゲムぼくさんは、
“抜いっ、ヌイグルミたちは、一連の物語の、ううっ、〇内を突っ”
ってな感じの脳内変換で苦しんでるのかと誤解した事をここに懺悔します。
初代XBOX持ってたのか…
ゲームブログみたいな記事だ…
普通に感心してしまった
ちゃんとした記事だ
案件か?
絶対にランピィを選ぶと信じていました
ダイスくそよわくて笑いました。
「写真を撮って、セーブしよう」とかゲムぼく賢いな!
でも、「中を突っばじっでいぎまず」は普段の言動のせいで別の意味に聞こえて気味が悪いな!
遊んでいただいた上記事にまでしていだたき、ありがとうございます!
キャラ性能も1キャラ1キャラ個性があるので、その辺りも楽しんでいただけたらと思います!
ランピィはキャラの中で1番丸いからゲムぼく。さん好きだと思いました
娘ちゃんのツッコミが冷ややかな気がするんだが・・・
カサカサ怖いな
子供泣くだろ
ゲムぼくさんの下半身みたいだし
真面目な記事なのに夢魔って聞いてサキュバスしか頭に浮かばないむちむち頭で本当に申し訳ない
パパぼく。だと思って安心して読んでたら急にむちむちバーサーカー出てきて泣いちゃった……
ランピィ選ぶ理由だけが狂気に満ちてる良記事
面白そう。こういう知らない世界を知ることができて幸せ。良記事。そして、あらすじ涙するげむぼくもよろしいなぁ
今日はちゃんとした管理人だ
お子さんとこういうゲームをしている時のゲムぼく。さんは大変愛らしい反面、普段の記事とのギャップのせいで「正気か?むちむちはいないぞ?」と思ってしまう。
これは布教した人ナイス
書けそうなら続きも記事にしてほしい
アッ!?普通の記事じゃないか!?
案件だろこれ炎上しろ!
なんでまともなんだ
キッモ…ってコメントしたいからもっとキモくしろ
パパぼく。の子供たちにゲームを見せているから逆に撮ることになるやさしさ好きよ
でもすぐにムチムチ星人に戻らないで 風邪ひいちゃう
この記事はパパぼくさんのターンですね!
親子仲良くゲームしてるのとても微笑ましいし段々子供さんたちのツッコミが鋭くなってるのがすごい!かしこい!
布教してくださった方の熱量のためにも、是非続き読みたいです!
そしてむちむちを選ぶブレなさもさすがですね
パパぼく。すき
お子さんの冷めたツッコミくるおしいほどすき
たまにゲムぼく氏が涙もろいの見ると、
この人元来は炎上とか平気な顔してるタイプじゃないよなと思う
いずれ炎上の闇に魂が耐えられなくなったとき、
世界を滅ぼす暗黒魔王が誕生するのだ
たぶん世界中をむちむちにして支配しようとしてくる
ゲムぼくボドゲ回すき贈った方いいチョイスですね
すごいストーリーが良い…いつもぬいぐるみ抱いて寝てるから感情移入しちゃった
ハンマーで選んだのでなく、体型なのか。ケモナーも習得し始めてたのか
ボドゲ回好き
もっといろんなボドゲに手を出して子供たちと遊んでくれ
ボドゲ好きとしてはボドゲムぼく。さんの記事好き。こういうのを家族でできるのいいなぁ
元TRPG民、ゲムぼく。家族をTRPGの沼に引き込みたい。
カサカサ乾いた名前してるけど血でべっとりしてそうな造形してんな…
>血でべっとりしてそう
と言うかストレートにウォーハンマーとかキングダムデスとかのクリーチャーのノリだけど、同じ作者のマイスアンドミスティクスの敵(割とリアルな虫、と言うかG…)に比べたらまあ、うん。
パンデミックもぜひ
ぬいぐるみ騎士団を布教したくて仕方なかった人に性癖を完璧に把握されてるの草
めちゃめちゃよさそうだし続きも気になるぜ!あったけえ
面白そうだけど
1人でやると別の意味で泣きそう
最近知ったのですが、このゲームルールブック上はナナメ移動できないって書いてあるんですがエラッタされてナナメ移動できるようになったそうです。
「ぬいぐるみ騎士団と少女の夢 エラッタ」で調べたら1番上に来るゲーム販売会社のサイトから一部表記やルールのエラッタが出ているのでゲームをやる時に思い出したらチラッと見てみると混乱が少ないかなと思います。
>1人でやると別の意味で泣きそう
ボードゲーマーの前で「一緒にやる人が居ないから」と言い訳をすると、怒涛の勢いでソロプレイ可能なタイトルをオススメされてしまうので注意せよ…そのグルガン族の男は静かに語った。
まあそんなわけで、まずはドミナのブレイドロンドシリーズをですね(以下長くなるので略