ある日、Amazonから……
ボードゲーム『海底探険』と漫画『隣のお姉さんが好き 1』がギフトで届いた!
どういう組み合わせなの!? 「隣のお姉さんの心を理解するのは海底を探険するように深く難しいものなのです」みたいなメッセージなの!?
ともかく、ありがとうございます。大切にします。
というわけで……
『海底探険』を遊んでいくぞ!
「サイコロでコマを進め、誰よりもたくさんの宝を持ち帰ることを目指すテーブルゲームです」と書いてあることから対戦ゲームだと思われるが、「なんとこのオンボロ潜水艦では、すべての探険家がひとつの空気タンクにつながっているのです」という表記もある。
誰かが無茶をすると全員共用の空気が減ってしまうことが示唆されており、争いつつも大事なところでは助け合う、または表面上は助け合いながらも大事なところでは裏切る、といったことが重要になりそうだ。
楽しそうじゃないか。これまで人生でいろいろ裏切られてきたぼくだが、今度はぼくが裏切る番だぜ!
ええっと、内容物は、紙製のチップみたいなものと、木製のサイコロとコマと、説明書……
説明書多くない?
日本語を含め、6言語ぶんの説明書が入っていた。
でも、たしかによく考えたらチップやサイコロやコマには数字が入っているだけだから、道具としては言語の壁がないんだな、このゲーム。グローバル仕様だ。
娘「ええっと、びんぼうなたんけんかたちが、いち、いち……?」
ぼく「一攫千金をめざして、海底遺跡に財宝を取りに行きます、だって」
ゲームの対象年齢自体は8歳以上だが、説明書には難しい言葉が入っていて読みがなもないので、大人が一緒に読んであげる必要がある。
とはいえ、複雑なストーリーがあるわけではない。とにかく「全員共用の空気タンクの残量に気をつけながら、自分がいちばん多くの財宝を持って潜水艦に帰艦する」ということをめざすゲームだ。
潜水艦ボードの「25」のところに、赤い空気マーカーを乗せる。
これは空気タンクの残量を表していて、これが0になったときに潜水艦に帰艦できていなかったプレイヤーは倒れてしまうことになるらしい。
で、なんだかたくさんある、いろんな形のチップ。これは「遺跡チップ」というらしい。
三角形のものには点が1つ、四角形には2つ、五角形には3つ、六角形には4つ入っている。これは遺跡のレベルを表しているらしく、レベルが高いほどチップの裏に書いてある数字が大きい。数字は財宝の点数を示しており、つまり「遺跡レベルが高いほどいい財宝が手に入りやすい」ということだ。
で、この遺跡チップを……
潜水艦の底から一列に伸びるように、レベル1から順に並べていく。これで準備完了だ。
細かいルールはいろいろあるのだが、基本的には「サイコロを振って、すごろくのように遺跡チップの上を進んでいく(海底に潜っていく)。深く潜れば潜るほどいい財宝(高レベルの遺跡)を拾いやすくなるが、そのぶん帰艦が難しくなる」ということを覚えておけばよさそうだ。
……この時点で、かなりおもしろそうな気がする! めちゃくちゃ楽しそう!
単に机上にチップが並んでいるだけなのだが、海底のチップほど色が濃くて深海っぽく見えるので、想像力がかき立てられる。「潜るぞ~!」という気になる。
順番を決めて、ゲームスタート!
まずは練習のつもりで、気軽にプレイしてみよう。
ぼく「ええっと、サイコロは2か。じゃあ2マス進んで、さっそく足元のレベル1の遺跡を拾います。これをブランクチップと入れ替えて……」
自分の番では、サイコロを振って到達した場所の遺跡チップを拾う(自分のものにする)ことができる。拾った場合は、足元をブランクチップ、つまり裏に数字(財宝)のないハズレチップと置き換える。
息子「じゃあ、マネしてレベル1をひろいます」
娘「じゃあわたしも、とりあえずひろいます」
当然、少しでも多くの財宝がほしいわけだから、みんな遺跡チップをどんどん拾っていく。
しかし、これがじつは悪手になることがあるのがこのゲームの難しいところで……
【遺跡チップを拾う(自分のものにする)ことのデメリット】
1.自分のターンが来るたびに、自分の持っている遺跡チップの枚数ぶんだけ共用の空気残量が減ってしまう。(荷物が多いぶん体力消費が激しくなる)
2.サイコロで出た目の数だけ進む際、自分の持っている遺跡チップの枚数ぶんだけ目の数を引かねばならない。(サイコロで3が出ても、自分が遺跡チップを3枚持っていたら3-3=0で1マスも動けない。荷物が多いぶん足取りが重くなる)
ぼく「……えっ、ヤバ! このままだと空気がどんどん減っていくし身動き取れなくなって死ぬじゃん!」
息子「どうすればいいの?」
ぼく「ブランクチップのマスに止まれば、足元に財宝を1個放棄する、つまり遺跡チップを1枚捨てて身軽になることができるっぽいけど……」
娘「え~、おたからてばなしたくない。レベル高いざいほうひろったもん」
ぼく「そんなこと言ってたら共用の空気がどんどん減っていくよ。全員帰れなくなっちゃうよ。ここはひとまず、次のターンはみんなで協力して少しずつ荷物を捨てて空気の消費を……」
息子「つぎ、パパのばんだから、パパがまずにもつすてたら?」
ぼく「それはイヤだな。お宝手放したくないもん」
娘「なんてやつだ」
息子「みんなしんじゃうよ~」
結果、みんな死んだ。
空気はみるみる減り、足取りは重く、全員が中途半端に財宝を抱えたまま海に沈んだ。
なにこれ! めちゃめちゃおもしろい! 全員死んだけど超おもしろいぞこれ!!
この『海底探険』は、3ラウンドで1ゲームとなっている。
1ラウンドは、全員が潜水艦に帰るか、空気残量がなくなると終了する。さっきの初プレイは後者だ。
そして、ここからがまたおもしろいところ。
前回のラウンドで帰艦できず倒れたプレイヤーがいた場合、上の写真の通り、その人が持っていた遺跡チップ(財宝)はすべてひとまとまりに重なり、海底に沈む(一列になった遺跡チップの末尾に並ぶ)のだ!
海底にあるぶん取りに行くのは大変だが、もしたどり着ければ複数枚の遺跡チップを一度に入手でき、かなりの高得点が狙える。しかも、このひとまとまりの財宝はルール上、何枚重なっていても1枚扱いなので、点数のわりには空気の減りが少なく、足も重くならない。
さらに言えば、そうやって海底に遺跡チップが溜まっていくにつれ、そこにたどり着くまでの道中の遺跡チップは少なくなっていく(道のりが短くなっていく)のもポイント。
道のりが短いぶん、到達もしやすいし帰艦もしやすいわけで、後ろのラウンドになればなるほど海底の財宝をごそっと手に入れて一発逆転を狙いやすくなる! ロマンがある~!!
結果、2ラウンド目も全員が帰艦できず倒れてしまったのだが、ぼくはここでひとつの作戦を思いついた。
1ラウンド目も2ラウンド目も全員0点ということは、この3ラウンド目は、ぼくがたった1~2枚でもいいから遺跡チップ(財宝)を持ち帰り、かつぼく以外が帰艦できないように仕向ければ勝てる!
ぼく「よし、最後のラウンドはみんなで協力して、なるべく空気を減らさないようにしながらいちばん奥まで進もうよ! みんな海底のデカい財宝取りたいでしょ」
娘「とりたい!」
息子「とりたい!」
空気をほぼ減らすことなく、全員で順調に海底をめざして進んでいく。
ただ、これは罠だ。ぼくは娘と息子に対して罠を張っている。
娘と息子がだいぶ奥まで進んだところで……
ぼく「はい、じゃあぼくの番ね。引き返します! 潜水艦に向かって移動を始めます」
息子「えっ、おくまで行くんじゃないの!?」
ぼく「え~? まあちょっと気分が変わったっていうか? ここから帰り道で遺跡チップを稼ぎながら、ひと足お先に帰艦させていただきますね? でもな~、遺跡チップ拾うと空気の減りが早くなるからな~。ぼくは潜水艦まで近いけど、そんな奥まで進んじゃってるおふたりが帰ってこられるか心配だな~ウフフ~」
娘「なんてやつだ」
ぼく「なんのことでしょう? ウフフ~」
そう。これは協力プレイのゲームではない。だまし合いの対戦ゲームなのだ!
他のプレイヤーを奥まで行かせておいて自分だけが生還する、これも立派な戦術のひとつ!
さあ、おとなしく海の底に沈むがいい! 日の目を見ないその財宝たちと一緒にな!!
息子「……あっ、思いついた。ちょっと耳かして」
娘「なに?」
息子が娘になにやら耳打ちしている。悪あがきか?
その後、彼らは自分のターンで……
息子「いせきチップをひろいます」
娘「ひろいます」
息子「ひろいます」
娘「ひろいます」
ぼく「えっ、そんな海底で次々に拾うの!? 空気どんどん減るし、足重くなるし、そこからだと帰れなくなるよ!?」
娘「しってるよ」
息子「かえる気なんか、ないよ」
ぼく「えっ!?」
息子「どうせかえれないんだったら、チップをたくさんひろって空気を早くへらして、パパもかえれなくする。ひきわけにもちこむ」
ぼく「なんだと!?」
娘「ぜんいんで、うみのそこにしずもう」
ぼく「やめろ! そんなことをして何になる! アアアアア! 空気が!!」
全員死んだ。
そんな……あと3マスで帰れたのに……ひとり勝ちできたのに……
というわけで、協力し合ったりだまし合ったり足を引っぱり合ったり、あの手この手で財宝をなんとか持ち帰る『海底探険』、めちゃめちゃ楽しい~!!
これまでテーブルゲームをたくさん遊んできたが、正直、これは個人的には大ヒットだ。めちゃくちゃ好み。
最初は複雑そうに見えるけど1ラウンドだけ遊べばすぐに全容が理解できるので、ぜひやってみてください。

コメント
あれ?友達いないはずなのに…って思ったら、お子さんと遊んだのか
むちむちとプリンの先にあるオアシス
和やかな地獄で草
好感度が高い子供二人から楽しそうに道連れを宣言されるの、一部の人にはそれこそが財宝ではないだろうか
お子さんが順調に成長していて何より
ただむちむち魔神ぶりまでは似ないで欲しい
娘「なんてやつだ」に大草原不可避である。
道連れにしたいくらいお前のこと好きな子供大切にしろよな
他人に性善説を要求しつつ利益は自分だけのもの…なんて旨い話はそうそうないんだな
ムチムチソシャゲ抱えすぎて身動きできなくなってるゲムぼくみたいだ
遺跡がムチムチすぎて沈んだんか
道連れ作戦思いつく子どもたち天才か?
>娘「ぜんいんで、うみのそこにしずもう」
娘ちゃんレベル高くて草
ここが出してるボドゲいろいろあって面白いからゲムぼく兄貴もいろいろやってね
子供たちが強すぎる
勝てない
娘と息子がゲーマーとして着実に成長しているの笑う
父親と違ってちゃんとコミュ力があるからか対人ゲーマーとしても成長できてるのに二度笑う
遺跡までむちむちにするな
死なば諸共
世は非常である
>娘「ぜんいんで、うみのそこにしずもう」
今年初笑いした、ありがとう。
自分が好きなゲーム送りつけただけやけど楽しんでくれたみたいで良かった
道連れ戦法を思いついて協力、実行できるお子さんたちすごい
裏切った上で諸共沈められてるゲムぼくさんもすごい
>娘「なんてやつだ」
二回も言われてますよ
なんて父親だ
親にあるまじきクズムーブで草
悪役の素質がある
大人の汚さに抵抗してちゃんと作戦成功させる子供たちたくましい
>娘「ぜんいんで、うみのそこにしずもう」
ラスボスかな?
ゲムぼくテーブルゲーム部毎回ほんわかした面白さで好き
今回は相打ちという高度な決着で感心した
テメーも道連れだっ!ってめちゃくちゃジョジョみたいな展開になってて草
娘さんの勝利のためならいかなる犠牲もいとわない姿勢好き
switchとsteamに海底探検含めたこのメーカーのゲーム集あるから興味があれば是非
あ、ゲムぼくのsteamはお子さんには見せられないか。。。
子供を騙したら心中を図られた父親
ゲムぼくの浅はかな悪役ムーブほんとすき
読者「なんてやつだ」
このメーカーのゲームはルールがシンプルでおもしろいのが多いから、お子さんと遊ぶのはちょうどいいかも
個人的には「死ぬまでにピラミッド」がオススメです
ドラマ版ライアーゲームのフクナガみたいなことしてんなこの父親
ナオ(娘)とアキヤマ(息子)にやられてる辺りも特に
「これまで人生でいろいろ裏切られてきたぼくだが」に悲しみを感じたけど、今は愛するお子さんたちとゲームができてるから良かったね
3ラウンドのクズぼく。子供たち二人に両足をつかまれ道連れに
要は合法的にあんたはここでふゆと死ぬのよとか
あんたの事はふゆがちゃんと終わらせてあげるから。が出来るゲームな訳だな!
初めて惨敗から引き分けに持ち込めたやん、もっと祝おう
ゲムぼくって明らかに忙しそうなのになんでブログ記事毎日書けるんだ
時間管理がうま過ぎる
海外製ボードゲームで遊ぶアニメ見てたなあ…タイトル忘れたけど。
「隣のお姉さんが好き」は高校生のお姉さんに小学生のショタが正面アタックする話で、お姉さんにひらりとかわされる話。
少年誌ではクズ主人公のハーレムかすでに出来上がっている二人のイチャイチャの二択しかない現状では、おすすめの作品だよ。
これクリアできるんか?
>娘「なんてやつだ」
このブログを見た人達全員の感想を代弁してくれる娘さん
>> 海外製ボードゲームで遊ぶアニメ見てたなあ…タイトル忘れたけど。
マンガならいくつかあるけど、アニメ化までいったのは『放課後さいころ倶楽部』ぐらいですかね。
なんてやつだ
お子さんたちと楽しそうでなによりです~!
さらっと読んで理解出来る文章だ
前々から思ってたけど娘さん頭良いすね
お子さんと遊ぶ記事がムチムチ記事にサンドされてる
「「なんてやつだ!」」
デイヴザダイバーから飛んできたけどかわいい2人の子供と深海にランデブーできてるの、親として最高にハッピーなのでは