「置かれた場所で咲きなさい」という言葉がある。
原文は「Bloom where God has planted you.」であり、アメリカの神学者ラインホルド・ニーバーが詩の一節として書いたものだ。
現代日本では、ビジネス書や人材育成でよく出てくる言葉のひとつになっている。
しかし、原義からずれて「与えられた役割を文句を言わずに受け入れるべき」という変にネガティブな解釈をされてしまうことがしばしばある。これはなぜかと言うと、経営者や上司や採用担当者など、労働者と直接の利害関係にある人が労働者に向かって言ってしまうからだ。相手を言いくるための強制や抑圧の言葉として使うからである。
本来の意味は、「与えられた役割で最善を尽くすも尽くさないも自由だ。そのうえで、最善を尽くしたほうが自身も周囲も幸福になれることが多いだろう」といったポジティブなものだ。他ならぬ自分が自分にかけるための言葉だ。
ただ、理屈がわかっていたとしても、この言葉をポジティブな意味で自分にかけ続けるのは難しい。
たとえば、不安が先行している場合、その環境に信頼できる人がいない場合、自身にそもそも目的意識が希薄な場合などは、どうしてもネガティブになりがちだ。そこで自分に「置かれた場所で咲きなさい」と投げかけたとしても、それは自分を追い詰める呪いの言葉にしかならない。
しかしいっぽうで、不安に負けない希望があったり、身近に信頼できる人がいたり、自身の中に目的意識が芽生えたりしていて、ポジティブになるきっかけをすでに持てている場合は、「置かれた場所で咲きなさい」は自身を加速させ、成功をたぐり寄せる祝福に反転してくれることが多い。
『勝利の女神:NIKKE』の期間限定イベント『CLAYMORE!』に主役として登場するクレイの葛藤と成長を見ると、それが非常にわかりやすい。
舞台は、『アンダーアリーナ』と呼ばれる非合法の地下格闘場。クレイがチアリーディングの仕事に臨むも、注目されず孤立しているところから話が始まる。
クレイはチアリーディング部隊『リワインド』の一員で、本来はチームメイトのベイと活動しているはずだが、いまはひとり。ベイが度重なる負傷により療養を余儀なくされたことから、当面ひとりで活動することになってしまったのだ。
それにより、多くの仕事がキャンセルになり、新規の依頼も来なくなった。そしてついに、このような劣悪な環境での危険な仕事をやるしかなくなってしまったらしい。
クレイは必死にがんばっているが、まったくうまくいかない。よいパフォーマンスができることはなく、失敗ばかりが積み重なっていく。
原因は明らかに、モチベーションが低すぎることだ。
クレイはもともと、「自分はベイよりチアリーディングの実力が低く、いつも迷惑をかけている」という意識が強い。そのため、「ベイがいないのに、自分だけでなにかできるはずがない」という心理状態に陥っている。
そのうえでいまは、「ベイが不在のあいだ、自分がどうにかチームを潰さないようにしなければ。失敗だけは避けねば」とも思っているので、まあなんとかやっている、という状態だ。
不安が先行し、身近に信頼できる人もおらず、プラスを生むためでなくマイナスを生まないためだけに仕事をしている。まさに、「置かれた場所で咲くしかない」と自分に言い聞かせている状態だ。これで成果が出るわけがない。
さらに、イベントのなかで、クレイの過去の一部も明かされる。
なぜか当初からアンダーアリーナに詳しかったクレイだが、なんと昔、アンダーアリーナで選手として戦っていたことがあるらしい。自ら望んでのことではなく、そうするしか生きる道がなかった成りゆきの形で。
そのときもクレイは一生懸命がんばっていたが、やはり成果は出なかった。これもまあ、当然だろう。
わけもわからないままアンダーアリーナに放り込まれてつねに不安が先行し、信頼していた仲間は負傷や処分によって次々と姿を消していく。しかし、ほかに生きるあてがあるわけでも、明確にやりたいことがあるわけでもない。
「なにもできない私は、せめて与えられたこれをやるしかない」だけで生きる日々。成果が出るわけがないのに苦しさだけが積み上がっていく、つらい日々だ。
しかし、そんな彼女を変えてくれたのがベイだった。これがクレイとベイの出会いでもあった。
また負ければいよいよ処分されるかもしれないという重要な試合の日、クレイはそこにいたベイの全力の応援によって、希望を、信頼できる人を、そして目的意識を一気に獲得する。
こんな私を心から応援してくれる人がいる。この人のことは信じられる。この人のために勝ちたい。
「与えられた役割を受け入れるしかない」から「与えられた役割で最善を尽くしたい」に変わったクレイは、苦戦の末に見事な勝利を収める。
そして、このできごとをきっかけに、彼女はアンダーアリーナを抜け出して、ベイのリワインドに加入していくこととなる。
話は現在に戻る。
クレイはベイの不在によってまた自分を見失っていたが、ここではミルクとの出会い、そして共闘を経て、少しずつ、この劣悪な環境でふたたび自分自身を咲かせていく。
ミルクならきっと立ち上がれるはずだ。この人のことは信じられる。私は、この人を応援し続けたい。
クレイの声援を受けたミルクは立ち上がり、苦戦の末に見事な勝利を収める。かつてのクレイのように。
これもやはり、アンダーアリーナでのチアリーディングという与えられた役割について、「受け入れるしかない」から「最善を尽くしたい」に変わったことで結果がガラリと変わった好例だ。
クレイは自分に自信がないが、決してチアリーダーとしての能力や魅力が欠けているわけではないので、あとは気の持ちようだけだった。
かつてはベイに応援されることで変われたクレイだが、今回はミルクを応援することでミルクを変え、さらに自分自身をもいまいちど変えてみせたのだ。
ベイが復帰したころには、クレイはすっかり表情が明るくなり、彼女なりに自信を身につけていた。
特に印象的なのは、彼女から「やらなきゃ」「迷惑をかけないようにしなきゃ」といった言葉が消え、「私にできることは何か」「私の居場所はどこなのか」といった前向きな言葉が増えたことだ。
表面的に見れば、クレイのやることはいままでもこれからもチアリーダーとして与えられた仕事をこなすことで変わりないのだが、彼女の意識は明らかに「置かれた場所で咲くしかない」から「置かれた場所で咲きたい」に変わっている。
もちろん、人というのはすぐに完璧に変われる生き物ではないから、また行き詰まったり苦しんだりすることはあるだろうが、クレイは着実に成長している。
もしもまたベイが負傷でチームを一時離脱することがあったとしても、きっと大丈夫だろう。
今回のイベントストーリーからは、我々も学ぶべきところが多い。
特に会社員などの社会人であれば、誰かから役割を与えられることは日常的にある。それをどうとらえるか。ポジティブにとらえられないときは、どうやって乗り越えていくか。クレイがそのヒントを与えてくれた。
ありがとう、クレイ。重要な気づきをもたらしてくれたことに、純粋な感謝を
アッ!?
アッ、アアッ!
アアアアアーーーーーーー!
ありがとうクレイ! 純粋な! 純粋な感謝を届けたい!
シュッシュッシュッシュッシュッ!
ドクドクドクドクドクドク!!
コメント
真面目な記事パターンか?と思ったら・・・
序文でアカデミックさを感じた俺が悪かった
変態ゲムぼく。は明日かな、と思ってたら耐え切れずに今日出てきちゃった。
シュッ、シュッ、シュッ
ドクドクドクドク
がまさか伏線だったとは…
今日は、真面目に最後まで行けそうだと安心して読んでたら、最後の最後に爆弾が仕掛けられてた
前回、今回とミルクがカッコ良いんですわ
突然アンダーアリーナに叩き落される苦しみが理解できた
クレイ相手に最後まで理性を保てたのはすごいんじゃないかなw
やっぱ我慢できなかったかぁ~
でもしょうがないね。クレイ引きたくなるよね
引いたら市場の出番だよね。抗えませんわ
そういえばこの記事読んで最近の本編やイベントは居場所や何をすべきか何をやりたいかをテーマにしてる事が多いなと感じた
1人だと面白かったし可愛いなーで終わっちゃうから人の感想はありがたいです
真面目かと思ったら最後でこれだもん
これだからゲムぼく。くんは油断できない
バニーの時といいミルク姉さんがかっこよくて株バク上がり
ちょっと教養ある雰囲気を出してくるんじゃないよ
どうして最後そうなってしまうんですか??
チアたちの話題で、こうならないわけがない
……そうだろ?
そうだった!
オチから本文を考えたまで有り得るのが
ゲムぼく。の恐ろしいところ
この子の格好で薄々気づいてたけどやっぱり我慢できなかったかぁ
何が脈打ってるんですかね…?
むちむち!
ずっとエッチなチアリーダーが映っていたんだ
今日はむしろよく保った方だろう
その純粋な感謝、なんか臭くないッスかね?
毒毒しいドクドクですね
冒頭の文章で何かを感じ心をガードしました
想像以上だったことを報告します
明日の水着イベ告知放送楽しみですね
最後が最低で安心しました
真面目な部分は茶化さずに書き、一方でえっちな部分ではこれでもかと知能指数を下げて本能の赴くままに書く
NIKKEというコンテンツに真摯かつ紳士的に向き合ってて好き
1日持たないかーと思ったけどこれは仕方ない
シュッシュッシュッドクドクドクの時点でなんか怪しいと思ったよ!
むしろ途中まで我慢出来ただけエライ!
途中まではすごく良いいつものパターン
引き込まれる文章を毎日のように書けるげむぼくさんは頑張っててすごいぜ
ダメだこいつ。早く何とかしないと、、、、
一日くらい持たせなさいよ……
置かれた場所で咲くってそういう意味だったのかあ……そして置かれた場所に瞬間移動するゲムぼくさんオチに腹筋が耐えられなかったよ……
今度、転職するのでめちゃくちゃ為になってやっぱりゲムぼくさん凄くためになるなぁ、素敵だなぁと思ってたのに最後がこれだよ!!!!!!
途中までのやつ参考にします!!!!!
ドスケベと気付きを与えてくれるNIKKEって素晴らしいゲームなんですね…
いや、待て素晴らしいか…?
記事2本に分けて真面目とゲムぼくをやる流れも好きだけど、今回みたいに1本でどっちも味わえるのも好き!
「次回の反動が恐い」とか言ってる場合ではなかった。
ドクドクドクは流石に流れすぎじゃないですかねえ。
いや何がとは言いませんが。
ギリギリまでまともでちょっと心配になったけど
最後の最後で本性が溢れ出してて安心しました
ムチムチと真面目な文章の書けるゲムぼくさんはNIKKEの脚本いけますねぇッ!
クレイがえっち過ぎて一切文章が頭に入らなかった
語彙が豊富な叡智タイムで書き上げたのか?
3枚目の画像、並んだクレイを肉眼で立体視(交差法)すると、髪の毛とかが飛び出して見えるというミラクルが発生してますやん…!
伏線張ってあるのいいなぁ、面白い
顔射しないからまだ偉い
真面目に耐えた分凄い量出てそう
真面目かと思ったら合せ技で来たか
そらこんなヒマラヤ山脈みたいな胸したドスケベチアガールいたらドクドクするよ
うーん
これぞまさに、ゲムぼく味
シュッシュッシュッドクドクドクが卑猥だなぁ伏線か?と思った自分が一番怖かった
ゲムぼく。に染まりすぎている
思考転換したのかと思ったら平常だった
真面目狂気の一体型記事助かる
最後までよく保ったと思いました
僕は途中で頭の半分がおっぱいに支配されてしまった
珍しくまともな紹介記事のまま終わると思ったのに!
KIKKEとDave the Diverコラボきちゃったんだけどゲムぼくさんなんか、なんかこう、ゲムぼくさんに世界が優しすぎないか????
最期の最期で正気に戻ってくれてよかった
正直にNIKKEの周年以外のイベントあんまり興味持てなくて流し読みしちゃいがちなんだけど、ゲムぼく。が解像度高く解説してくれるから助かってる。
ゲムぼく。が調子悪いのかと思ったけど、後ろの方で正気に戻ってた。よかった。