
東京・お台場といえば、等身大ユニコーンガンダム立像!
……もあるのだが、本日の目的地はそこではない。

ここだ! 日本科学未来館!
すごくざっくり言うと、「科学を遊びながら学べる施設」である。
「科学技術を文化として捉え、社会に対する役割と未来の可能性について考え、語り合うための、すべての人々にひらかれた場」を理念にし、2001年7月9日に開館されたらしい。
東京都は、国立科学博物館(台東区)、科学技術館(千代田区)、そしてこの日本科学未来館(江東区)など、科学館の類が無限かと思えるほどあるのがすごい。
ぼくは科学館どころか図書館すら近所にない田舎で育ったので、こういうのが楽しくてしょうがない。なんせ、ぼくの幼少期に科学を学ぶ場なんて、真っ暗な村から見上げる星空、庭に遊びに来て朝を告げる鳥、通学路で出会う虫や草花、ときどき獣くらいしかなかったから。それはそれで最高の環境なのでは?

入館料は、大人が630円、18歳以下が210円。たとえば、大人1人で子ども2人を連れて行くと、1,050円だ。
安い! 3人で数時間は楽しめそうな施設が1,050円は安すぎる! 現代なんてひとりでしか遊べないし数秒で終わるスマホゲーのガチャに10,000円をぶち込む人がたくさんいる時代なのに!

おお~、けっこういろいろありそう!
科学「未来」館だからか、宇宙やロボットなど、未来のキーワードになりそうな展示が多めのようだ。
息子「地球がぶら下がってる」
ぼく「なにそれ? aiko? 夏の星座にぶら下がって上から花火を……あっ」

あれか!
ホントに地球がぶら下がってる!

これは単なるオブジェではなく、球体の画面。
気象衛星が撮影した画像データを毎日取り込み、刻々と変化する地球の姿を映し出しているらしい。
楽しい! 首が痛くならない限りは、ずっとこれを見上げて過ごせてしまう!

科学未来館は、新しい技術や実験的な取り組みに関する展示が多くあり、しかもそれらの多くが体験可能なのがかなりおもしろい特徴。壮大なものから身近なものまで、触れるものがたくさんある!

たとえば、これはただのガラスのコップに見えるが……

ぐにゃっと曲がる! なにこれ!?
これは、錦城護謨(きんじょうごむ)株式会社の高透明シリコーンゴムグラス。柔らかくて割れなくて、電子レンジでも使える。
ガラスのような爽やかさを楽しみつつ安全にドリンクが飲めるので、小さい子どもがいる家庭や介護施設などでかなり便利そう。

3Fにはロボットに関する展示が多くあり……

これは、超リアルな子ども型アンドロイド!
シリコン皮膚と21個の空気圧アクチュエータにより表情筋を再現しており、カメラに映った人の数や動きに応じてさまざまな反応を見せる!
これもさまざまな施設で使えたり、低コスト化すれば玩具への活用もできたりしそうだ。

こちらは、約600,000円で市販もされているペットロボット『LOVOT(らぼっと)』。
目を合わせてくれたり、撫でると撫でた手のほうを見て喜んでくれたりするし、こちらのアクションに反応するだけでなく、気ままに自律的に動いたりもする。つねに思い通りに動いてくれるわけではないところが本物の生き物っぽさがあって愛らしい。
お腹を撫でながら「フフ、かわいいね……まんまるむちむちボディ……So Cute……Fu……」と吐息をプレゼントしたら充電器のほうに帰っていってしまった。

ほか、ロケットや宇宙船に関する展示、地球環境とその未来に関する展示など、見どころはたくさん。ざっと見て回るだけでも2時間、じっくり見て回れば4時間は過ごせる。
それくらいいろいろあるなかで、今回ぼくがもっとも楽しくて、一緒に行った子どもたちも楽しんでいたのが……

ここ!

老いを体験するエリア『老いパーク』だ!

人間の「老い」に関するさまざまな最新研究の知識がいろいろ書いてあるほか……

「老い」を体験するゲームが遊べる! なにそれ!?
いくつか遊んでみよう!

たとえば、目の老化を学ぶコーナーでは……

画面がボヤけまくっているうえに残像みたいなのも見え、操作がままならないどころか自キャラがなんの生物なのかすら視認しづらい老眼アクションゲームが遊べるぞ!

なんもわからん! ゲームって目がかすむだけでこんなに遊びづらくなるの!?
昔、祖父が一緒にマリオを遊んでくれたことがあったのだが、こんなに見づらいなかで知らない遊びを孫のためにがんばってくれていたのかと思うとちょっと泣きそうになってきた。

足に重りをつけ、シルバーカーを押して、徒歩での買い物を体験するゲームもあるぞ!
たった100m先のスーパーに行くだけでも長時間の大冒険! 人にはぶつかるし坂は登れないし横断歩道は渡りきれない!
高齢者の日常生活がいかに大変かということがわかる。いずれ自分もこうなるわけで、覚悟しなければ。少しでも長く健康でいなければ。

そして、ぼくも子どもたちも「これおもしろいね」となって何回もやったのが、この聴力低下体験ゲーム『サトウの達人』だ!

高齢者の聞こえ方を再現した特殊な音声で、「サトウさん」「カトウさん」「アトウさん」のいずれかがランダムに呼ばれるので、「サトウさん」のときだけボタンを押して返事をする、というルール。

これが、ぜんぜんわからない! ぜんぶサトウさんに聞こえる気もするし、ぜんぶサトウさんじゃない気もする! なんならバトーさんとかガトーさんとかザトーさんとかにも聞こえる!
そして、プレイ後にわかるが、この聞き取りづらさにはちゃんと理由があって……

日本語における子音の「S」「T」「K」はほかの子音より音が高く、高齢者が聞き取りづらい音域になっている。なので、「Sato」「Kato」「Ato」は聞き分けが難しいのだそうだ。
なるほど。これはぜんぜん知らなかったな。

息子「むずかしい~」
娘「これさ、ぜんぜんわかんないから、リアルだったら佐藤さんとかはフルネームでよんであげたほうがいいんじゃない?」
ぼく「おっ、そうかも。たしかにそれならまだマシかも」
息子「名前じゃなくて番号札みたいなのでよべば?」
ぼく「お~、たしかに! 病院とかそうだよね。プライバシーのためだけに番号で呼んでるのかと思ったけど、サトウカトウよりは1番2番のほうが聞き取りやすそう」
「おもしろいね~」と言いながら何度も遊んだだけなのだが、遊ぶうちに自然と学びが深まり、自主的な理解や想像につながっていく! すごいぜ、老いパーク!

かなりよかったな、老いパーク。記念にパンフレットをもらっておこう。
自分もそのうち目や耳や身体が衰えてああなるわけで、決して他人事では……

……!?
あ、あれっ!? パンフレットがぼやけて見える! いきなり老眼が始まった!?

と思ったら、パンフレットの内側だけ意図的にぼやけた印刷をしてあるという演出だった。
パンフレットのつくりまで凝っている! すごいぜ、老いパーク!





コメント
いい記事なのに所々ちゃんとキモいのが流石
毎日学びがあるブログ、ゲムぼく。を家族みんなで楽しもう
コメント欄の隣に「我々は臭い」って趣旨の記事があるもんだから、俺たちは臭いうえに老いるんだ…と思い、悲しくなってしまった
老いパーク凝ってるなー
こうゆう施設大好きだからウキウキで色んな体験やりに行ってしまう
らぼっとちゃんをいじめるな
LOVOTくん警備服着たおじさん連れて帰ってきそう
らぼっとにまでキモ判定されてるの草
老いパーク行ってみたいけど夏休み混んでそうだな
最後のボケ、普段の老化かと思ったらそもそもぼかしているのか
子供も楽しそうで何より
ちょっと気になってたからレビュー記事たすかる
これは夏休みレジャーブログ
ぼやけた印刷してるの面白いな
パンフレットとして役に立たないがw
>お腹を撫でながら「フフ、かわいいね……まんまるむちむちボディ……So Cute……Fu……」と吐息をプレゼントしたら充電器のほうに帰っていってしまった。
労災ってやつかな
ラボット!こどもクリニックで見たことあるやつだ!
今度息子と行った時に吐息かけてみよう
定期的にちゃんと子供をいろんなところに連れて行ってあげてるパパぼくはほんとえらい。
らぼっと触ってみたいなーと思ってたけど、ここで触れるのか!吐息はかけないことにしよう
かなり前に行ったっきりなのでたくさん知らない展示が増えてそう、今度行ってみます
>それはそれで最高の環境なのでは?
故郷に誇りを持てるのはいいことだ
Lovotくん何も言わずガチ引き…
へー面白い展示!
行ってみたい〜
LOVOTにも興奮して逃げられるの、流石すぎる
ラボットに対するカスハラで草
重りつけて視野狭すぎゴーグルつけて歩く物理的なやつはやったことあるけどこれは楽しく学べそうでいいね
ゲムぼくは謎のマイナー施設を紹介してる時が一番輝いてる
コンタクト外した俺より見えてるの悲しい
こちとら明るいか暗いかと洗い忘れた絵の具のパレットみたいな色の識別位しか出来ねぇからな
川崎ラゾーナにLOVOT cafeがあるので、興味がある人は行ってみると良いかも
老いについて早いうちに考えておくのは大事だと思う
なんせ老いてからなんとかしようと思ってもまず考える脳が老いちゃうからね…
ゲムぼく。さんのおでかけ記事すこ
老いてる上に臭くムチパツボディの自分に刺さりちらかす記事だわ(吐血)
今すぐ老いろ!(グレイトフル・デッド)
いつもは行ってみたい!の感想になるけど『老いパーク』は現在進行形で楽しめてるからヨシッ!
LOVOTちゃん「口クッサ!!!!」
子供達の発想がいいね!したくなる
相手の身になって考えられるのは大事
すご〜〜〜昔一回行ったことあったけど、いまこんなに色んなコーナーがあるんだ
行ってみたくなった
>> なんならバトーさんとかガトーさんとかザトーさんとかにも聞こえる!
3人中2人が大塚明夫ですやんw
もう老いサイドの年齢だけど、老いのバージョンアップに
対応するために行ってみたくなりました。
パンフの仕組みすごかった、はじめて見たときビビりました
科学館は子供だったときに何回か行ったきりだ…。いつも人がいるイメージ。久しぶりに生きたいね…。