昔のことをよく覚えている人と、覚えていない人がいる。
これは、単純な記憶力の高低とはちょっと違う。長期記憶の話、もっと具体的に言えば、「思い出」にあたるエピソード記憶の話だ。
何歳のときに、なにがあったとか。何年に誰と出会ったとか。こういうイベントがあったとか、こういう賞を取ったとか、こういう失敗をしたとか。勝ったとか負けたとか。うれしかったとか悲しかったとか。そういうやつだ。
そういうやつを、ぼくはぜんぜん覚えていない。
おそらく、エピソード記憶の力が極端に低い人間なのだと思う。
引かれるかもしれないが、たとえば、小学生・中学生・高校生のころの記憶がほとんどない。
学校には毎日ちゃんと行っていたのだが、ぜんぜん覚えていない。自分が何年何組だったかひとつも覚えてないし、文化祭や体育祭があったのかどうかも記憶があやふやだし、そもそもクラスメイト含めた生徒の顔と名前も、担任含めた先生の顔と名前も、誰ひとりとして覚えていない。なんなら中学に関しては学校名すら自信がない。「えっ、お前マジか」と言われそうなレベルでなにも覚えていない。日本全体か、あるいは世界全体で見ても、昔のこと覚えてないランキング上位だと思う。
よくリアルやネット上で「高校時代の恩師である○○先生に××という言葉を教わって~」みたいなエピソードトークがあるが、すごいな、と思っていつも聞いている。そもそも先生の名前覚えてるのすごいな……と。
厳密に言うと、人の顔と名前に関する記憶力はエピソード記憶とはまた違うらしいのでいっしょくたにできない部分があるのだが、まあとにかく、ぼくは昔のこと全般をぜんぜん覚えていない。
そのわりにブログで「中学生のときに○○があった」みたいな思い出話を書くことがあるのだが、あれはぼくが中学生のときからブログをずっと書いていて、当時に文字に起こしたから覚えていたり、ネタ帳やログをきっかけに思い出せたりしているだけである。なかったら絶対に覚えていない。
で、個人的には、これを悪いことやマズいことだとは思っていない。そんな人間もいていいだろ、くらいに思っている。
ただ、困ったことがあるとすれば、世の一部の人は、この手の昔のことをロクに覚えていないタイプの人間を「人でなし」扱いすることが多々あるということだ。「覚えてないなんてひどい! 人の心がない!」みたいな。
まあ、気持ちはわかる。
思い出を大切に生きている人からすれば、思い出を大切にしていないように見える人は薄情者に映るだろう。
人は誰だって、自分のものさしに従わない存在を嫌う。それは自然なことだ。
ただ、難しいのは、エピソード記憶が極端に弱い人間というのは、そうなったきっかけが「過去のつらい体験」にあることがわりと多いのだ。
わかりやすい例は、いじめや虐待。精神的ダメージから自分自身を守るために、それにまつわる記憶を脳が薄めたり消したりすることがある。症状が極端だと『解離性健忘』などの記憶障害だと判断されるケースもある。
まず、過去のつらい体験を思い出さずに済むよう、脳が該当部分の記憶を薄める。
次に、せっかく薄めた記憶にうっかり近づいてしまうことがないよう、周辺の記憶も脳が薄めていく。もとのつらい体験が大きいほど、薄めるべき周辺記憶の面積も大きくなる。
そうするうちに、過去全体が霞んでいく。思い出もなければ過去への執着もない、薄情者に見える人間ができあがる。薄情者扱いされるので、ますます思い出への興味と過去への執着がなくなっていく。
ぼくは「まあ、そんなもんだろ。誰も悪くないだろ」としか思っていないが、これって、人によってはけっこう怖い話だと思う。思い出は人生のエネルギーだ! みたいな種類の人が見たら、「えっ、この人かわいそう……っていうか怖っ……」みたいになるのではなかろうか。
『勝利の女神:NIKKE』に、ティアとナガというニケ(キャラクター)がいる。M.M.R.附属高校に通う、最終学年の生徒だ。
このM.M.R.附属高校というのは、実態から言えば「学校を模した実験場」だ。
人工生命体であるニケは「教育」によって成長できるかという研究のために設立された施設であり、生徒たちの学園生活はすべて「もどき」に過ぎない。
しかし、生徒たちはそれを知らぬまま入学し、ほどなくして実施された「試験」で実戦の場に放り込まれ、半数以上が死亡した。ティアとナガは生き残ったが、目の前でクラスメイトたちが四肢をもがれ息絶えていく姿を見た。
問題はそのあとだ。
ナガはその凄惨なできごとを深く詳細に覚えていて、ティアはほぼ覚えていなかった。ティアはナガに「覚えてないの!? 目の前で友達が死んだのに!」と詰め寄られていた。
幸いにも、ティアとナガはそこから相互理解を深め、親友と呼べる仲になっていくわけだが、個人的にはこの記憶の有無に関するやりとりが非常に印象深く、苦しかった。自分がティア側の人間なだけに。
この場合、ティアはどうしても薄情者に見える。ナガのほうが優しくて仲間想いの子に見える。
まあ、もしかしたら、実際そうなのかもしれない、とも思う。
ただ、ここで考慮したいのは、ティアは「忘れるしかなかった」可能性が高い、ということだ。思い出すと心が壊れてしまうから。
人によって、心の守り方は違う。ナガはすべてを覚えることで自分が自分でいられるよう守ったし、ティアはすべてを忘れることで自分が自分でいられるよう守った。方法が違うだけで、目的は同じだ。
まあ、そうは言っても「いや、覚えてるほうが偉いだろ」みたいな理屈はきっとあるだろうし、それはなんとなく正しいような気もする。
ただ、ティア側の人間としては、「世の中には、忘れることでしか生きていけないほど追い詰められてしまった人もいるのだ」ということは伝えておきたい。
会話のなかで、「覚えてないの!? 目の前で友達が死んだのに!」とナガに詰め寄られたティアは、「えへへ、ごめんね」と苦笑いしていた。
忘れることでしか生きられなかった人の、自己へのあきらめを含んだ苦笑いだ。心がひどく痛んだ。
いまは、ティアの身体に興奮しすぎて、おちんちんがひどく痛い。
※この記事は、人間は真面目な文章の間にむちむち画像を挟まれても気を散らさずに読めるかという研究のために、M.M.R.(むちむちリサーチ)附属高校が作成した試験問題です。
コメント
賢者モードで記事を書くな
ゲムぼくが記憶を覚えていないのはおっぱいに埋め尽くされているからだろ
話してる事と全く関係ない自撮り画像上げてる女子のツイート見てる気分だった
最後!
ムチムチが挿入されててもスムーズに読めたよ、なんなら違和感無かったよ。
それは別にしてゲムぼく。さん毎日記事上げてくれてありがとう。私の思い出の一つになってるよ。
ちょっと深い話風にみえるけど
憶える以前に画像に気を取られて何も読めなかった
文章と画像の温度差が北極と赤道直下の国並にあるからもはや風邪をひくどころか対消滅しそうなレベル
ゲムぼく。さんの過去のこと覚えてない事に関しては、アレな言い方かもしれないけど今のゲムぼく。さんにとってゆうほど必要な思い出がなくて思い返す事がないから忘れ去ってることもありそうですね。
それはそれとして、ティアが気になって何箇所か文章読み飛ばしかけた
昔やったゲームに「人は忘れるから生きていける、つらいことや悲しいことをすべて覚えていたら辛くて仕方がない」的なニュアンスのセリフが出てきたのを思い出しました。
私は結構辛かった思い出を覚えておいてしまうタイプです。ですがこうやって記憶を思い出せるのは、自分が他の思い出しても辛くないような記憶に囲まれているから、それは意外と幸せなことなのかもしれないなって思いました。ありがとうございます。
一旦は画像スルーできても途中で我慢できずに見てしまうから、3秒前すらどこまで読んだかわからなくなるのはおちんちんが自己を守るために忘れてるってこと?
解離性健忘とか言ってるけど、画像と文章の内容の方が乖離してるぞ
真面目に読んで損した
最後の一文が無ければティアナガの名考察だけどこの一文はプレイヤー理解度も高い事がわかる名文なのが…
ミシリスの研究所関連だから分かってはいたもののどっちのキャラストも重かったわ…
いつ狂うのかなーって思ったけど当社比そうでもなかった
記憶力は良い方だけど明らかにワザと空白になってる時期が私にもあるので(もしかしてそういう話かな?って思いながら読んでました)
脳ってスゴイですよね。
>ティアの身体に興奮しすぎて、おちんちんがひどく痛い
常人では出てこない締めの言葉だと思う。
もしこの記事が他のブログだったら画像に気を取られていたかもしれないが
このブログにおけるむちむち画像は普段通りの景色なので普通にテキストだけ読めました
正直、小中高のクラスメイトの名前をほぼ全員忘れてしまっている自分としてはすごく共感したし、忘れることは悪くないんだって言われたみたいで少し涙が出てしまった。
その後、ゲムぼく。と根っこが似ているという事実に更に涙が止まらなくなった。
忘れられるってことは凄く良いことだと思う
物心ついた3歳半頃からの記憶をほぼほぼ持ってる身としては強く、真面目にそう思う
エピソードの記憶が弱い方なので(何が起きたのかは覚えているが人物名がほとんど記憶に無い)凄く共感できました。
共感しすぎて途中の画像をNIKKEの何かのスクショとしか捉えていませんでした。
男という生き物は頭と下半身が別の生き物であるという良い例
ギャルゲーや工口ゲーやってる人種なら、まぁ真面目に読めるんじゃないかな〜?と思う。
すんごい露出度の女性キャラクターが服装そのままでシリアスシーン展開するのも、最近のゲーム(二次元)ではよくあることになってきてますし…
ただ、画像と語り手がまったく別に、切り離してある今回のケースはまた新鮮に感じますね。
私は…わりと真っ当に文章に集中しましたが。だって美女に視線を奪われるなんて日常茶飯事だもんね!(自慢になってない)
ひどいオチを見た。
「このブログにおけるむちむち画像は普段通りの景色なので普通にテキストだけ読めました」
この意見に一票いれときますね
書いてることと画像の差が離れ過ぎててな…
お疲れ様です。
私自身も酷い鬱を患い「思い出したくもない記憶が自身の意思とは無関係に何度も何度も勝手に頭の中に蘇り、忘れることを許さない」苦痛に苛まれた時期があったので共感の大きい記事でした。
それはそれとして最後の一文は……いや、そうですよね。
話が重すぎるから一服の清涼剤も必要ですよね。
昔の事を覚えていないんじゃなくムチムチじゃないから覚えてないんでしょ
ムチムチの同級生が居たとかそういうのは絶対覚えてるでしょ
思惑通りに気が散れました。なんか悔しい
賢者モードで記事を書く人間は初めて見たよ
ナガもティアも可愛くてどっちも揃えました
金マイル200貯まってアニバも安心です
ありがとうえちえちJK!やっぱりJKは最高だぜ
大事なのはレベル234とかなり熟練プレイヤー
シャツのボタンが開いた画像が目に入るまではまともに読めました。それ以降はもうダメでした。
本当にごめんなさい、むちむち画像に気を取られて内容が入って来ませんでした。
真実を知らされぬまま被験者にされる読者
俺たちはムチムチ美少女だった……?
ブラウスの隙間から見えるおっぱいがとてもエッチだと思いました。
で、何の話でしたっけ?
外食で魯肉飯を頼んだら店によって出てくる物が違うからどれが正しい魯肉飯なのか未だにわからないって話?
画像素材を先に用意してから一発抜いて執筆したのはわかった
小中高の記憶が全然ないのめちゃくちゃ分かる 人の名前とか全然覚えてない
たまに学生時代の詳細な思い出を話す人を見るとびっくりするんだけど覚えてる人のが多いのかな
最後の画像のお腹のぱつぱつ具合しか思い出せない
エピソード記憶めっちゃ弱いタイプだから「わかる〜」と真面目に読みましたが、最終的に人生には乳尻太ももの3点セットがあれば幸せなんじゃないかと思いました。
ごめん、どのタイミングでうっそでーす!って来るのか気になって
最初に一気に最後までスクロールしてしまった…
なかなか深い内容で考えさせられると共に、新たな知見も得られたように感じました
本当にありがとうございます
とりあえず今からMGS動画で巨乳ギャルJKのよさげなやつを探そうと思います
あれ?どんな文章だっけ?
ティアがむちむちなことは覚えてるんだけど。。。
むちむちはゲムぼくを守ってくれるんだ
高校の頃、親友が自殺したんだが、周囲からは親友だった俺が目茶苦茶心配された
学校側が何人も俺にカウンセラーをあてがったり、俺自身も凄く悲しんだが
今となっては名前が思い出せない
そいつの顔や一緒にやったゲームとか、エピソード記憶もしっかりしてる
でも名前が思い出せない
名前が思い出せないとそいつの存在がふわふわしたものになって、悲しみも全くない
人間の忘却機能の凄さを感じたねぇ
いやー、今日のはむちむち画像で中和できない激重闇深案件だったぞ?
最後の一文でも中和できてないって思ったけど、みんなマジか
画像はいつものゲムぼくだなあとしか
それよか考察がいつも通り見事だなあっていうのといつ発狂するのかに興味がいってた
もっとむちむち!むちむち!って叫んだ記事見せてよ…怖いよ…
自分語りになるけど、他人からされた嫌な事も自分がやらかしてしまった事も大体覚えてる。
記憶から消えて無いって事はさほど辛い出来事でもなかったのかもしれないけど、頻繁に反芻してはスリップダメージを食らってるのは我ながらアホらしいなと感じている。
むちむちで上書きさせてもらいますね。
そのうちこの文章はゲムぼく。の思考と嗜好を組み込んだむちむちAIが作成しましたとか出てくるのでは
文章がうますぎてリアルに文に集中して読んでしまった、それだけにラスト1行(青字※の前)の落差にびびった
ここがゲムぼく。だったことを思い出した
普通に内容が興味深くて読み入ってしまったよ。
画像?いつものゲムぼく。さんだなあと。
つまり……無知無知ってこと……?
実際、過去の全ては現在より良い選択をするための積み重ねであり、他人と協力したりするcoopビルドで人生組んでる人以外はエピソード記憶は大して必要ないと思いますよん。
そして、生物として最も正解に近い生殖を成し遂げているので、おそらくゲムぼく。さんにとっては忘却こそがより良い選択だったのでしょう。つまりゲムぼく。は無知無知でムチムチだった……?
ティアかわいい…しか頭に入ってこなかった
あー自分も幼くなるほどに記憶が曖昧になる、というかほとんど思い出せないなあ。
大学から社会人にあたりでようやくイベントの記憶が明瞭になる感じだ。
おちんちんお大事に。
急転直下
文書と画像の乖離が酷いので、ゲムぼくさんにはティアをタップして弾け飛んだボタンの数だけ反省してもらいたいです
とりあえず「気が散って集中できない」に一票入れさせていただきます
個人的に、重たいストーリーと重たいおっぱいはひどく食い合わせが悪くてどっちにも集中できなかったりするんで、違和感なく並行処理できる人は凄いなと思う
文体シリアス調ドスケベスクショ記事か…
ニケがスケベな事が良く分かった
そのおかげで、文の内容は全く頭に入らなかった
むしろ文章がしっかりしすぎてて画像に全く気を取られなかったわ
画像では気は散らなかったけど、いつ発狂するかのほうが気になって気が散ってました! くやしい…
Excelのセル全てにむちむちと入力して保存すると何GBになるのか試したりしてそう。
妖怪の類
光のゲムぼく。管理人と闇のゲムぼく。管理人に分かれてしまった原因が忘れ去られた過去にある可能性が……?
右脳からの情報と左脳からの情報が1ミリも合わなくてすごい混乱している
頭が無知無知ではいけない
コラ!むちむち担当のゲムぼくさんは小説担当のゲムぼくの記事にいたずらしちゃダメでしょ!
自分はそれなりに覚えている方だけど、それは逆に自分で思っているよりも楽しかったってことなんだろうか
文字に集中しすぎて全然むちむち画像に気づかなかった……
ラストの文読んでから見返してむちむち画像にやっと気づいた
文章が面白くて画像が目に入らなかった。
訴訟。
色々と忘れすぎて節度というか倫理というかなんかとても社会人として大事なものまで忘れてしまってるんじゃなかろうか
最後で台無しになってますよ
人の心とかないんか
ムチの知
やはりやばい定期
ムチムチ挟まれても心は痛みますよ。
意外にちゃんと読めた
どんだけ突き放して見てるねん、すげえな
作者自身のことも…。
ネタ記事なんだろうけど内容が良過ぎて普通に感動してる
むちむちサブリミナルやめい
ぼくがおじいちゃんになった時、
名前は覚えとらんが、ムチムチのことばかり書いてるブロガーがいたなあ
と思い出せたら幸せだろうな
真面目な話してるのにムチムチで頭に入ってこないよ〜
これはゲムぼく。は悪く無い。ムチムチな乳・尻・太もものニケのほうが問題がある。もっとやれ
すまない、文章読んでるはずなのに何も覚えてない
!?
な、なんだってーΩΩΩ
画像が気になって、というより
いつ豹変するのかな? って気が気じゃなかったよね
昔読んだ小説で、なにかの種族が記憶を持ち続けて忘れられない特性を持っていたうえで、主人公(人間)に、「忘却は人間に与えられたギフトだ」風なことを言っててはぇ〜ってなった記憶がある。
まあ、ゲムぼくさんはムチムチにメモリー取られすぎて覚えてないだけな気がするけど
ゲムぼく。さんに過去の記憶が希薄なのは結構共感できるが、ムチムチ画像のせいで本文についての記憶も希薄になった
どこかでテンション上げるかと思ったら最後までローギアだった
新手の詐欺だよこれは
実際キャラスト見ると想像以上にヘビーだから、ゲムぼくさんなりの優しさなんだと思う。
思いたい。
自分語りになるけれど、幼少期はいじわるされた事とか怖い物とかすごい覚えてて「○○は執念深い」とかたまに言われたくらいだった。
中学に入ってから学業や苦手な人との関わりや進学について思春期の自分にとって辛い事が沢山あって、ふと「自分は忘れやすい性格だから、全部忘れても仕方ない」と思い込ませた。そこからあんまり個別に覚えてる事が少なくなった気がする、人の名前は小さな地域だったから覚えてるけど、上京して関わる人が多くなった今はてんで人の名前を覚えるのがダメで驚かれることも多いし自分でも直したい。
ところでティアのタップ時の誇張しないボタンの弾ける音とともにほころぶムチムチは最高ですよね