出典:https://www.tv-tokyo.co.jp/hachinai89/
テレビドラマ『八月は夜のバッティングセンターで。』が最終回を迎えた。
ぼくはTVerで観たが、あなたはもう観ましたか。Amazonプライムビデオなどでも配信中ですよ。いますぐ観ろ。
以前、上の記事で第1話の感想を書いた。これはいいドラマの予感がするぞ、と。
そして、最終話まで観終えた感想は、素直に「いいドラマだった」だ。
「深夜枠の割には」「テレ東の割には」「低予算の割には」なんて前置きはいらないと思う。素直に「いいドラマだったよ」と言えるし、言いたい。
幸いなことに1話あたり25分で全9話なので、人にも薦めやすい。いますぐ観ろ。
最終話を終えてみて、改めてこのドラマの好きなところや、オススメしたいポイントを挙げていく。
ハチナイ要素はちょっとある
前の記事で「ハチナイ要素がなさすぎて清々しい」と書いたが、半分くらい撤回する。ハチナイ要素はちょっとある。
具体的には、主人公の夏葉舞(演:関水渚)が女子野球に打ち込んでいた高校生であることが物語の途中で明かされ、その深掘りが徐々に進んでいくからだ。
ストーリーの建てつけは「バッティングセンターにやってきたお客さんの人生の悩みを野球論で解決する一話完結ドラマ」だし、実際そうなのだが、徐々に各話をつなぐ縦軸として「夏葉舞の元女子野球選手としての苦悩と葛藤」が入ってくる。そして最終回では、ついに……
まあ、詳しくはぜひ観てほしい。ハチナイユーザーなら回を追うごとに「あっ、ハチナイ原案っていうのがちょっとわかるかも!」と思うはずだ。「でもやっぱハチナイ原案って書かなくてもぜんぜん大丈夫だなこれ」とも思うだろうけど。
「全9話」に感じる野球愛
ドラマは全9話。
第1話から順に、「一回」「二回」……とタイトルが付けられている。そして、「九回」で最終話。
これは言わずもがな、野球を題材にした作品だからである。
しかし、全9話というのはテレビドラマとしてはかなり中途半端な話数。実際、テレ東のこの枠(水ドラ25)でも、全9話だった例は一度もない。
もちろん、番組編成の都合で全9話にならざるを得なかっただけの可能性はあるが、野球ドラマらしさを出すために狙って全9話に収めた可能性のほうが高そうだ。前の記事でも紹介したが、このドラマの野球愛の強さはレジェンドの扱いやバッティングセンターの細かい描写を見ていればすぐにわかる。
話数すらも演出のひとつとして利用する姿勢がぼくはとても好きだ。
レジェンドがスーパープレーをするとは限らない
「毎回プロ野球レジェンドが登場!」というのがドラマのひとつのウリになっているので、「投手だったらズバッと三振を取ったり、野手だったら豪快なホームランを打ったりするんだろうなあ」と思いがちなのだが、じつはぜんぜん違う。そしてこれこそが、個人的にはこのドラマのいちばん好きなポイント。
レジェンドはスーパープレーを見せることもあるが、ときにはフォアボールで失点したり、泥臭く粘った末のポテンヒットだったりといった結果になることもある。「いや、ドラマなんだから、そこはホームラン打たせてあげればいいじゃん」と一瞬思ってしまう。
しかし、それでも。いや、だからこそ、レジェンドたちがかっこよく見える。キレイじゃなくても、ダサくてもいいから、少しでもチームにとっていい結果を出すために全力を尽くす。その姿勢こそがプロとして最高にかっこいいし、登場人物の心が動くに足る充分な説得力を生むのだ。
第2話で山崎武司がセカンドの頭をギリギリ越すどん詰まりのポテンヒットを打つのだが、ぼくはここで「このドラマはホントにすごい」と感動した。
ふつう、山崎武司呼んだらホームラン打たせたくなるじゃないですか、絶対。でも違うんですよ。この世でいちばんかっこいい山崎武司は粘って粘って食らいついてどん詰まりポテンで1点をもぎ取る山崎武司なんですよ。いますぐ観ろ。
関水渚の太もも
関水渚のレジェンド級の太ももを見ろ。
ライフ イズ ベースボール
このドラマでは、伊藤智弘(演:仲村トオル)の決めゼリフでもある「ライフ イズ ベースボール」がキーワードになっている。
「人生は野球だ」。各種広報でもキャッチコピー的に使われているのでなんとなく軽くとらえがちだが、伊藤自身が元プロ野球選手であることもふまえると、この言葉は重い。「人生は野球みたいなものだ」というたとえ話はよくあるが、元プロ野球選手の伊藤にとっては比喩でなく人生は野球だったわけだから。
そして、この言葉は九回(最終話)で主人公の舞にも向けられ、大きな波乱を生む。
しかし終盤、伊藤が「野球、好きか?」と問いかけ、吹っ切れた舞は「大好き!」と答え、前を向いて走り出す。
これまで伊藤が「ライフ イズ ベースボール」を多くの人に説くさまを、真横でずっと聞いてきた舞。そんな彼女の「大好き!」は、「野球が大好き」だけの意味であるはずがない。あれは、舞が己の人生を肯定し、前向きに生き続けることへの決意表明なのだ。ライフ イズ ベースボール。
最終話に上原浩治を呼んだ意味
このドラマはまさに「ライフ イズ ベースボール」に帰結する物語であり、最終話の表題もこれである。
それをふまえると、最終話のレジェンドが上原浩治だったのも納得感が高い。
上原は入団当初から「雑草魂」の座右の銘で知られ、決して順風満帆ではない野球人生ながらも決してめげることなく、日米問わず、また先発・中継ぎ・抑えも問わず力を尽くし、大卒にもかかわらず約20年に渡り第一線で活躍を続け、引退後も解説者やタレント、ときにYoutuberとしても野球に関わり続けている。まさに「ライフ イズ ベースボール」の体現者だ。
最後の最後に上原を持ってきたのには、やはりこのドラマはすごい、と思わざるを得ない。
関水渚の太もも
最終話で披露される集大成の太ももを見ろ。ライフ イズ フトモモ。
個人的には本当に好きなドラマなので、「九回で終わりと言わず、スピンオフかなんかで延長十回やってよ!」という気持ちもあるのだが、まあ、せっかく九回でキレイに終わったのにその要望は野暮なんだろうな、きっと。
いっそ2試合目みたいな感じで2期始めてくれないかな。また一回から九回までやろうよ。
というわけで、改めて『八月は夜のバッティングセンターで。』はすばらしいドラマである。
ハチナイのことなんて1ミリも知らなくても大丈夫なヒューマンベースボールドラマだが、そうは言ってもハチナイ開発元のアカツキが制作費をそれなりに出しているであろうことを考えると、ハチナイにも感謝しておきたい。いちおうありがとう、ハチナイ。
ぜひ『八月は夜のバッティングセンターで。』を観てください。ハチナイは始めなくていいので。
コメント
途中まで良かったのに熱いフトモモ押しで大分台無し
前の記事読んで何話か見たけど1回見逃して放置してた
配信で見直すか
賢者タイムかと思ったがちょいちょい興奮してて安心
プロデューサーさんがスタッフと共有しやすい記事にしてあげて
ゲムぼくのいい所と悪い所が両方出ている良記事
ハチナイやってないけど全話観たよ、面白かった
同じ制作会社のお耳に合いましたらってドラマもオススメ
社内で情報共有しやすい記事にして差し上げろ
関水渚さん以外の全ての人に届いて欲しい良記事
関水渚の写真集が欲しい物リストにあるの草
グラビアアイドルの太ももを褒めるのは賛辞なのでセーフ
ハチナイアプリの夏葉舞特集も書いて下さい
よくハチナイってワードが出てくるからなんのことかと思ってたけど、そういうゲームがあるのね。
前と合わせて計4回も太もも薦めてきてるこの人
とりあえずドラマは配信で見て関水渚の写真集はKindleで買います
ハチナイはやりません
限界まで不可逆圧縮すると「野球に例えて説教」という最悪の要素に帰着してしまうはずなのに、見てみると何故か結構面白い。
それがレジェンドを本当にかっこよく見せている効果なのか、単に脚本がうまいのかふとももが素晴らしいからなのかは分からないが、説教の臭みがうまく抜けている。
分かりましたドラマ版ラストオリジン見ます