
「ヒゲじい怒りのバロメーター理論」をご存じだろうか。
知らないのも無理はない。世界でぼくしか提唱していないから。
NHKの動物番組『ダーウィンが来た!』には「ヒゲじい」というマスコットキャラクターがいて、1パートの区切りで彼がくだらないダジャレを言うのが定番ネタになっている。
たとえば、イルカの特集回だったら、「イルカは案外身近に『いるか』もしれませんな、なんちって」みたいな感じ。「はいはい、またヒゲじいったら」で流される、毒にも薬にもならない無害なダジャレ。
そんなヒゲじいのダジャレに本気でイラッとすることがあったら、身体か精神の状態がよくない可能性が高いので、注意したほうがよい。
これが「ヒゲじい怒りのバロメーター理論」である。

少し前に、サンゴの回があった。
石や植物のように思われがちなサンゴが、能動的に動き、戦い、周囲と共生するさまをとらえた、極めて貴重な回。
その終わりに、ヒゲじいが披露したダジャレは……
「なるほど、サンゴだけに『三々五々』とは、いかないんですな」
※三々五々…数人ずつの小さな集まりになって、それぞれ思い思いに行動する様子
あ? なんだお前。ダジャレで否定形は反則だろうが!
「サンゴだけに三々五々ですな」ならわかる。本当にサンゴが三々五々かは知らないが、納得はする。自分が想定した生態に沿って適切な言葉を探してるからな。
だが、三々五々「とはいかないんですな」はダメだろうが! ノットイコールを許したら語感さえ合えばOKになるだろ! 「じゃないもの」ぜんぶが許されちまうだろうがよォーー!
お前はカレーのおいしいお店の特集を見て「なるほど、この店はカレーだけに『加齢』臭は無関係ですな」と言うのか! 意味わかんねぇだろうが! ああ!? ヒゲじいーーーーーーッ!!
……と、ぼくは画面の前でキレてしまった。
その勢いでテレビを叩き割って窓から投げ捨て、自宅を飛び出して最寄りの交差点で向こうから渡ってきた知らないおじさんの腕毛をすべて引きちぎって食べた。直後、「そういえば最近、忙しくて睡眠時間がいつもより短かったな」と気づき、生活リズムを見直した。
これが「ヒゲじい怒りのバロメーター理論」である。

そんなヒゲじい率いる『ダーウィンが来た!』が、国立科学博物館とコラボ!
特別展『いきもの超ワールド展』が2026/10/12(月)まで開催中! これは見たい!

わざわざ平日に休み時間を作り、9/24(木)午前中に来た。
入口前にも人がいないし、これは快適に見られそ……
ん?

休館日じゃねーか!!
ああ!? ヒゲじいーーーーーーッ!!

翌日、9/25(金)。
ふたたび上野公園にやってきた。国立科学博物館は上野公園の中にある。

よし、ちゃんとやってる!
GO!

おお~! いいね! キャッチーだね!
この手の「特別展」は、鳥に特化した「鳥展」などテーマをグッと絞ったものが多いが、今回のこれはテレビ番組とのコラボということもあって、テーマも間口もかなり広め。

おっ、シマフクロウだ!
つい最近、札幌の円山動物園で見た!

基本的には動物園での生きた姿を見るのが好きだが、このように翼を広げた姿をじっくり見られるのは剥製ならではであり、これはこれで大変よい。
思ったより翼が大きい。樹に留まっている姿はまんまるふかふかでかわいいのだが、こうやって見ると「猛禽類」って感じがするな。

空・陸・海、さまざまな世界中の動物の剥製が、その生態の説明とともに展示されている。
おそらく既存の剥製がほとんどだろうが、範囲が広いぶん、自分の興味が薄かった動物についても見て知れるのがよい。
たとえば、ぼくは鳥が好きなので鳥の剥製は見慣れているが、それ以外は初めて見るものもたくさんあった。

たとえば、アフリカゾウの耳介とか。デカい!
耳介とは、耳たぶのようなパタパタした部分であり、体温調節や集音の機能を持つ。
ゾウは動物園ではある程度遠くから見ることが多いが、こうやって耳介だけを間近で見ると大きさが実感しやすい。耳たぶだけで1メートルくらいあるな、これ。

これは……ミナミゾウアザラシか。
全身だと体長5~6mあるらしく、さすがに上半身だけ。それでも3mくらいある。

顔怖っ!!
まんまるな目やたぷたぷのアゴはかわいいのだが、それ以上に圧倒的な強者としての迫力がすさまじい。自然界において大きさは強さである。

……と思いきや、こっちにはちっちゃい子が!

あら~! かわいいねぇ! ホッキョクグマの赤ちゃん!
ホッキョクグマの赤ちゃんは、両目と鼻を結ぶと正三角形ができるようになっていて、これは「顔の黄金比」と呼ばれるらしい。
「まあ、かわいいのはわかるけど、たまたまでしょ? 生物的になにか意味があるのか?」と思ったら……

“親たちに無条件に可愛いと思わせる顔つきや鳴き声で、育てる意欲や世話する責任を負わせる”
な、なるほど! そういうことか!
赤ちゃんがかわいいのは、赤ちゃんなりの生存戦略なのか! 初めて知った! 勉強になる!

コウテイペンギンの赤ちゃんもめちゃくちゃかわいいが、これも生存戦略の一環なんだな。
ということは、大人のホッキョクグマやコウテイペンギンは、自分の子を「ああ~! かわいいねぇ~!」と思いながら一生懸命育てているのか。人間と同じだな。

『ダーウィンが来た!』ならではの展示も多くあった。
番組が撮影したパノラマ映像を床や側面も含めて広角に映し出し、その場にいるかのように極地や海中の動物たちを見られる展示や、

番組の最後にある人気コーナー『マヌ~ルのゆうべ』の設定資料や漫画の展示。
さらに、個人的にいちばんおもしろかったのが、

番組の撮影機材や取材環境の展示!

カメラでっか!
深海撮影用の8Kカメラとは、いったい……これだけで高級な家が買えそうだ。

おお~! ロケ隊のテントの展示!
リモコンカメラを外に設置して、このテント内からディレクターが操作して……ということをよくやるようだ。テント自体はふつうのよくある薄手のものなんだな。

おっ、さおカメラ!
何mもあり、木の上なども撮影可能! 鳥の回でもよく使われているやつ!

なるほど、カメラ自体はやっぱりGoProなのか。
すごいな、GoPro。ぼくも持っているが、小ささのわりに性能と耐久性が異常によいので、いつも感心している。
今回の特別展は、すべてをじっくり見ていくと、所要時間は2~3時間くらい。
見終えたら……

グッズショップに行こう!
いまならなんと、『ダーウィンが来た!』×『けものフレンズ』のコラボグッズが先行販売されている!
じつは半分くらいはこれ目当てで来た!

いくつか買った。
どれもよい物だが、中でも特に珍しくてかわいいのが、

ヒゲじいをフレンズ化した、アクリルキーホルダー! あのヒゲじいが美少女に!
よく見たら、耳っぽいところがヒゲじいの手のようにも見える。もしかして頭部が本体で、下の人間っぽい身体はダミーなのか……? もしくは寄生している……? だとしたら怖いが……?
でもまあ、とにかくかわいい! 以前、寝不足ゆえにヒゲじいのダジャレにキレてしまったことがあるぼくだが、こんなにかわいいヒゲじいのダジャレならキレるはずがない!

翌日、NHKオンデマンドのアーカイブで、巨大ナマケモノの回を観た。
太古のアルゼンチンにいたとされる全長6mのナマケモノ『メガテリウム』。その化石発掘のようすや全身骨格が紹介されるとともに、CG技術で「現代日本にいたとしたらこんなイメージ」という映像も映し出された。
そこでCGを見ながら、ヒゲじいが披露したダジャレは……
「メガテリウム、最高の生き方を送ったんでしょうな。後ろの『西郷』隆盛像もきっと『最高』でごわすと言ってますぞ」
あ? なんだお前。メガテリウム関係ないし、ぜんぶお前のさじ加減じゃねえか!
「メガテリウムの大きさに、思わず『目が点』リウム、なんつって」とかならわかる。うまくはないが、ちゃんと寄せていってるし、いちおう成立はしてるからな。
だが、「最高」「西郷」はもうメガテリウム関係ないじゃねえか! どんな動物でも言えるだろ! しかも西郷隆盛像はCGで合成したものだし、「きっと言ってますぞ」も勝手な仮定じゃねえか! そんなん許したらもうなんでもアリだろうがよォォォーー!
お前はカレーのおいしいお店の特集を見て「なるほど、この店のカレーは最高ですな。きっと西郷さんも最高だと言ってますぞ」と言うのか! もはや冒涜だろうが! ああ!? ヒゲじいーーーーーーッ!!
……と、ぼくは画面の前でキレてしまった。
その勢いでPCを叩き壊して川に流し、自宅を飛び出して最寄りの交差点で向こうから渡ってきた知らないおじさんのすね毛をすべて引きちぎって食べた。直後、「そういえば最近いつもより食欲がないな。カゼ気味かも」と気づき、栄養ドリンクや果物を買ってきた。
これが「ヒゲじい怒りのバロメーター理論」である。























コメント
ヒゲじい怒りのバロメーター理論がおもろすぎて他の内容が入ってこない
知らないおじさんを理不尽が襲う!
顔の黄金比おもしろいですね!
人間の赤ちゃんもそういう事なのかな?
これはヒゲじいが悪いと思う
凄そう
次の週末で行きます
面白すぎる
今回はしっかり楽しめてて良かったです。こどもの生存戦略あざとかわいい!!
そして、知らないおじさんにはゲムぼく。さんに代わって謝罪しておきます…
これクオリティが低いダジャレを言ってくるヒゲじいサイドにも責任があるだろ
>おそらく既存の剥製がほとんどだろうが、範囲が広いぶん、自分の興味が薄かった動物についても見て知れるのがよい。
博物館に行き慣れてても、こういう視点を持てるのが凄いと思う。
楽しめるかどうかは見る人の気構え次第だなぁ。
ヒゲじい怒りのバロメーター理論流行って欲しい
笑いの構成が上手すぎる
最後にもう1回怒りがあって笑った
これからヒゲじいのダジャレを聞く楽しみが増えた
10月頭に東京行く余地があるので行きます!
上野公園で知らないおじさんの毛もむしります
妖怪ですか?
ヒゲじいの毛を引きちぎれば良かったのに…
ダーウィン好きだから気になる〜
俺も西郷どんのダジャレにはキレてしまいそう
もはやお題から逃げてるもの
ロケ隊の展示面白そう
こういう取材って平気で年単位で滞在する事あるらしいからね…
自然は気まぐれだし命懸け
あの時のおじさんです
腕毛とすね毛を返してください
今年のベスト記事
さすがにヒゲじいにキレたことないな…
人によってはあるんだな…
知らなかった、撮影隊の展示とかけっこう面白そうだな
今度行ってみよう
二人のおじさんが同一人物だとしたら
腕も脚も綺麗になってお得だったかも
ヒゲじいがよく分からないダジャレを言ったせいで四肢の毛を貪られるおじさん……
ゲムぼくはスベる事には寛容だが
笑いのルールを守らない奴にはマジで厳しい
真面目な博物館レポートをヒゲじいへの暴言でサンドイッチした良記事
交差点歩くのやめとこ…
ちょうどさっきダーウィン観た直後に読んだから尚更笑ってしまった
おじさんが2名犠牲になってしまった
狂暴すぎる
野生動物でももうちょっと理性あるよ
絶妙に煽ってるような顔のステッカーで笑ってしまう
割とキレてる内容が正論なのがまた
ここまで怒られるとはヒゲじいも思ってなかっただろう
ヒゲじいに切れてるのに、なぜか髭以外の毛を執拗に狙う謎の理性があるのは何….?
CGを利用して関係無いボケはもう重罪だろ
ゲムぼく。さん、普段は滅多なことで怒らないイメージだったからキレ方に勢いがあってヒェ…って声出た
連休明けが休業日になるトラップ
俺も何度かハマってるので親近感
分かる…
最近精神的に余裕がなかったから
ヒゲじいジョークにイラつきを感じてたんだよね…
ちょっと冷静にならないとマズイな…
そういえば自分はヒゲじいのボケにキレたことないな…。疲れてるときはダーウィン見ないからかな
このキレ芸ギアッチョみたいで好きやわ
ヒゲじいーーーーーーッ!!
確かヒゲじいってダーウィンのヒゲが進化した存在なんだよな
今回むしられたおっちゃんの腕毛とすね毛もいずれ進化するかもしれない
毛を引きちぎるのはギリ分かるけど食べる必要はあるのか?
…いや引きちぎるのも分からないな
風が吹けば桶屋が儲かる
ゲムぼく。さんが切れると家電屋が儲かる
>「メガテリウム、最高の生き方を送ったんでしょうな。後ろの『西郷』隆盛像もきっと『最高』でごわすと言ってますぞ」
これは流石にヒゲじいが悪いと思う
人毛は消化できないそうだから、食いすぎてお腹壊さないように。
普段イラつかない些細なことにイライラするときは大体体調が悪いってのは理にかなってるから困る