ムテ吉の闇は払われたか?『ポコポッテイト』最終回を振り返る。

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 Eテレ『おかあさんといっしょ』内の人形劇『ポコポッテイト』が、2016年3月31日に最終回を迎えた。
 この作品の事実上の主人公「ムテ吉」について、闇を感じさせる描写・設定が不自然に多いことは以前も書いた。

参考記事:『ポコポッテイト』ムテ吉が抱える深い闇。
https://gameboku.com/archives/51896100.html

 両親はすでに他界(またはムテ吉を捨てた)し、家庭は極端な貧困状態にあり、一般的な教育を受けることも叶わず、妖精のララパは母の愛を望む願望から生まれた幻で、唯一の同居家族とされる「ばーちゃん」もすでに死亡または動けない状態にある……

 と、考えられなくもない、ということで、一部の想像力豊かな視聴者の興味と不安を5年間にわたってかき立ててきたムテ吉だが、ついに最終回で、彼にとって、またわれわれ視聴者にとって非常に重要な転機が訪れた。
 なんと、ムテ吉の両親が「ぽていじま」に帰ってくるというのだ。

 朗報である。もしそれが本当なら、ムテ吉の闇はかなり払われることになる。
 たとえば、冒険家の両親が船で島に帰ってきて、再会を泣いて喜ぶムテ吉をやさしく抱擁し、その後は「ばーちゃん」を含む家族みんなで幸せに暮らしましたとさ……というエンディングならば、とても希望が持てる。ああ、ムテ吉、よかったね。さみしかっただろうけど、これからは安心だよ、となる。

 はたして、実際の最終回はどうだったのだろうか。
 ダイジェストで振り返ってみよう。
 

オープニング〜序盤

 両親が帰ってくるという知らせに喜び、はしゃぐムテ吉。それを見て、「本当によかったね!」と自分のことのように一緒に喜ぶミーニャとメーコブ。なんていい友達だ。
 ムテ吉は、「とーちゃんとかーちゃんを一番風呂に入れてやるんだいっ!」とはりきってお風呂掃除を始める。なんていい子なんだ。
 お風呂をピカピカにしたムテ吉は、はやる気持ちを抑えきれず、両親を迎えに行くために浜辺に向かって走り出す。ミーニャ、メーコブもそれを追う。
 

中盤

 浜辺に向かう道中で、島の住民たちに声をかけられるムテ吉。ムテ吉の両親が帰ってくるという知らせは島中に届いているらしく、みんな「ムテ吉、よかったね」と祝福してくれる。感謝の言葉を述べながら、ムテ吉たちはまた走る。
 しかし、島中がムテ吉の両親のひさびさの帰還とムテ吉の喜びようを知っているにも関わらず、ムテ吉のように浜辺へ迎えに行こうとする住民は誰もいない。
 

終盤〜エンディング

 浜辺にたどり着き、海を眺める3人。
 遠くのほうに、まだ豆粒程度のサイズだが小型船の姿が見えた。
 両親だと確信し、いっそう喜ぶムテ吉。祝福するミーニャとメーコブ。
 ここでテーマ曲が流れ始め、物語を総括するための主役3人の回想シーンが挿入される。いったんエンディングである。
 それが終わると、ふたたび場面は島の浜辺。
 遠くに見える船に向かって手を振る3人と、なぜかいっこうに近づいてこない船を映したまま、終了。
 

 「その後、船は島に着いて、ムテ吉は両親と感動の再会を果たしましたとさ」……と想像するのが、おそらくふつうだろう。そう考えるべきなのだろう。
 しかし、ムテ吉の深い闇を見てきたわれわれからすると、とてもポジティブには受け止めきれない部分がある最終回だった。

 なぜ、船は遠くに見えるだけでいっこうに島に近づいてこなかったのだろうか?
 なぜ、ぽていじまの住民は誰ひとりとしてムテ吉の両親を迎えに行こうとしなかったのか?

 もっとも悪い想像をするならば、じつは、あの船は両親など乗っていないダミー。両親が死んでいること(またはムテ吉を捨てていること)をムテ吉に悟らせず、むしろ健在であると思いこませ続けるために、住民たちは島ぐるみで芝居を打ったのではないだろうか。
 船は上陸せず、適当なタイミングでそのまま去り、ムテ吉には誰かが「急に大きなお宝の情報が入って、また行かないといけなくなっちゃったみたいだ」などと伝える。ムテ吉は残念がるだろうが、両親への愛と冒険家への憧れがあるから、きっと納得するだろう。

 そのシナリオがあるから、船は近づいてこないし住民は迎えに行かなかった。唯一、島の住民ではないため計画を知らず、ムテ吉の純粋な友達であるミーニャとメーコブだけが、ムテ吉の味方となり、ムテ吉と一緒に行動した。
 なんと皮肉な話だろうか。ある意味、ものすごく教育的かもしれないが。
 もちろん、これは十中八九ただの考えすぎであり、一種の陰謀論みたいなものである、ということを念のため言っておく。
 現実的に考えれば、ラスト1話のためだけに両親の着ぐるみを作るような予算はないから船を映すだけで終わらせた、というような事情だっておそらくあるのだろう。
 ただ、すべての事実を悪い方向につなぎ合わせていったとき、こんな恐ろしい解釈もできてしまう……という話なのだ。どうか冗談半分に受け取ってほしい。というか冗談であってほしい。
 はたして、ムテ吉の闇は払われたと言えるのか、言えないのか。
 あなたはどんな感想を持っただろうか。

コメント

  1. 名無しのゲーマー より:

    あれ?全然船近付かないな…
    とは思っていましたが…!!!
    ちょっと鳥肌立っちゃいました
    むてきち…

  2. 名無しのゲーマー より:

    あれ?全然船近付かないな…
    とは思っていましたが…!!!
    ちょっと鳥肌立っちゃいました
    むてきち…

  3. 名無しのゲーマー より:

    あれ?全然船近付かないな…
    とは思っていましたが…!!!
    ちょっと鳥肌立っちゃいました
    むてきち…

  4. ミーニャらぶ より:

    なんか不思議だなって思ってたけど…
    考えたくもないな

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