おお〜! ここが……
東京タワー!
息子「来たことある?」
ぼく「君たちは初めてだね。ぼくはたしか高校の修学旅行でこのへんがコースに入ってた気がするな〜」
娘「そのときはのぼった?」
ぼく「もちろんのぼ……あれ? どうだっけ? っていうか、来たっけ……? あれ……? わかりそうな人に聞いてみるか……」
ぼく『高校のときの修学旅行でたぶん東京に行ったんだけど、そのとき東京タワーに行ったかどうかってわかる?』
父『行っとったはず。うちの代も行ったぞ』
ぼく『おっ、そうなんだ。ありがとう』
ぼく「行ったことあるらしい」
娘「覚えてなかったら意味なくない?」
【ゲムぼく。豆知識】
ゲムぼく。は中高6年間ほぼ皆勤賞で元気に学校に行っていたのに友達がひとりもいなかったという異色の経歴を持つ! 闇が深すぎて当時の記憶がほとんどないぞ!
当然ながらクラスメイトや担任の先生の顔も名前もひとりも覚えていないし連絡先も知らない! 自分が何組だったかもわからないし中学校に至っては学校名すら覚えていない! 脳の力ってすごい!
しかし幸いにも父が同じ中学・高校の出身なので、学校行事のことは父に聞けばだいたいわかるのだ! ありがとう父!
ぼく「そんなに人多くないな。期待通りだ」
娘「なんで人少ないの?」
ぼく「いまはもう東京の高いタワーと言えばスカイツリーだから、東京タワーに来る人はだいぶ減ったんだよ。日曜日の昼間でもこんなに少ないとは思わなかったけど」
東京都港区にある東京タワーは、昔からの観光名所だけあって、アクセスなどの各種条件はかなりよい。
今回はJR浜松町駅から歩いたが、それ以外にもたくさん駅があるし、道も広いしわかりやすい。道中にほかの観光名所や飲食店も充実している。
さらに、展望台メインデッキへの入場料は大人1,500円、小中学生900円で、この手の施設としてはかなり安い。
タワーの下部は複合ショッピング・アミューズメント施設になっているが、これもあまり混んでいないので快適に回れる。
スカイツリーのおかげというのも変だが、いまは穴場的なちょうどいい観光スポットになっているとよいだろう。
ただ、今回はふつうの観光に来たわけではない。
我々はなんと、東京タワーを歩いて登りに来たのだ!
あった! ここが『STAIRS600』の入口!
東京タワーの外側にある600段の階段を歩き、高さ150mの展望台をめざす!
個人的にはかなり楽しそうだと思うのが、ほかに挑戦者はぜんぜんいない。ガラガラだ。
おそらく、このアクティビティの存在を知っている人が少ない気がする。それに、知っていても「さすがに600段はちょっと……」みたいになる人も多いだろうし。
ただ、うちは子どもたちは元気そのものだし、ぼくも毎日エレベーターやエスカレーターを使わず階段で上り下りする生活をしている。600段ごとき余裕で……
……
けっこう怖そうだな……
体力的には余裕でも精神的に苦しむ可能性あるな……
スタッフさん「挑戦されますか?」
ぼく「はい、お願いします」
スタッフさん「ではこちら、認定証です」
おお、先に認定証がもらえるのか。
ふつうは登りきったあとだと思うが、先にもらうことによって結果的に「もう後には引けない……!」と覚悟が決まるシステムになっている。
ちなみに、600段の途中にリタイア用の抜け道などはない。我々に与えられた選択肢は、成功をつかむまで続けるか、あきらめていちばん下まで降りるかの2択だけだ。過酷すぎるだろ。人生か?
よし、行くぜ!
600段チャレンジ、スタート!
階段は基本的に、16段ごとに踊り場がある。
ところどころに東京タワーにまつわる豆知識の看板が置いてあり、勉強になる。
たとえば、東京タワーは7年ごとに再塗装がされており、塗料の厚みの影響で、現在の姿は開業当時の姿より1mmくらい太くなっているらしい。
かわいい! 好き! ぼくは誰でもなんでも太いのが好き! この調子なら数億年後にはまんまるむちむちタワーになれるね! がんばって生きて見届けるね!
ある程度の段数からは事故防止の網がついており、落ちる心配はまずない。
ただし、隙間がないわけではなく、スマートフォンなどを落とすと大変なことになるので気をつけよう。
100段あたりの景色。
人や車がだいぶ小さくなってきた。
200段。
まあ、このへんは余裕だな。ぼくは日常生活でもこれくらいの段数はよく上る。
ちなみにふだんから階段を好む理由は、健康のためではなく「エレベーターやエスカレーターは人との距離が近くて苦手だから」である。人見知りが過ぎて健康になる珍しい症例である。
300段。
おっ、なんか左側に書いてある……?
おお! 333段!
ゾロ目だからと言うよりは、東京タワーの高さが333mだからだろう。
ところどころ、「たぶん整備のときに使うんだろうな」という通路や設備がある。
こういう裏側っぽい部分を垣間見られるのは楽しいな。たとえばレストランやカフェでも、ドアの隙間から厨房やスタッフルームが見えるとちょっとうれしいもんな。たまに「何回言ったらわかるの?」みたいな店長の説教が聞こえてきて胸がキュッと締めつけられることあるけど。
そろそろ500段。
体力的には平気……のはずなのだが、さすがにかなりの高さになってきた怖さがあるので、ふつうの階段を上るよりは明らかに消耗が激しい。疲れた。
あっ、でも東京タワーむちむちクイズがある! 「東京タワーは何mm太ったでしょうか?」というむちむち問題! かわいいね!
下のほうで見てきたからわかるぞ! 答えは1mm! むちむち伏線回収!
むちむち伏線回収とは……?
あっ!
こ、これは……ついに!
ゴールだ!!
600段クリア! うれしい〜!
所要時間は、おおよそ10〜15分くらい。
風が直に感じられ、網越しに景色が丸見えの外階段なのでちょっと怖いが、いい運動になるし、なにより記念になる。認定証ももらえるし。
「東京タワー歩いて登ったことあるよ」というのは、いろんな人に興味を持ってもらえるいい雑談ネタになるだろう。あなたもぜひ挑戦してみてほしい。
高さ150mのメインデッキには、エレベーターで上がってきたほかの観光客たちが多くいる。「こっちは自分の足でここまで来たぜ」という謎の優越感が得られる。
ただ、自分の足で上がってきたからこその意外なデメリットもあって……
……
怖い!
エレベーターじゃなくて外階段を一歩一歩上がってきたからこそ、見える景色の高さがリアルに感じられてしまう! 離れゆく地面と浴びてきた風を思い出せてしまう!
ギエエエエエエエエエ!
コメント
東京タワーにまでもむちむちを見出すとは流石
階段の存在は知ってはいたけど挑戦しようと思ったことすら無かったな、踏破お疲れ様でした
かわいそう…
東京タワーもむちむちになってるのか…
気持ちちょっとわかるかもしれん
15分かけて登ってきたのに落ちたら15秒でぺしゃんこになるかもしれないって想像すると怖いもんな
そんなことができるのね。やってみようかなぁ
健脚ですごい
久々にいい闇成分が出てきてありがたい
ゲムぼく。の可哀そうな過去が満載な記事、美味しい!!!
ゲムぼく。の記憶から得られる栄養でむちむちになる!!
ほえ〜一般の人も入場料だけで登れるんですね
血液を賭けないと登れないと思ってました
ちょくちょくコラボとかやってるのでそれで登ったことはある
運動不足すぎて普通にしんどかった…
「パパぼく。のパパぼく。が出てきた!」とコメントしようと思いながら読んでたら、成人式から数日の記事に出すべきでない豆知識とむちむち伏線回収で吹っ飛んだ
他人や高い所はそんなに怖がらなくていいのよ
太りすぎはもっと怖がって
東京タワーにもむちむちをかんじる業の深いブログ
結構ペースよかったからだと思いますけど10〜15分なら行けそうって気持ちが湧きますね、もっと30分とか歩くのかと思ってました。リタイアもできないから時間の目安わかると挑戦しようかなってちょっと思いますね
友達いないから聞く相手いなかった!的な感じになるかと思ったらまさかのお父様だった
学生時代が闇だったことは知ってたけど、まさか通ってた中学校の名前にすら蓋をしてるとは思わなかった…
登りもそうですがその足で降りた後が辛いんですよね
あんなに近いと思ってた最寄り駅が遠いのなんのって…
むちむちなら無機物でもいいのか…(困惑)
アイシールド21を思い出しました
悲しい豆知識やめろ…
普段から階段を好む理由のわかりみが深過ぎてつらい…
優等生だったゲムぼく。さんが中学校の名前覚えてないとか闇すぎるだろ…
>エレベーターやエスカレーターは人との距離が近くて苦手
わかる
写真から青空が覗いてるのに挟まるエピソードが暗すぎる
>>当然ながらクラスメイトや担任の先生の顔も名前もひとりも覚えていないし連絡先も知らない! 自分が何組だったかもわからないし中学校に至っては学校名すら覚えていない!
普通にやばくね?
学生時代から記憶のあたり自分のこと書かれてるのかと思った
いっぱい食べて健康に幸せに生きてほしい
東京むちむちタワー!
てっきりトンデミの時みたいに子供はピンピンでパパぼくさんはゼェハァ言ってるオチかと思ってましたごめんなさい。
アパート5階の階段で息切れする僕には無理です……。
エスカレーターは、歩く人の振動がダメだし
エレベーターは香水が臭い
過去に触れすぎて暗黒鳥人出てきてない?
面白い取り組みを見つけてくるのが上手い
東京タワーが年々むちむちになってたなんて知らなかった…
タイトル的に親子のほのぼの話だなって思ったら当たってたけどその前に深すぎる闇をぶつけられてつらい
東京タワーのぬいぐるみ好きそう
数年前に同僚と一緒600段登った時は結構しんどかった記憶。
やっぱり最初に認定証貰うのがデフォなんだ。当時は必ず登りきれという呪符か?と400段位で思った。
全体的にそんなに辛くなさそうなのは、ゲムぼくさんはムチムチではない…?
東京に行ったことすらないけど東京タワーを階段で登れるのはアイシールド21で知ったな。
修学旅行は北海道だったのは覚えてる(飛行機と致命的に相性悪かったのか2泊3日のほぼ全てをホテルのベッドで過ごしたらしい(修学旅行中と帰還後数日の記憶がない))
自分は小中9年間、学校に関しちゃほとんど嫌な記憶しかない
何も思い出したくないのに、未だに何かの拍子に勝手に脳裏に浮かび上がってきて苦しめられる
全てを忘れてるゲムぼく。さんが羨ましい
>エレベーターやエスカレーターは人との距離が近くて苦手だから
これめちゃくちゃわかる
コメントにも同じ人いて親近感
美味しいご飯食べ放題!とかの回より事後の余力がありそうでちょっと笑った。
義務教育時代は良いことも悪いことも嫌なことも苦しいことも憎いことも悲しいこともこびりついてしまう人がいるから、忘れ切れるのは才能かもしれない。個人的にはその後に遊んだゲームたちはかなり覚えているっぽいのが良いなあと思う。
東京タワーはDMCで濡れ濡れだった
ムチムチのメスだからな
闇のせいで東京タワーの話が入って来ないぞ
>この調子なら数億年後にはまんまるむちむちタワーになれるね! がんばって生きて見届けるね!
人間をお辞めになるということ…?
RTA(Real Tower Attack)界隈では有名な話。
各地に階段で登れる塔があるので、脚力に自信のある方は身近なところでトライしてみては?
ゲムぼく。さんその後膝大丈夫?
ちょくちょくどす黒い猛毒混ぜるのやめろください…俺にも効く…
600段チャレンジには興味あるけど、高所恐怖症の俺にはそもそも透明床すら拷問だったことを思い出したよ…
義務教育の時分にこの階段を登ったせいで、今も足元スケスケ系には近寄れない身体になってしまった