ペンギンと言えば!
長崎ペンギン水族館!
というわけで、ペンギンが大好きなので長崎ペンギン水族館に行ってきた。
同館は、1958年にできた長崎水族館が前身。1998年に閉館したが、地元からの強い存続要望を経て、2001年に長崎ペンギン水族館として復活を果たした、という経緯を持つ。
前身はペンギン特化ではなかったことや、もともと都市型ではなく地域密着型の性質を持つ水族館であることから、地元の川・海に生息する魚などを中心にさまざまな生物も展示されているようだ。
とはいえ……まあ、ペンギンが主役であることは間違いないからな……
入館料が大人520円と激安なことからすると小規模なはずだし、ペンギン以外はおまけ程度にとらえておいたほうが……
“長崎ペンギン水族館へのプロムナード 自然体験ゾーン ビオトープの世界へようこそ”
えっ! 駐車場から水族館までの道がビオトープになってるの!?
ビオトープというのは、素人なりにものすごくざっくり言うと「小さな生態系」みたいなものだ。細かい定義はいろいろあるが、自然保護や生物多様性の維持などを目的として、複数の動植物が循環的に生息できるよう構築・調整された環境を指して言われることが多い。
要するに、ここでは自然の川や森が小規模・部分的にではあるが再現・保全されているということだ。
おお~! いい感じの小川が! せせらぎが再現されている!
これ暖かい時期に来たらサワガニとかいそう!
あっ、やっぱりカニがいるらしい!
看板を見ると、アカテガニ、ニホンカナヘビ、ヤマガラ、アオスジアゲハ、オオアオイトトンボ、アオマツムシなどの情報が載っている。これらの生物を含め、長崎らしさのあるビオトープが構成されているようだ。
おっ、田んぼ! そういうのも含めて環境が作られてるのか!
すごいな。ビオトープは適切な管理・維持が難しいとよく聞くし、実際に日本にそんなにたくさんあるわけではないのだが、まさかこんなところでこれほどよく整備されたビオトープに出会うとは。
どうやらここのすぐ近くに長崎総合科学大学という大学があるようなので、そこの研究や協力のおかげもあるのかもしれない。
楽しい~!
この約250mのビオトープを歩いているだけでも満足感がすごい!
そして驚いたことに、これはただの遊歩道であり長崎ペンギン水族館までの道なので、この時点ではまだ1円も払っていない!
凝縮された自然を無料で歩き放題! おかしいだろ! 1歩ごとに金を払わせろ!!
で、長崎ペンギン水族館に到着。
ペンギン展示のすごさについては先日の記事で触れた通りなわけだが、はたしてそれ以外は……? まあ、おまけ程度には魚たちがいるのか……?
めちゃめちゃいるじゃねーか!!
長崎の海の魚たちが大集合!
「長崎の海」と言うとかなり限定的なようだが、もともと対馬海流という暖流の影響を受けてさまざまな魚が回遊してくる地域なので、とんでもない種類がいる!
「地元の海」を再現した展示は多くの水族館にあるが、ここまでバリエーション豊かなのは全国でもそうそうお目にかかれないはず!
ウツボが! ウツボがめちゃめちゃ泳いでる! なぜか知らないが異常に元気!
水族館でウツボを見ることは珍しくないが、空を飛ぶかのようにこんなに元気に泳ぎ回っている姿は珍しい。だいたいの場合、底のほうの岩の隙間などでじっとしていることが多い。
すごいぞ、長崎ペンギン水族館! 長崎サカナうようよウツボうねうね水族館に改名したほうがいいかもしれない!
腕なっが! たぶん40cmくらいある!
オオアカヒトデというヒトデらしい。長い腕は自由に折り曲げることができるので狭い岩の隙間などに入り込むことも得意だが、そのぶんちぎれやすいらしい。すごい生態だな。
オヨギピンノという、とても小さなカニ。どう見ても1~2cmしかない。
変わった名前だな、と思ったが、集団で泳ぐ「群泳」という性質があることと、発見当初は「Pinnotheridae(カクレガニ科)」に分類されていた(現在はオサガニ科)ため、この名がついたらしい。
ちっちゃくてかわいい。でもよく見ると手足はしっかりしているし身体もぶ厚い。むちむちボディだ。好きだ。
定番の人気者、チンアナゴもいるぞ!
ちなみに、チンアナゴのチンは犬種の狆(チン)に顔が似ていることからついた名前だぞ! 安直な勘違いはやめて悔い改めろ! なんでもかんでもすぐいやらしく考えやがって! この性欲の権化め! どうせお魚さんたちのこともむちむち目当てのいやらしい目で見てるんだろ!!
ああ~~~~!
むちむちのお魚さんがいっぱいだぁ~~~~! 好き~~~~!!
出口付近には、ヤドカリ、ヒトデ、ウニ、ナマコなどに触れる「タッチプール」が常設されている。
この手のふれあい体験は、来場者数が極端に多い都市型の水族館だと混んでいたり、生物の健康・安全を考慮して種類や時間がかなり限定されていたりすることが多い。いつでも誰でもこんなに触れるのは、じつは意外と貴重だ。
おそらく、飼育員の方々による生物たちの日々のケアはかなり大変だと想定される。
おそるおそる触っちゃうぞ! 楽しい~!
ムラサキウニだ! 見た目はかなりツンツンしているが、触ってみるとぜんぜん痛くない!
すごいぞ、長崎ペンギン水族館!
ペンギンだけでもすさまじかったのに、ペンギン要素をまるまる抜いても見どころがありすぎる!
これで入館料520円はだいぶおかしい。世界一有意義な520円の使途はこれである可能性が高い。
ちなみに、ペンギン以外で個人的にいちばん感動した展示は、1階に小さく展示されていた、とあるアマガエル。
ん?
なんか色が白っぽいのがいる……? いや、金色……?
……あっ!?
アルビノ個体だ!
実物は初めて見た! 一部の色素が欠損した黄色いアマガエル!!
黄色いアマガエルは、黒色の色素が欠損しているらしい。
そして、この世にも珍しいアルビノアマガエルがどこから来たかと言うと……
“この個体は、長崎市民の方が市内の田んぼで発見し、水族館に寄贈してくださったものです。”
地元の人の田んぼから来たらしい!
めちゃくちゃいい! さすがもともと地域密着型の、地元の要望で復活した水族館!
発見して寄贈した人もすごいし、これを適切に保護して飼育・展示している人もすごい!
長崎ペンギン水族館は間違いなくペンギンが主役の水族館だが、それ以外に飼育・展示されている生物にも、周辺を構成するビオトープの生物にも、すべて意味があり、それぞれに背景がある。
主役だろうと主役じゃなかろうと、担当生物をとても大切にしている飼育員さんたちがいて、それを支える事務員などのスタッフさんたちもいる。ペンギン特化という変わった水族館だからこそ、逆にそのことを強く意識できた。
そして、そんな地元の水族館を支援・応援する大人たちもいるし、ここを遊び場のようにしてのびのびと育っていく子どもたちもいる。
そうして水族館は、特にこうした地域に根差した水族館は成り立っている。
結果的に、自然環境の保護のみならず、人間社会・地域社会の保護にも大きな役割を果たしていると言えそうだ。
そしてきっと、それは長崎ペンギン水族館に限った話ではない。
もちろん個々に事情や状況は違うだろうが、各都道府県にある、ぼくやあなたの地元に昔からあるような小さな水族館や動物園も、たぶんそうなのだ。
長崎ペンギン水族館はすごい。ぜひ長崎に行く機会があれば、行ってみてほしい。
そして、それはそれとして、あなたの身近にある小さな水族館や動物園にも、ぜひ行ってみてほしい。
何十年ぶりかもしれないし、初めてかもしれないけれど。きっといい経験になると思う。
コメント
ありがとうゲムぼく
>>安直な勘違いはやめて悔い改めろ! なんでもかんでもすぐいやらしく考えやがって! この性欲の権化め! どうせお魚さんたちのこともむちむち目当てのいやらしい目で見てるんだろ!!
それはゲムぼくだけだろ!!!
地元だけど最近行ってなかったので久々に行きたくなっちゃったな、ペンギン水族館
近くにある名古屋港水族館なら何度かあるけれども、こういう雰囲気の水族館はもう何十年も行ってないな……
行けるか分からないけど行ってみたい!
>長崎サカナうようよウツボうねうね水族館
凄いいい記事なのにネーミングセンス死んでる
最後に真面目な締めを入れてむちむち要素をごまかすな
水族館行きたくなってきた
2日連続とは相当ペンギン水族館が気に入ったんやな。
もう長崎に永住したら?
ウワ〜〜〜〜!!ビオトープ紹介してくれてるのなにげにスゴイ嬉しい〜〜〜!!!
子供の頃、実はペンギンの凄さを解って無くて、ふれあいコーナーが楽しみだったし、ビオトープで草遊びとかも教えてもらって思い出深い!!
佐世保の海きららも触れ合いコーナーあったりと海に触れる長崎を宜しくお願いします!
刺身を食え!
ゲムぼくさんは大小かかわらずに行った施設のいいところを見つけるのが上手いし、それを行ってみたい!って文章に出来るのが本当にすごいと思う。自分も子供のころ行ったっきりの地元の水族館にまた行ってみたいなーってなりました。
そんな発見力と発想力の高さのおかげでお魚さんたちのこともむちむち目当てのいやらしい目で見てる性欲の権化になったんですね。
ペンギン特化だから割と専門性の高い水族館かと思いましたが、地元の環境の表現もしっかりされていて地元にもしっかり密着したいい水族館ですね
チンアナゴのチンって犬の種類からきてたんだ
興味出て調べたら市立水族館なのね
公運営でももっと入園料あげていいと思うけどなぁ
ビオトープや地域との関わりなど目を向けて欲しかったところに的確に突っ込んで行ってキチンと紹介してくれるゲムぼく。さんありがとう!
相変わらずムチムチした記事だけど書いてること良すぎて全人類に読ませたい。
全人類ムチムチしろ
チン……
近所にある水族館へ最後に行ったの子供の頃なんだよなぁ。
今行ったらあのときと違うものが見えそうだし行ってみたくなる。
普段むちむちの鎧に覆われているから思い違いしやすいが、ゲムぼく。さん博識だよなあ
>なんでもかんでもすぐいやらしく考えやがって! この性欲の権化め!
真に心が汚れてる人は一枚目の写真ですでにいやらしく考えている
オオアカヒトデ絶妙に人っぽい肢の長さがすごいな…ふと見上げて天井の隅にこれがへばりついてたら悲鳴上げるだろうな…
自分の地元にも水族館があるのですが、入ってすぐのところに大きな亀の標本(剥製?)があって、小さい頃は怖くて怖くてよく泣いていました。館内も照明が暗いんですよね。だから余計に「怖い場所」になっていて。
ずっと後になって訪れたら、もう亀を見ても怖くありませんでした。自分の背が伸びて、まるでのしかかってくるようだった相手に対して然程怯まず見返せる位に大きくなっていたから。大きくなるというのはこういう事なのかなと、今でも印象に残る感覚です。
地元民として記事を書いていただいてありがたいです
地域密着型ブロガー
むちむちの大きなお魚さん(メコンオオナマズ)全国で2ヶ所ほどでしか展示されてない貴重なお魚さん。
生息地のタイでは「神の使い」と言われるからいやらしい目で見るとバチが当たりそう
湿地帯ビオトープいいなぁ…癒されるなぁ…
ちっちゃなカニちゃんかわいすぎる…
長崎の豊かな海を感じますわ…
ものすごく真面目な記事だ。
水族館好きとして嬉しいです!行こう近くの水族館。
オオアカヒトデのフォルムが…なんかこう…色々考えさせられる…
抹茶の話題がない…ブログ間違えた?(誤解
体長1~2cmのカニにすらむちむちボディを見逃さない目ざとさよ……
何だこの良い記事
いつものライターさんどこいった?
地元の水族館に行こうと思いました
便利な都会もいいけど、こういった自然豊かな場所もいいよね
いい空気吸ってますねえ
いい話だった
チンアナゴの名前の由来とか普通に勉強になった
べ、別に卑猥な意味だと思ってたわけではないですよいやその
ゲムぼく。さんが訪れた所は遠いので
地元川崎のビルにある水族館に行こうかな
>一歩ごとに金を~
逆ギルガメで草
> 腕なっが
ウミヘビの身体を腕と表現してるのかな?って思ったらこれヒトデなのか…このまま太ももぐらいに育って欲しい
やっぱりメコンオオナマズか!
岐阜のアクアととで見た事あるけど
魚を変な目で見てるのはゲムぼくさんだけっすよ
ペンギン抜きでも正気を保って書けてたのかペンギンの部分だけ添削されたのかわからない記事で安心しました
自分も地元の水族館に行きたくなるいい記事だった。
おたる水族館はペンギンショーやムチムチのトド・セイウチなど見どころたくさんなのでゲムぼく。にもぜひ足を運んでほしい。
大好きなブログで地元のこと3日連続褒められて嬉しい
だからか分かんないけど夢にゲムぼく出てきた
むちむちになろうねえ!!って言いながら走って追いかけてきて怖かった
今度はマカロニペンギンに会いに八景島シーパラダイスへおいでよゲムぼくさん
かわいいペンギンいっぱいいるし魚釣って遊べるし遊園地あるし冬になるとムチムチになるレッサーパンダいるよ
Googleのおすすめ記事から来ました!
素敵なブログですね!
身近な水族館…ねぇ
四国は高知に桂浜水族館っていう狂った…いや小さい水族館があるんだけど
(今は鳥インフルエンザの関係で中止されているけど)ペンギンとの触れ合いタイムがあるんですよ
鳥インフルエンザ落ち着いて触れ合いタイム再開したら来てみませんか?
>安直な勘違いはやめて悔い改めろ! なんでもかんでもすぐいやらしく考えやがって! この性欲の権化め! どうせお魚さんたちのこともむちむち目当てのいやらしい目で見てるんだろ!!
> ああ~~~~!
むちむちのお魚さんがいっぱいだぁ~~~~! 好き~~~~!!
せめて2コマはもってくれ……即堕ちにも程がある……
前身の長崎水族館は、ジェットコースター遊具なども併設したいかにも昭和な施設でしたよ。ペンギン特化では無いものの、コウテイペンギンの最長飼育記録を持っていたりと、その当時からペンギンとの関わりは深かったです。
私もビオトープお気に入り