ハチナイ2話感想。期待を裏切る真っ当なおもしろさ![八月のシンデレラナイン]

 地球上にユーザーが5人しかおらず、ユーザーで野球チームすら組めないことでおなじみの『八月のシンデレラナイン』(通称:ハチナイ )。
 そのアニメ版の第2話を観た。
 大丈夫?と言いたくなる部分はいくつかある。あいかわらず止め絵の量がすさまじいとか、2話にして早くもキャラの顔面崩壊が起きつつあるとか、グローブの色がカットごとに変わるとか。
 作画だけで言えば、ある意味ファンとしては期待通りの「うーん……がんばってるけど……うーん……」みたいなラインに落ち着いてきたと言える。謎の安心感がある。
 しかし、驚いたのは、話が異常におもしろいということ。仮に作画が50点だとしたら、話は3,000点!はらたいらさんに3,000点!
 ハチナイファンとしては、「えっ、大丈夫?これでハチナイを良ゲーだと勘違いする人が出たらどうするの……?」と心配になってしまう。それくらい、アニメのストーリー展開はすばらしい。
 今回は、そんな2話のすばらしい点をマジメに大紹介!
 
1. すずわかが「野球を辞めた理由」の描き方
 2話の主役は、すずわかこと鈴木和香。ゲーム版では理論派キャッチャーとして知られる。
 和香は小さなころ、兄の影響で少年野球を始めた。兄は才能に恵まれた優秀な選手であり、野球を楽しんでいた。兄に憧れて「私もやってみたい!」と思うのは必然だった。
 しかし、周りは年上の男の子ばかり。練習にまったくついていけない。ベースランニングもどんどん追い越される。
 まあ、それだけならいいのだ。「周りは体格のいい男の子ばっかりだから、仕方ないよね」と割り切れたかもしれない。
 しかし、和香には同じ時期に野球を始め、年齢も体格も近い女の子のチームメイトがいた。「一緒にがんばろうね」と声をかけてくれた、やさしい女の子だ。
 その子は、練習についていけたのだ。ついていけてしまったのだ。
 人は誰しも、自身の不出来を認めたくないとき、心の逃げ道を作る。
 背が低いからバスケが下手なのは仕方ない。いい大学を出ていないから出世できないのは仕方ない。顔が悪いからモテないのは仕方ない。そうやって、自尊心を保とうとする。
 でも、和香はそこすら奪われた。「私はまだ小さいから」「私は女の子だから」という退路を、完全に断たれてしまった。
 私は、ダメなんだ。憧れの兄と比べても、同じ立場の女の子と比べても。
 私は、野球が、「できない」んだ。
 この挫折の描き方は、そうとうリアルだ。観ていて本当に心が痛くなる。スポーツを辞めたことがある人、なにかをあきらめたことがある人、心の逃げ道を作ったことがある人。そういう人の気持ちを容赦なくえぐってくる。
 作画はボロボロのくせになんでここまで挫折をリアルに描くの?力の入れどころおかしくない?
 女の子がなんかキャッキャやってるアニメだと思って観た視聴者は、ここでまず殺されかけることになる。
 
2. ポジティブな「心技体」の連鎖
 スポーツを楽しく続けるには、「心技体」の充実が不可欠である。
 主人公の有原翼は、野球に対する意欲という意味での「心」、野球の技術である「技」、基礎体力などの「体」、すべてが物語開始時点で完璧に揃っている。幼馴染の河北智恵も、それに次いで心技体の揃った人物として描かれる。
 1話のメインキャラを振り返ると、野崎夕姫は「体」だけで、宇喜多茜は「心」だけだった。
 1話の後半では、まず夕姫が、翼や智恵の影響を受けて「心」「技」を身に付け始めた。その夕姫の影響を受け、なかば一緒に歩む形で、茜は「技」「体」を磨き始めた。
 そして、2話。「技」にすぐれ「体」もあるが、「心」が伴わない和香が現れた。
 野球をあきらめた和香に、情熱を与えたのは茜だった。和香とは逆に、「技」「体」はまだまだだが「心」だけはある、茜だ。
 自分よりうまい人はいくらでもいる。でも、私は野球が楽しい。ボールが捕れること、投げられること、相手に捕ってもらえること。そのひとつひとつがうれしい。
 そんな茜の姿勢が、和香に「心」を取り戻させた。
 翼と智恵から夕姫へ、夕姫から茜へ、そして茜から和香へ。「心技体」の伝播。
 このポジティブな連鎖こそ、ハチナイに感じる清涼感の理由だと思う。ホントにすごい。おそらく、スタッフはここを綿密に考えまくったから作画の時間がなくなったのではないだろうか。
 
3. 「できる、できない」の意味
 2話のタイトル「できる、できない」の意味。
 ぼくは最初、野球同好会が校内で練習できるか否かとか、野球がうまいかヘタかみたいな話かと思っていた。
 でも、違った。このタイトルは、できる、できない「じゃないんだよ」という意味だった。
 野球は、スポーツは、あるいは、人生は。
 「できる、できない」じゃなくて「やる、やらない」なのだ。「楽しむ、楽しまない」なのだ。
 なんだこのメッセージ性。もはや野球アニメじゃなくて哲学教材じゃねーか。
 あなたもぜひ2話を視聴して、この熱いメッセージを感じ取ってほしい。ついでにラストシーンの和香に、「ヒュゥー!アメリカンコメディかよ!」と叫んでほしい。
 
4. こだわりある投球の作画
 全体的に作画がヤバめのハチナイだが、全員の投球フォームがちゃんと違うことにはぜひ注目してほしい。ここだけはめっちゃ力が入っている。
 翼はオーバースローやスリークォーター、内野手らしいスナップスローを巧みに使い分ける。夕姫や茜は初心者らしい手投げだが、夕姫のほうがやや力のある球を投げる。和香はそれらの中間のような、半経験者らしいフォームで投げる。
 野球経験者なら、これらの違いに必ず感心するはずだ。ホントにすごい。すごいけどもっとほかにがんばるべきところあるだろとスタッフに言いたい。
 
 というわけで、あまりにも予想外におもしろかったので、マジメに絶賛してしまった。
 このまま終わると世にハチナイファンが増えてしまうかもしれないので、最後にバランスをとらなければ!
 作画はちょいちょいクソだぞ!あとゲーム版はさほどおもしろくないぞ!!
 
 
 

コメント

  1. 名無しのゲーマー より:

    ここまで熱弁されると青春ものとして割と興味が湧いてくるなぁ(見るとは言っていない)

  2. 名無しのゲーマー より:

    普通に見たくなってしまった、ハチナイへの並々ならぬ愛を感じる

  3. 名無しのゲーマー より:

    何処よりも愛のあるレビューを書きつつファンは増やしたくない
    うーんヤンデレ

  4. 名無しのゲーマー より:

    ハチナイ すごいじゃん見ないけど

  5. 名無しのゲーマー より:

    序盤に金掛け過ぎて尻切れトンボにならないように(願望)

  6. 名無しのゲーマー より:

    ゲームユーザーが6人になりましたか?

  7. 名無しのゲーマー より:

    大切なところが悪いのが実にハチナイらしくてよい
    このタイミングでゲーム版でも改悪アプデしたのもハチナイらしい

  8. 名無しのゲーマー より:

    本家もゲームは面白くないけど話はええやろ…
    読むためにゲームしなきゃいけないのが辛いけど

  9. 名無しのゲーマー より:

    内容はともかくはらたいらさんって誰です?

  10. 名無しのゲーマー より:

    はらたいらさんに3000点のネタがわからん世代も普通にいるんやな。年感じるわ

  11. 名無しのゲーマー より:

    褒めるのか、貶すのか。

  12. 名無しのゲーマー より:

    2話も良かったですね〜
    野球ではないスポーツですけど、いろいろ理由つけて自分には向いていないと言い聞かせて、やめたり戻ったりを繰り返した経験があるので何だかグッと来ましたね〜
    ちょっとブラコンっぽい和香ちゃんが思いがけず手に入った兄のグローブでいけないことをするかと思いきやそんなことはありませんでしたね〜

  13. 名無しのゲーマー より:

    茜の心
    和香の技(意味深
    夕姫の体(意味深

  14. 名無しのゲーマー より:

    このゲムぼくさんの歪んだ愛情はどこから…

    まぁ、イチジク浣腸ぽっちゃりババ専ちょい右曲がりC級グルメライダー好き1188野郎なら普通なのかも

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