
2025年5月、EVO JAPAN出場!
初めての大会だったが、配信台に座れたりなんとか1勝できたりと、いい経験が多くあった!

2025年7月、神戸のeスポーツアリーナ神戸三宮に遠征して対戦会に参加!
東京の対戦会にはよく行くが、関西圏の人たちとたくさん対戦できて楽しかった!

2025年8月、横浜で開催された大規模大会『戦参(せんざん)』を観戦!
今年はエントリーしそびれてしまったが、来年は選手として出場したい!

……という感じで、対戦格闘ゲーム『ギルティギア ストライヴ』を活発にプレイしている。
2023年12月にエルフェルト=ヴァレンタインが実装されたときに始めたので、もう1年9ヶ月ほど経つ。ぼくの場合は格ゲー自体が初めてなので、格ゲー歴も1年9ヶ月ということになる。
「継続は力なり」とはよく言ったもので、いまでも自分が日々上達している実感があり、それが楽しい。
毎日わかりやすい成長があるわけではないが、過去の記事を読み返したり、ときどきYouTube配信もやっているのでそのアーカイブを見返したりすると、「あれっ、このときはまだこれできてなかったのか! いま当たり前にやってるテクニックなのに」というのが見つかる。

関連動画:やろうぜ!ギルティギア ストライヴ!1先勝ち残りプレイヤーマッチSP(2025年8月度)
たとえば、「前スライド赤ロマンキャンセル」というテクニック。
わりと最近覚えた。でもじつは、初歩的とまでは言わないまでも多くの人がそこそこ早めに覚えるものらしく、「知らないのに天上階(最高ランク)で戦えてたんですか!?」と驚かれた。
ぼくは外部の攻略情報を調べたりDiscordサーバーなど特定のユーザーコミュニティに入ったりということがいまのところほぼなく、基本的に独学でやっているので、知識や技術の偏りがわりと起きやすい。そのため、みんな知っているものを知らないかわりに、「弾(飛び道具)」「対空(空中の相手を落とす)」「ダッシュ投げ(スキをついて走り込んで投げる)」は狂ったように練習し続けてきたので精度が高い、みたいな個性がある。
もちろん、個性は「歪み」とも言えるので、直すべきところもあるわけだが、こういう独自のスタイルでもある程度やっていける懐の広いゲームに出会えてよかったな、と思う。きっと、今後も長くプレイしていくだろう。
……が、悩みがないわけではない。
じつはずっと、周りのプレイヤーと違う気がして、気になっていたことがある。
「独学でやっている」というプレイスタイルもそうなのだが、もうひとつ、精神性の面で。
ぼくは「闘争心がない」のだ。
そういう性格である自覚は格ゲーを始める前からあったが、プレイしてみるとより強く実感するようになった。

たとえば、格ゲーでよく聞く「あるあるネタ」として、「負けが込むとイラつく」とか「台パン(テーブルなどを強く叩いて物に当たる行為)してしまう」とかがあるのだが、ぼくはオフラインでもオンラインでもそういう経験がまったくない。対戦前に「相手をぶちのめしてやる!」と思うこともない。勝ち負けで言うと負けのほうが圧倒的に多いのに。
これはひとえに「闘争心がない」のではとぼくは思っているのだが、もう少し細かく分析すると、おそらく下記が理由だ。
【1】そもそもエルフェルトが好きで遊んでいる(モチベーションが別のところにある)。
【2】研究が好きなので、勝敗の結果よりもその過程や理由を考えるほうに興味が向いてしまう。
【3】勝敗より「きょうは○○ができるようになるぞ」という課題解決を意識してプレイしていることが多い。
【4】格ゲーが初めてだしアクション系のゲームがそもそも苦手なので、「自分は負けて当然の挑戦者である(だからこそ全力で挑むぞ)」という意識が強い。
これらは長所でもあると思っているのだが、あまりにも周りと感覚が違うので、「なんか変なのかも」「さらに上をめざすならもっと血気盛んになったほうがいいのかも」と思うことも、なくはない。自分で言うのもなんだが、あまりにも穏やかすぎる気がする。

いや、でもたぶん、勝ちたい気持ちがないわけじゃないんだよな。勝ちたくなかったら、さすがにこんなに続けていない気がする。
でも、なんというか、自分のなかに「勝ちたさ」よりもつねに優先されている感情がおそらくあると言うか……でもそれがなんなのか……
と、ときどき考えていたのだが、最近その答えらしいものにたどり着いた。
それは、格ゲーを題材にした漫画『対ありでした。』にヒントがあった。
「対戦したさ」である。

出典:【第1話:π4】対ありでした。 ~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~/江島絵理 第1話 P67 カドコミ
夜絵 美緒(よるえ みお)という登場人物がいる。実質的に主人公のひとりと言ってよい。
彼女は作中で「対戦しましょうbot」というアダ名がつくくらい、対戦に飢えている。出会って2秒で「対戦しましょう」である。対戦を断られると号泣するほどの対戦バーサーカーである。怖い。
彼女の行動原理は、まず「対戦したさ」があり、そのうえでやるからには必ず勝ちに行くという「勝ちたさ」がある。彼女の場合はそのどちらも常軌を逸した特大の感情なのだが、「対戦したさ」のほうが、より根っこにある。
その理由は、人と対戦できることがうれしくてしょうがないから。美緒は基本的にずっとひとりで、ほぼ独学で格ゲーを遊んで育ってきたので、生きた誰かと対戦できること自体に奇跡のような喜びを感じている。絶対に逃がしたくない。なのですぐ「対戦しましょう」と言う。
……似ている気がする。これな気がする。
ぼくは格ゲーに出会ったのはごく最近だが、小さいころからずっとひとりでゲームをすることが多かった。
ものすごい田舎で子どもが少なかったし、学校に友達もいなかったし、小学校全体でポケモンが流行っているときにひとりだけ『信長の野望』と『ダービースタリオン』をやりこんでいるような子どもだったので話が誰とも合わなかった。好きなゲームの話ができる相手なんて匿名掲示板のスレ住民だけだった。近所にゲームセンターなどもなかった。
ぼくは中学生のころからWebサイトを作ったりブログを書いたりしているが、それもこの生い立ちがおおいに関係している。ずっとひとりだったので、コミュニケーションに飢えていたのだ、きっと。

なのでいま、格ゲーを通して一緒に遊んでくれる人や、同じゲームの話ができる人がいることが、楽しくてしょうがない。ずっとできなかったせいか、反動でいくらでもできてしまう。
実際、ぼくはギルティギア ストライヴの対戦会において、ほぼ「対戦しましょうbot」と化している。思い返せば、誰かに声をかけてもらったら二言目には「あっ、あそこの台が空いてるので対戦しましょう!」と言っている。
それは、とにかく「対戦できること」への喜びや感謝があるからだ。もちろんやるからには全力で勝ちに行くが、より根底にあるのは「対戦したさ」である。そもそも対戦してくれる相手が目の前にいることが自分にとっては奇跡だから。
これは……美緒と同じだ!
「対戦したさ」が行動原理の根底にあるところも、独学中心でひとりでやってきたからこそ、いろんな人との出会いを経て「対戦したさ」が爆発しているところも!
これがわかって、かなりスッキリした。
ぼくは「相手を打ち負かしたい」みたいな意味での闘争心はないかもしれないが、「勝ちたさ」はちゃんと持っている。なんなら人一倍持っているかもしれない。
ただ、それよりも巨大な感情として「対戦したさ」が根底にあり、対戦できることがとにかくうれしくてしょうがないので、そちらがより強く表に出てしまっているだけなのだ。
そう考えると、いまのままでいいな、と思えた。
無理に血気盛んな雰囲気を演じる必要はない。目立たないだけで、ちゃんと内側に燃え上がるものは持っているわけだから。

出典:【第1話:π4】対ありでした。 ~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~/江島絵理 第1話 P75 カドコミ
ちなみに、戦い方にも共通点がある。
美緒は「弾」と「対空」で相手を飛ばせて落とすことや、相手の不意を突き「ここは通る」というタイミングで「歩き投げ」を決めることを得意としている。

お、同じだ……! 「弾」「対空」「ダッシュ投げ」……!
なぜだ……!? 一緒に遊んでくれる友達がいなくて独学でやってきた人はみんな弾と対空とダッシュ投げに行き着くのか……!? それは喜ぶべきなのか悲しむべきなのか……!?

『対ありでした。 〜お嬢様は格闘ゲームなんてしない〜』は、2025年9月現在、第9巻まで発売中。2025年内にはTVアニメ化も予定されている。
ぼくは美緒にもっとも親近感を覚えるが、ほかにもさまざま個性的な格ゲーマーがたくさん登場するので、「自分はこのキャラと考え方やスタイルが近いかも」と思いながら読むのも楽しいだろう。
また、専門用語の解説など、格ゲーをあまり知らない人への配慮もあるので、「格ゲーをやったことはないが、格ゲーの世界や、それを遊ぶ人々に興味はある」という人でも楽しめる。

おもしろい格ゲー漫画に出会えたという喜びもあるし、それを通して自分の根底にある「対戦したさ」にも気づけたので、モチベーションがさらに上がったぞ! ますます「対戦しましょうbot」になるぞ!
ぼくは美緒だ! 対戦したさMAXで弾と対空とダッシュ投げで生きていく美緒なんだ! 違いなんて、美緒は世間の誰からも一目置かれる美少女お嬢様で、ぼくは世間からはぐれた謎の個人ブログおじさんであるということだけだ!
……
…………

出典:https://comic-walker.com/detail/KC_002994_S
その違いはだいぶ致命的では……?





コメント
気づけてえらい
まず戦いそのものが楽しいのはちょっとわかる
勝ちたいけど、それはそれとしてそれよりもいっぱい戦い続けたい
その上性癖が尖ってる
おそろしい…でもそれ以上に哀しいコ…
きっと日常が抹茶スイーツだったはず…
闘争心か……ゲムぼくさんは意見が食い違ったり炎上したりとかでも怒る事そうそうないですからね。
むちむちなキャラに『痩せろ』とか言った場合を除いて。
>小学校全体でポケモンが流行っているときにひとりだけ『信長の野望』と『ダービースタリオン』をやりこんでいるような子どもだったので話が誰とも合わなかった。
都会の小学校でもそんな子はいないと思うぞゲムぼく
人は幼少期に体験できなかった物に執着するとよく言いますからね
私も今になってレトロゲーム買い漁ったりしますし
>謎の個人ブログおじさん
この謎の個人ブロガー本出版してるし
むちむち大好きだし
むちむちダクファンソシャゲの公式アンバサダーだし
4番打者くらいの打率で人にオススメできる記事書くんだよね…
勝利自体を第一目的とはしないがそれはそれとして勝つ気はあって、一番はまず一緒にゲームをしたい
やっぱり人対人の関係に飢えているのかな
ゲムぼく。さんはオタクから一目置かれる存在だから……
コラそこ「オタク自体世間からのはぐれものじゃん」とか言わない
すごく共感できる。自分も闘争心的なものがそんなになくて対戦するの楽しい~!という気持ちの方が強い。もちろん勝てるのならそのほうがいいけど、それよりも対戦してくれてサンキューなって思っちゃう。
ゲム僕が世間の誰からも一目置かれる美少女お嬢様だったらゲム僕に出会ってなかった自信があるからゲム僕が世間からはぐれた謎の個人ブログおじさんで良かったなって
私見ですが、プロゲーマーって超級の負けず嫌いが多い一方で、勝ち負けをほとんど気にしないで課題をこなすように強くなる人も一定数いるので、ゲムぼく。氏は後者の強さがあるのかなって
ゲムぼくがこれから美少女になる可能性も残されてるから…
ほう、この子が巷で言われてるきれいなゲムぼくかい?
謎の個人ブログおじさんの語感がすき
格ゲーはやらないんだけど他のマルチ系のゲームで一緒に遊ぶのが楽しいからやれるというのは分かるなー
結果の報酬欲しさでやるより経過が楽しいからあまりイライラしないし(自分のミスとかできることができなかったりすると腹立つけれど)いくらでもできるのも何か分かる
今楽しそうで何よりです
対ありでしたはいいぞおじさん「対ありでしたはいいぞ」
ゲムぼく。が取り上げてくれて嬉しい
美緒はかなり狂ってるし、確かにゲムぼくさんに似てるかもだわ
逆に熱中して何かやるって事がないからめっちゃうらやましい・・・
何もかも中途半端だから上達するっていう経験がない
お疲れ様です。
『やろうぜ!ファイナルファンタジーⅥ』シリーズをいつも楽しませていただいております。
>ずっとひとりだったので、コミュニケーションに飢えていたのだ、きっと。
> なのでいま、格ゲーを通して一緒に遊んでくれる人や、同じゲームの話ができる人がいることが、楽しくてしょうがない。ずっとできなかったせいか、反動でいくらでもできてしまう。
私の世代では既に
・NINTENDO 64
・NINTENDO GAMECUBE
などといった多人数同時対戦に適したゲームハードが普及していたためか、友達と共にゲームをする場面はパーティーゲームがほとんど。
一般家庭へのネット環境普及以前の時代だったのもあり、対戦も隠しテクニックを探すような者もできるような者もおらず、対戦ゲームのテクニック面の話を掘り下げるような方向性の盛り上がり方も皆無に等しかったよう記憶しております。
よく、友達とのテレビゲームの思い出で挙げられるような
「友達の一人用ゲームプレイをみんなで見守り、横や後ろであれこれ言い合いワイワイ賑わう」
といった光景は皆無に等しかったでしょう。
私にとって『やろうぜ!ファイナルファンタジーⅥ』シリーズ配信は
「もし、私にも『友達の一人用ゲームプレイをみんなで見守り、横や後ろであれこれ言い合いワイワイ賑わう』ような経験があったとしたら、このような光景に近かったのだろうか?」
と
「同じゲームの話ができる人がいることが、楽しくてしょうがない」
経験をくれる機会になっているように思え、対戦ゲームプレイヤーと一人用ゲームプレイ配信鑑賞者と立場は全く違えど通ずるものを感じる記事でした。
勝ちを目的にする人がいてもいい
コンボ作りを目的にする人いてもいい
ストーリーを見て満足する人、ふとももを愛でるだけの人がいたっていいんだ
ゲームなんだから自由に遊べばいい
対人ゲーはどうしても続けてると精神がササクレだってくる自覚があるからそういった所が無いのは羨ましい
やり込んで上手くなることへの憧れはあるんだけどどうしても精神衛生を優先して適当な所で切り上げてしまうわ
格ゲーマーの一人として
「負けても楽しい」って瞬間がある限り
自分が成長してるって感じてる限り
勝てなくても全然楽しいと胸張って言えるわ
げむぼくさんが血気盛んなのは股間だけなのです。
勝ち負けを気にして辛くなるタイプなので、結果だけではなく、対戦の過程や上手くできるようになったことを楽しめるようになりたいと思えました。ありがとうございます。
配信に行くので一緒に対戦しましょうね。
うんまぁ、それはそう
対戦したさは、なるほどなって思うしある意味1番初心に戻れる言葉な気がするから自分も意識したいなー
やらされてる感のゲームよりやってる感のあるゲームの方が楽しいっちゅうことだね
自分はできることなら他人とゲームの感想や体験を共有したいという欲望はあるのに、あまり好んでPvPのゲームをやっておらず……
この記事を読んで「対戦したさ」「勝ちたさ」がよりも、「負けたくなさ」が強いのかもしれないと思いました。
もしかしたらこの気づきによって触れるゲームの幅が増えるかもしれません。感謝
ゲムぼくさんのギルティギア配信
ほんとにいつも優しくて楽しそうにしてて
ギルティギア分からないんですけど見てしまいます
私は名残雪さんが好きです
格ゲーをスポーツ的なものとして捉えれば勝敗にかかわりなく過程が楽しいというのはよくわかるのだが、どうしてスポーツと違ってPVPゲームはやたらとフラストレーションが溜まる(人が多い)んだろうね……
勝ったらめちゃくちゃ喜ぶし、ボコボコにされて地面に倒れ伏しても「格ゲーって、楽しいよね!」って清々しい笑顔で言いのけるようなホビーアニメ主人公メンタル、対戦ゲームの向き合い方として一種の理想なんだよな
格ゲーに向き合う姿が本当に真摯で尊敬します
対戦相手がいるありがたさは忘れちゃいけないよな
三宮にeスポーツの会場なんかあったの? と思ったらJoshinの上にあるやつがそうだったのか。
中学の時なら周りがモンハンやってる中ダービースタリオンとか
ゲーセンの競馬のゲームやってる友達ならいたな・・・自分もよく誘われて遊んでた
モノや他人に当たることは無いけど、ナメたプレイされたと感じた時にコイツ絶対※すって瞬間沸騰しちゃうタチだから、今回の記事深く読み込みます…
良かった
ちゃんと最後に自分の気持ち悪さが自覚できる人で
できてなかったらポチョムキンバスターしてましたよ
こういう、内面に深く潜るような記事が大好きです。いつも楽しませていただいてますが!
対ありでした、いいよね
確かに美緒も独自攻略タイプだし、合ってるな
アービターサインを一生ガードできないゲムぼくさんに勇気をもらっています
ゲムぼく。さんの配信見たけど、
本当に対空技が早い
対空は相手が空中に浮いたら出すといいとよく言われるが
自キャラの太ももだけでなく
相手の太ももどちらも良く見ているのだろう
ワイも「相手うめぇーwww(それだけ練習してきたんだろうな)」って負けても笑えるタイプだから、だいぶ親近感ある
確かにゲムぼく。さんは
ムチムチが絡まないと余りぐいぐい来ないイメージがありますね
その精神面が強さの秘訣なのかしら
漫画の注釈
第一話P75というのを見てそんなに…と見に行ったら
80ページもあってびっくりよ
でも俺たちはそんな世間からはぐれた謎の個人ブログおじさんが大好きだよ
某勇次郎って訳じゃないけど、闘争そのものが好き(だから負けからも学べるし、何より戦いの最中で起きる知識や読みの比べ合いがたまらん)ってマインドを持てると格ゲーは穏やかに強くなれますよね…わかる…
ランクが落ちるのが怖くて対戦したくないってなって辞めちゃうタイプなので、そのマインドを見習いたいです
良かった
ちゃんと自認ができていて
私は格ゲーじゃないんですけど、この記事読んで「私は勝ちたいんじゃなくて、上手くなりたいんだな」と気付きました。
目先の一勝じゃなくて「上手くなった結果が勝ちになる」のを目指してる感じ