『アイドルマスター シャイニーカラーズ』をプレイし始めた。
「プロデュースするアイドルを選んでください」と言われ、迷わず黛冬優子(まゆずみふゆこ)を選んだ。
最初から決めていた。おそらく、こんな決め方をしたのはこの世でぼくだけだと思う。
ぼくは、「自己肯定感が低い人の成長やキャリアアップをどのように支援していけばよいか」のヒントを得たくて、冬優子を選んだ。
冬優子が自己肯定感が低く、それゆえに二面性を抱えたキャラクターであるらしいということは、ネットの記事などを少し読んだのでなんとなく知っていた。
本業ではないが、ぼくはキャリアコンサルティング的な仕事をすることがある。
「職業選びのアドバイスをする仕事」と思われがちだが、それは正しくない。
キャリアとは広い捉え方をすると「生き方」そのものであり、キャリアコンサルティングとは「よりよい生き方の実現支援」である。
なんのために生きるかという「目的」を、どのようになりたいかという「目標」に下ろし、その達成のためになにが必要かという「課題」にし、課題解決の方法を一緒に考えたり提案したりしていく。
かっこつけた言い方をすると、相手の人生を相手以上に考えるのがキャリアコンサルなのだ。
世間的に「キャリアコンサル=職業選びのアドバイザー」のイメージが強いのは、多くの人にとって人生の多くの割合を仕事が占めていたり、就職や転職が人生の転機になることが多いからに過ぎない。人生が先、仕事は後だ。
さて、ぼくはこれまでそれなりの人数と面談などを行い、コミュニケーションを取ってきたが、どうしても苦手というか、うまくいかないことがあるというか、うまくいくとしても時間がかかるというか、そういう相手がいる。スキル不足かもしれないし、相性かもしれない。
それがどんな相手かというと、いわゆる「自己肯定感の低い人」なのだ。
「自己肯定感の低い人」をひとくくりにすることは危険だが、経験則から言うと、ある程度の傾向はある。
まず、「自分は自己肯定感が低い」という自覚を持っており、自己肯定できない自分のことを嫌いやすい。なぜ自分を嫌うかというと、自己肯定ができないからである。鶏が先か卵が先かみたいな話だが。
ただ、とにかく自分が嫌いでしょうがないというよりは、変わりたい、好きになりたい意欲は持っていることが多い。自己肯定感の高低と向上心の有無は無関係だ。
次に、本来の自分とは別に「よそゆきの自分」を持っていることがわりと多い。いわゆる二面性だ。
「自分なんかが他者に好かれるはずはない」「自分は他者と関わるに値しない人間だ」と思っており、「他者と関わっても許される(自分が許容できる)、よそゆきの自分」を用意するに至る。二重人格と言うほどではないが、根幹はほぼ同じと言ってよい。
最後に、心を許した人や許してくれる人に対して必要以上にネガティブ発言をしたり攻撃的になったりしてしまう(偽悪的態度を取ってしまう)ケースがときどき見られる。
たとえば、恋人や親友などに対して、「自分なんか好かれる価値はない(嫌われるべきである)」との思い込みから、本来の自分以上にひどい言動をしてしまうのだ。わかりやすい例では、「バカ」とか「死ね」とか、暴力とか。約束を破るとか。
これは、それによって嫌われて「ほら、やっぱり自分は好かれる価値のない人間なんだ」と安心したい気持ちもあるし、逆に「こんなひどい自分でも受け入れてくれるかもしれない」という期待も含まれているという、複雑な心理に基づく行動であることが多い。
この場合は、二面性どころか「よそゆきの自分」「偽悪的な自分」「本来の自分」の三面性を抱えることになる。さらに複雑なケースだと、偽悪的な自分と本来の自分の間に、偽悪の反動としての「(必要以上に)被虐的な自分」を抱えてしまうこともあり、そうなると四面性である。アシュラマンみたいになってきたな。
というわけで、ひとくちに「自己肯定感が低い」と言っても、その中身は奥深いのだ。
自己肯定感の高低は人格形成期の家庭環境や人間関係、成功・失敗体験に強烈に影響を受ける場合がほとんどで、ゆえに根深い。それらの原体験は本人にとって「思い出したくない」「話したくない」ことである場合も多いので、コミュニケーションを取っていてもかなり引き出しづらい。
安易にパターンに当てはめると絶対に失敗するし、かといってなにも持たずゼロから個別にやっていては課題解決に至れない。いろんな観点から見識を深めねばならない。
うーん。もっと、いろんな「自己肯定感が低い人」を見てみたいな。サンプルがほしい。
実際の人物でもいいし、フィクションでもいい。いや、実際の人物はたくさん見てきたから、むしろフィクションから学んでみると新発見があるかもしれない。
なにかないだろうか。そういう人物とのコミュニケーション、あわよくば一緒にキャリアを歩む疑似体験ができるような……
そうして白羽の矢が立ったのが、アイドルマスターシャイニーカラーズの黛冬優子だった。
ぼくはこれから、プロデューサーとして彼女を成長させていくが、同時に冬優子に自分を成長させてもらおうと思っている。
この連載は、キャリアコンサルティングの視点をまじえながら黛冬優子を人材育成し、黛冬優子に人材育成を学ぶシリーズである。たぶん。
まだチュートリアルの段階なので、冬優子は「よそゆきの自分」しか見せてくれていない。
しかし、スカウト時の会話にあった「……本当に、ふゆがアイドルになれると思いますか?」という質問と、それに対するぼく(プロデューサー)の返事を受けてすぐさま「……だったら ふゆ、アイドルやってみたいです!」と言ってきたことは、早くもかなり気になった。
笑顔が素敵なのでポジティブに決断してくれたように見えてしまうが、これは「重要な決断を相手に委ねている(相手に依存している)」やりとりだ。見ず知らずの相手よりも自分を低く見てしまっている。それも、極端に。
それは、自分に自信がないからか、相手を尊敬したからか、あるいは素直な疑問として聞いただけなのか、はたまたそれらの複合なのか……
ある意味では期待通りだが、冬優子、そうとう複雑な人物な予感がする。
よろしく頼むよ、冬優子。
コメント
やだ凄い面白そう…
冬優子の考察は結構あるけど新しい観点な気がする
期待してます
自己肯定感が低い自分としては興味ありますねぇ。
といっても自分は自分のことを嫌いではないので参考程度にですけど。
モバマスにも探したら自己肯定感が低いアイドルいそう。
最近ゲムぼくのIQが上がってる気がするんだけど脳手術受けた?
最近のキャリアコンサルはブログを乗っ取るハッキング技術もあるのか
>恋人や親友などに対して、「自分なんか好かれる価値はない(嫌われるべきである)」との思い込みから、本来の自分以上にひどい言動をしてしまうのだ。わかりやすい例では、「バカ」とか「死ね」とか、暴力とか。
ここ完全に自分でうわ…でした(暴力は無いですけど)
彼氏にきつく当たって
帰った後に後悔で死にたくなってごめんなさいってLINEして
でも来週また会ったらきつく当たって
以下エンドレス
嫌われたいのか好かれたいのか分からない
でも自分では止められない…
耳が痛い内容になりそうですけど興味あるので期待しています
面白そう
冬優子に合いそうな職業紹介とかもやって欲しい
本気でブログ間違えたかと思った
ポケモン考察でご新規熟女が来たから張り切ってるんやぞ
そのうち化けの皮がはがれるぞ
でも、面白い内容だったからもっと聞かせて
ハチナイでも同じ規格やって♡
空中戦への苦手意識も自己肯定感の低さの一因(ネットのネタしか知らない
これを書いてる人が誰より四面性ありそう
振れ幅ありそうでしょ
自分って参考にならんからな
客観的に自分を見ようにも、気付かないうちに自分が自分を歪めてしまう事がある(原因は自己陶酔や自己嫌悪、ポジティブネガティブどちらもありうる)から、たとえ自分が求める人間性そのものだったとしても信憑性がないので意味がない
提示された情報に「これ分かる〜〜!自分に当てはまる〜!」と感じた時、その瞬間に自己認識の方を当てはまるように歪めている事は多々あるわけで
まああまり自分を疑いすぎると自己不信になっちゃうんだけど、適度に疑えば優れた客観視能力が身につく
自己肯定感の低さでいうと大崎甘奈ちゃんもオススメですよ(メガネクイッ
> 自己肯定感の低さでいうと大崎甘奈ちゃんもオススメですよ(メガネクイッ
甜花ちゃんの方では
さすが熟女心理学修士だな…
読むブログ間違えたか?真面目なないようで面白かったぞ
シャニマスの自己肯定感の低いアイドルと言えば樋口だけど
>許してくれる人に対して必要以上にネガティブ発言をしたり攻撃的になったりしてしまう
ここがそのまんま過ぎてちょっとショックだった
樋口は自己肯定感が低すぎて冬優子が乗り越えた壁を越えられてないのが見ていて辛い