届いたぞ！
『歩いて泳ぐペンギン工作セット』が！
これは、2024年4月に発表、7月に発売されたタミヤのプラモデル。
なんと水中対応のモーターが搭載されており、実際に歩いたり泳いだりできるらしい。
そんなの……そんなの……
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ペンギン好きとして買わずにはいられない！ ぼくはまんまるぷくぷくむちむちボディのペンギンが大好きだ！
対象年齢10歳以上で、パッケージに「はめ込みとビス止めだけのやさしい組み立て」と書いてあることから、小学校高学年くらいの子どもが初めての工作として作るのに最適なキットだと推察されるが、そんなものは知らん！ 大人が作る！ いい歳した大人がはしゃいで作る！ 人生はいつだって成長期！ 今日はいつだって人生初めての日！
組み立てに必要な道具は、ニッパー、カッター、プラスドライバー。
ニッパー以外はだいたいの家庭にはあるだろうから、特別な準備はほぼ不要と言ってよい。ぼくはもともとタミヤのモデラーズニッパーを持っているのでこれを使うが、いまどきはニッパーも100円ショップで買えるので、まずはそれでもよいだろう。
箱を開けてみる。
パーツ数はそんなに多くなさそうだ。大きくてわかりやすいパーツが多い。
おっ、モーターだけでなく、滑りをよくするグリスも付いている。
このへんはミニ四駆と似ている。ミニ四駆もタミヤなので、その技術がこういう工作キットにも活かされているのだろう。
ミニ四駆と比較すると、モーターが少し小さくて形状もちょっと違う。水中対応だし、速く走ることを目的としないモーターだからだろう。目的が違えば形も変わる。
よし、組み立て開始だ！
ぼくは過去にもプラモデルをいくつか作ったことがあり、この工作キットより難度がはるかに高いと思われる『メガミデバイス』（コトブキヤ）なども経験済み。
小学生でも作れそうなこのキットなんて、なんなら目を閉じていても
は？
ぜんぜんわからんが？
……
…………
娘「たぶんこうじゃない？ これで合ってると思う」
ぼく「ありがとう……ありがとう……」
小学生に助けてもらった。どっちが保護者かわからない。
幸い、このあたりで子どもたちも興味を持ってくれたので、ここからは一緒に作ることに。
ギヤを組み合わせて駆動系を作っていく。
難しいが、いちばん工作っぽさがあって楽しい部分だ。
単4乾電池1本は、専用のケースに入れて密閉状態を作る。完璧な防水仕様。
キャップを閉め切ると通電してスイッチON、少しゆるめると金具と電池が離れてスイッチOFF、というしくみになっている。
ん？ この謎のスポンジみたいな部品は……？
あっ、浮き具か！ いわゆるフロートだ！
触ってみると、水泳で使うビート板と似た材質だ。たしかにこれなら、水中でぷかぷか受けるし、軽いから陸上を歩くときも邪魔にならない。よくできている。
ちなみに実際のペンギンも、お腹の脂肪や羽毛の空気量調節によって水陸の両方で上手に活動する。
こういう感じで、フロートをボディにはめ込んでいく。
フロートにはもともと切り込みが入っているので、はめ込みはカンタン。
シール貼りもある。
ただ、ふつうのプラモデルのシールとは違い、これは耐水加工がされたシール。感触がけっこう違う。
貼ること自体は難しくなく、ていねいにはがせば貼り直しもできる。子どもでも貼れた。
ただ、水中で使うことを考えると、シワが寄らないように注意したほうがよさそうだ。シワの隙間から水が入ってしまうとはがれやすくなるはず。
できた！ かわいくて凛々しい！
頭部の白い模様はフンボルトペンギンに似ていて、鮮やかなオレンジのクチバシはジェンツーペンギンに似ている。いくつかのペンギンの特徴を組み合わせたタミヤオリジナルペンギンだ。
あら～！ かわいいねぇ～！
メカっぽさはありつつも、お腹のカバーで一気にペンギンらしさが増してるし、立たせただけでちょっと前傾姿勢になるところもすばらしいねぇ～！
おお、背中が！ 後ろ姿はメカっぽさも少なくめちゃくちゃペンギンっぽい！
ペンギンのチャームポイントであるまんまる寸胴ボディとぷりぷりのお尻が完全再現！ ありがとうタミヤ！ ぷりぷりお尻メーカータミヤ！
よし、歩かせてみよう！
スイッチをひねるとモーターが動き始め……
……
…………
あれ？ 動かない……
娘「こわれた？」
ぼく「いや、さすがにそれはないはず。組み立てのどこかでミスったのでは？」
息子「でんちが切れてるとか」
ぼく「いや、新品のを袋から出したばっかりで……となると……」
と、話を進めようとしたところで気づいた。
これ、おもしろいのでは？ こういう工作って、うまくいくのももちろんいいことだが、「うまくいかないときに、どこに原因があったかを推測して突き止める」のも、おもしろくていい経験になるのでは？ いわゆる、「問題の切り分け」というやつだ。
幸い、このキットは組み立て後も分解がしやすいようになっている。たぶん、こういう事態は想定内なのだろう。
ぼく「じゃあ、まずは電池から試すか。ここだけ一回外してみよう」
電池まわりを取り出し、スイッチをひねってみると、ちゃんとモーターが回った。ということは……
息子「でんちはあるってことだ」
ぼく「そうだね。あと、モーターが回ったから、モーターも大丈夫。電池とモーターの接続もうまくいってる。ということは、ほかに可能性があるのは……？」
娘「ギヤがこわれてるとか」
息子「回るところが足とつながってない」
ぼく「おっ、なるほど！ どっちもありそう！ 順番に試すか」
モーター→ギヤの接続に問題があるという説と、その先のギヤ→脚部の接続に問題があるという説が出てきた。
すばらしい。おそらく初めてながら、構造をイメージしたうえでの推論ができている。
ぼく「あっ、ここだ！ ギヤが1個逆になってた」
ギヤがひとつ逆向きについており、それでうまく回っていなかったことが判明。つまり、モーター→ギヤの接続だ。
みんなで協力して付け直し、再度すべてを組み立てて……
今度こそ完成！
ああ～～～～～！
かわいい～～～～～～～！！
微妙なぎこちなさというか、よちよち感がめちゃくちゃペンギンっぽい！
お腹のカバーの傾きを変えると進行方向を変えられるのだが、急角度にしすぎると不安定になって途中でコテンと転んでしまう！ かわいい～～～～！！
さらに、水陸両用なので、お風呂などに持って行けば……
ぷかぷか浮いてすいすい泳ぐ！ かわいいねぇ～～～！！
動物園のペンギンプールのように、ゆったりと優雅に泳ぐ！ 陸上のよちよち感に比べるとスムーズなのも現実のペンギンと同じ！ 原作リスペクトが感じられる！ 原作ってなんだよ？
ちなみに、腹部のフロートのおかげで、仮に背泳ぎのような姿勢で水に入れたとしてもちゃんとひっくり返ってお腹が下になる。よくできている。
いちばんすごいと思ったのは、陸上と水中でパーツ換装や変形などがいっさい不要なこと。お風呂の浴槽のふちをペタペタ歩き、そのままドボンと入水して泳ぎへ移行、みたいなこともできる。
めちゃくちゃ水陸両用してる。ズゴックのプラモデルより水陸両用してる。
息子「これ、夏休みの研究とかにできそう」
た、たしかに！
ふつうに組み立てて終わりだったら物足りなさそうだが、組み立てを通して「電池→モーター→ギヤ→脚部→腕部」の接続のしくみが理解できるようになっているし、今回あったように問題の切り分けの分析・検証も体験できるので、それらをレポートにしたらかなりおもしろそうだ。
自由研究にするとしたら、タイトルは「ペンギン工作キットに見る駆動系の構造と不具合発生時の問題の切り分けフローチャート」みたいな感じだろうか。小学生にしては硬派すぎる気もするが。
まあ、研究にするしないは置いておくとしても、こういう体験を通してそういう力が身についていくのは本当にすばらしいことだ。
ぼく「これすごいな。めちゃくちゃ勉強になるし、かわいいし」
娘「かざってもかわいいし動いてもかわいいのがいいね」
ぼく「そうだよね！ やっぱり人類はかわいいペンギンに支配されるべきだよね」
娘「それはかんけいないでしょ」
問題の切り分け能力が身に着いたせいで冷静に指摘されるようになってしまった。
コメント
娘さんの冷静な指摘で草。父に気をつかったりアドバイスしたりもう子供たちの方が大人まである
あと「父」の第一変換が「乳」だったのは絶対ゲムぼく。のせいです（言いがかり）
工作してると問題の切り分けの練習になるのは確かにそう
理系の素質が育つ
歩いてるgifかわいい～～～～～～～
ゲムぼくさんと一緒に入浴してる動画はないんですか？
ゲムぼく氏のためにあるような工作キットですね
【PR】とか付いてないのが不思議なくらい
ゲムぼく。さんがプラモ作ってるとこ、お子さんも見てるんですか？
ひょっとして他のプラモも？
これ昔からあるシリーズでアヒルとかもあります
今年はペンギン
心身だけでなくお子さん達のツッコミも成長していて父親としてもきっと誇らしい気持ちでしょう
メカペンギンみたいで可愛い、いっぱい揃えたらエンプレスごっこできそう
失敗をポジティブに捉える力が凄い
これ絶対買うと思ってた
時々出てくる良き父親の顔と割りと頻繁に見る変態の顔のギャップに戸惑う
ラスオリのペンギン
アリスギア経由のコトブキヤのプラモ
この悪魔合体のせいで…
もはやペンギングッズを見ると「ゲムぼく。さん買ってそうだな…」と思ってしまうレベル
謝罪して欲しい
レビュー読むと今時の凄いキットなのが伝わったけど
パッケージに昔っぽさがあるのが勿体ないな
お店で見てもこの凄さは分からなさそう
たまにあるギリギリ親に見せても大丈夫な記事
使わないギアが入ってるってなんだ？
それはそうと力強いペンギンの歩行模様にニッコリ
2000円もしないとは意外とお安いのね
普通のプラモデルと変わらない
人類は支配されるべきとか急に言い出す親父、嫌だな……
動きがかっわいい……！ こういうプラモデルもあるんですね。奥が深いなあ
ちなみにペンギンの精密模型としては海洋堂と北陸製菓が出していた「ペンギンズランチビスケット」のオマケフィギュアがめちゃ出来が良いですよ！
メルカリとかで簡単に買えちゃうので是非。
もっとパパぼく記事見せて
こういうマイナーペンギングッズに気づく情報収集力と本当に買って作る行動力が凄い
むちむちのためなら何でもやるのかお前は
これは本当に良さげ。買おうかなぁ
使わないギアが入っているのはおそらく他のプラモでも使う共通パーツセットなのだと思われます
ペンギンでABDでCは使わないけどイルカではBCDで使うなど、共通にすることで金型を減らすのが目的かと
欲しい！！……けど置き場もないしベイビーのいる家庭には危ないのでゲムぼくさんの動画で満足しときます……！
100均で売ってるニッパーはハリガネ切断用でパーツの切り出しにはオススメしかねるなあ
工具含め100均縛りで作るなら爪切りやキューティクルニッパのほうがなんぼかマシ
＞ちなみに実際のペンギンも、お腹の脂肪や羽毛の空気量調節によって水陸の両方で上手に活動する。
このむちむち怪人、小癪にも真っ当なペンギン知識を挟んでくるんだよな……
エロエロでムッチムチなゲムぼく。さんの時の記事も好き。
良き父親なパパぼく。さんの記事も同じ位好き。
明日ペンギンプラモ買いに行きます。
静岡ホビーショーで発表されたとき絶対に買うだろうなと思った
ちょくちょく記事の中にむちむちって出てくるんだよなあ・・・安全かなあ？
タミヤのペンギンだー！！
かわいいねえー！
わたしも買ったけど使わないギヤってなに…って箱閉じたわ。
パパぼく。たすかる
お子さんたちもご健勝そうで何よりです
お名前は「ペンタロウＸ」なんてどうですか？
(念のため説明しておくと、極上パロディウスのネタ。クリア後の裏面に出てくるボス。ツインビーRPGにミニゲームで釣りがあるのだけど、ソレの最強ルアーとしても扱われています)
メカ獣姦はちょっと……
今日はブログの人か
確かにこのプラモかわいいな
工作って面白いですよね！
このペンギンのプラモデル作ってる人すごいし、お子さんの分析力すごいし、珍しい面白いもの探せるしお子さんと程よい距離で色々考えながら一緒に遊べるげむぼく氏もすごいと思った
>ぼく「そうだよね！ やっぱり人類はかわいいペンギンに支配されるべきだよね」
モンティパイソンでそんな感じに支配階級がペンギンに変わるコントが有りましたね
ゲムぼく。さん、大銀河を支配するのはもふもふふかふかぷにぷにな猫です(強火猫好き勢)