ぼくはゲーム・アニメ・漫画などが好きだが、それらの二次創作作品が活発に取り扱われる同人即売会には参加したことがない。
理由はシンプルで、人と関わるのが怖いからである。
人がたくさんいるだけでもウッとなるし、同好の士が集まるということはコミュニケーションの心理的ハードルが下がるはずだから、誰かに話しかけられるかもしれない。ありがたいが、対応できる気がしない。
ぼくはふだん、レジで「ポイントカードはお持ちですか?」と聞かれただけで「あっ、はい、ポイッ、ポイントカード持ってま、あっ、あれっ? ここに入れ、あれっ、あっあっ……あっ、すみません、ないです……」となってしまう人間だ。話しかけられることが予想できる会話ですらこうなのだから、不意に話しかけられたら正気ではいられないに決まっている。会場の隅っこに逃げ込んで震える姿が目に浮かぶ。
でも、即売会そのものには興味がある。さまざまな人の作品や、会場の熱気みたいなものには触れてみたい。
たとえば、直接的に人と関わらずに済む仮想空間みたいなところで、即売会を疑似体験できるしくみがあればいいのだが……
あるじゃねーか!!
これは、pictSQUARE(ピクトスクエア)というオンライン即売会サービス。
どうやら、RPGツクールのゲーム画面のような会場にアバターで参加して、実際に会場内を歩いたり、出展ブースで作品のやりとりをしたり、会話(チャット)を楽しんだりできるらしい。
すごいじゃん! これなら、リアルで人と会うわけじゃないから怖くない! 会場の隅っこに逃げ込んで震えずに済むぞ!
「人と関わるのは苦手だが同人即売会には行ってみたい」というわがまますぎる欲望を完璧に満たせてしまう! なんて最高のサービスなんだ!
ここからは、実際にいち一般参加者として参加する様子をお届けしていく。
なお、参加したイベント名はあえて出さない。この手の同人イベントというのはいろいろな事情が複雑に絡み合っている側面があるので、おおっぴらにアピールすると各所に迷惑がかかってしまう場合があるからだ。
いちおう、某むちむちドスケベ戦略RPGのイベントである、ということだけはお伝えしておく。とてもいいイベントだったので、興味がある人はぜひ検索して調べてほしい。
参加までの手順はかなりカンタンで、大きく言えば下記3ステップだけ。
[1]pictSQUAREに会員登録する
[2]参加したいイベントを探す
[3]イベント開催中にアクセスし、会場に入る
このうち、[1]はSNS連携で登録できるのですぐ済むし、[2]は参加したいイベントが決まっているなら探すまでもない。
実質的に、「参加したい」と思ってから実際に参加するまでは5分もかからない。この早さと手軽さはリアルイベントではあり得ないので、Webならではの大きなメリットだ。
今回参加したイベントは、入場無料。
ただ、開催資金の援助などを目的として、イベント主催者に寄付できるようになっていた。もちろん寄付しなくてもOKなので、いったんそのまま入ってみることにする。
このあたりの設定はイベントごとにまちまちなので、会場に入る前によく確認しよう。
pictSQUARE公式の「料金について」のページも確認しておくとより確実。
アバターはあらかじめたくさんの種類が用意されているので、好きなものを選ぼう。
とりあえず、これにした。
選んだら『イベントホールへ』を押して、いよいよ会場入りだ!
リアルで人と会うのは怖いが、仮想空間ならぼくの土俵だ!
作品を愛するファンのひとりとして、他のファンとたくさん交流しちゃうぞ! 目標は会場の全員と友達になることだ!
ウオオオオオオオ! 突撃!
ギャアアアアアアア!
なんか人いっぱいいる! 怖い! 『ホールの人数:73人』って書いてある!
多くない!? ぼくなんてコンビニに自分以外のお客さんが4人いるだけで「人多いから入るのやめとこ」って思っちゃうのに!?
と、とりあえず……
人のいないところに避難しないと……変な汗が出る……
会場の左上に椅子とテーブルがあったので、そこで休憩。
まさかこんなに人がいるとは……「まだ開始直後だし、3人くらいしかいないだろ」と予想していたら24倍いた……
そして、その後もどんどん会場内の人数は増加。
あっという間に100人を超え、ぼくが座っている場所の近くも人が通るようになった。もしかしたら座りたい人がいるかもしれないので、邪魔しないようにぼくは離れることに。
しかし、会場内のどこを歩いても人がけっこういるので行き場がなく……
怖くて左上の隅っこから動けなくなってしまった。
さっき「会場の隅っこに逃げ込んで震えずに済む」って言ってたのはなんだったんだよ。いくらオンラインで同人即売会が体験できるって言っても、馴染めなくて孤立するところまでリアルに体験する人だいぶ珍しくない?
いや、しかし。ここでぼくはひとつの気づきを得た。
これは、アバターが悪い。ぼくは悪くない。アバターをもっとかわいくて元気が出るもの、たとえば自分が好きなペンギンにすれば、明朗快活なコミュニケーションが取れてみんなと友達になれるはずだ。
Tercero316さんのpictSQUARE用フリーアバターをお借りして、かわいいペンギンになって再突撃だ!
ギャアアアア!
さっきよりもさらに人が増えてるゥゥゥ!!
ヒィィィィ!
ふぅ……
なにこれ?
pictSQUARE、隅っこしかぼくの居場所がないという不具合があるのだが? 早急にシステムかぼくの脳をアップデートしてほしいのだが?
もうダメだ。コミュニケーションはあきらめよう。
優先すべきは作品のチェックだ。MAPを見て、どこに何のブースがあるのか把握し、人混みをかき分けながらササッと見て回るしかない!
ブースに入り、卓上にある本のアイコンをクリックすると、実際に頒布されている同人誌のサンプルを見たり、購入手続きをしたりすることができる。
ちなみに、ブースの外にいる状態でクリックしても見ることはできない。現実の即売会に近い感覚になるよう、かなり意識して設計されていることがうかがえる。
各ブース内には「書き込みボード」が設置されていて、ブース出展者にメッセージを送ることができる。出展者から返事が書き込まれる場合もある。
書き込みボード内のやりとりは当事者同士にしか見えないので、「チャットだと周りにもログが残ってしまうからちょっと……」という人でも安心だ。応援や感謝のコメントをどんどん書き込もう。
よし、ブースをすばやく回っていくぞ!
この手のイベントは、ファン同士で交流・応援し合ったり、一緒にそのジャンルを盛り上げていこうぜ的な雰囲気を作ったりすることも大事だと思うので、頒布作品で興味がある物があれば積極的に手に取っていきたいところだ。
ただ、当然こちらもお金の限度があるので、なんでもかんでも、というわけにはいかない。気持ち的な応援ならいくらでもするが、購入はサンプルをしっかり見て本当にいいと思ったものだけに厳選させてもら
ぜんぶ買っちゃった……
出展されてる物は買い方がわからないもの以外はぜんぶ買っちゃった……
ぜんぶよかったから……厳選した結果、ぜんぶよかったからしょうがない……
寄付もしちゃった……
その場の勢いで主催者にそこそこの寄付もしちゃった……
いい経験したから……それに、こういうの主催するのってサービス使用料とか人件費とかかなりかかるよなって思ったから……応援したいと思っちゃったから……
このイベントは、最終的に同時接続者数が400人を超えるほどの大盛況となった。
あまりの人の多さに驚いたし、多すぎてサーバー負荷がかかったせいか画面がホワイトアウト(真っ白になる)することもしばしばあったが、とても楽しかった。
そして、会場の雰囲気もだいぶわかったし、いろいろ買えたし、寄付だってしたし、いまなら改めていろんな人とのコミュニケーションに挑戦できそうな気がする!
よし、MAP中央の噴水広場に突撃だ! ぼくはもう怖気づいて隅っこに逃げ込むようなことは決して
……
コメント
やばい、オンラインだとなお人見知りが発動して協力型のゲームとか
交流が必要なゲームを一切できない自分には今日の記事は刺さりすぎる…
あまりにもゲムぼくらしい結末
偽物のゲムぼくも出没するも、隅っこでぼっちなのが本物だ!と他の参加者に見破れられた模様。…いいのか?
ネタにしていいのか迷うレベルのコミュ力
人間に怯えている様子あまりにも可愛すぎる
「これはアバターが悪い」の鮮やかな責任転嫁ムーブ
気づいてほしいけど、自分からはいけない陰キャ全開でほんま気持ち悪い。大好きです
わかりすぎて自分にも刺さるからつらい
騒ぐ偽ゲムぼくが現れたけど「ゲムぼくが人と話せる訳ないから会場の隅っこでじっとしてるのが本物のゲムぼくだろ」って言われてしかも当たってたの
マジで今年一番面白い
他の参加者のアバターとはお互いすり抜けるから、どれだけ混んでるブースでも好きに入ってって見られるのいいよね
ネットでもリアルでも本人の本質は変わらないよ(遠い目)
毎日ブログを書いてファンラジオをやっていても
伸ばせるのは一人言のスキルだということがよくわかるいい記事
いつもラスオリの宣伝に貢献してて
イベントで積極的に買い物して寄付までしたのに
それ以外全部気持ち悪いから好感度一切上がらないの
ゲムぼくらしさ100点でほんとすき
偽物いたけどゲムぼくが人前で目立つこと出来ないからバレてたの笑う
自分にもよく刺さるのでなんも言えない
暴れてる偽物が一瞬で偽物だと見破られたんだから、コミュ障も決して悪いことばかりではないということ。
そうでも思わないとあまりにも哀れすぎて涙が止まらない。
次回からゲムぼくを名乗って隅っこを占領する偽者が現れて隅っこすら居場所無くなりそう
非実在人物だと思ってたので本物を見て割と驚きました
「ゲムぼくさんがすみっコぐらししてる」って言ってる人いて面白かった
なんでゲムぼく。くんが逃げてんの?
逆でしょ!
ゲムぼく。の名を出せばむしろみんなが蜘蛛の子を散らすように逃げ出すんだから堂々としてろ
ぼっち・ざ・ピョンテがすぎる
行動力はゴリラのパワーなのに奥ゆかしさがゴリラ並みの悲しきゴリラ
ゲムぼくらしきアバターがエロ本コーナーに鎮座してる時は最高にロックだったぞ
へ~ウディタ使ってこういうことできるんだ~
っていうところを意識の中心にしないとすごくこう…いたたまれない
遠くから観察してたんですが、ずっと左上に居る訳じゃなくて人が近づいて来たらすぐ逃げたり、声掛けられて「ありがとうございます」って返事した後すぐ画面外にダッシュしてたのが「「本物」」だなって思いました
文章力あるしラジオもすらすら喋ってるから、ネタにしてるけどどうせ「内心はちょっと苦手」程度なんでしょってずつと思ってた。なんかごめんな…
これでこそゲムぼくさんだね
これが、ゲムぼく。さんがツイートしてたオンラインイベントの真相かー
ガチで馴染めてないゲムぼくの観察からしか得られない栄養があるのでそのままでいて欲しい
気持ちが分かりすぎてしんどい
応援コメント残してるだけ偉すぎるから誇ってほしい
椅子に座ってたのゲムぼくさんだったのね
ネット流行語にヌオダスがノミネートされたから
授賞式で一言も喋れなくて隅っこで震えるゲムぼくさんが見たいです
vrchatに来ないか?ゲムぼく。
色々と行動力はあるのにやってることはALファントム
自分も参加して楽しかったけどらすおりあるあるってユーザーがゲムぼく云々言いながら走り回ってて見てるのしんどかった
当然のようにこのイベントに参加してるやつがコメント欄に大量にいる、ここがインターネットむちむち蟲毒か……
会場で見かけて「本物か?本名で参加するか?プロフにリンク貼り付けてまで!?」
とわからなくなったのでとりあえずアバターで包囲しておきました
こうなるから参加しなかった俺に比べれば遥かにコミュ強
ホームなカテゴリーのはずなのに
アウェイの動きしてるのは家なき子なの?
何ならジャンルの中心人物の一人なのに
イベント会場のどこにも居場所が無いの逆に凄いよ
購入履歴という足跡(?)を残した辺りVRC始めたものの誰にも話しかけられず即アンスコした僕よりは偉いぞ…
面白そうだとは思うが、ラスオリで処理落ちするならなかなか厳しそうだな…
それともラスオリが想像以上に人が多いのか?
流石に記事用のやらせだろって思ってたらコメントでガチ報告発見出てるの草
この対人恐怖症みたいな記事の当日にヌオダスがネット流行語にノミネートされて壇上に呼び出される可能性出て来てるの「持ってる」だろ
放送事故待ったなし
ラスオリのイベントがそんなに盛況なことが一番衝撃だった
こんなコミュ障に苦しみまくったのに、とても楽しかった、という感想を残すゲムぼくに涙を禁じ得ない
同日開催してた呪術イベとか東リベイベよりも人いて最終的には450人くらい来てたからラスオリ流行ってるよ
ピクスクはふしぎ星のふたご姫オンリーとかジョジョ5部のメローネ受けオンリーとかニッチなイベントばっかで来場者数二桁とか当たり前なので450人はやばいくらい流行ったレベル
社会的人間としては極めて生きづらそうだけど今後も頑張ってください
同人というファン活動に貢献しててすごいのにそれを帳消しどころかマイナスに持ち込む陰キャムーブすごい
自前のブログで性癖発露しか出来ない生き物だからお前は違うと偽物が看破されてるの流石に笑うしかない。
本当になんでブログであんなにふざけた投稿が出来てるんだこのむちむち狂いは
愛の溢れた作品がたくさん見られて良い催しでした
次回はもっと大きい町になりますよう
>>2111
>メローネ受けオンリー
むしろそれに二桁の客がいるのがすごい…
とりあえずで選んだアバターがゲムぼくさんと同じだったので「あれっ俺ってもしかしてコミュ障の素質あるの…?」と猛烈に不安になっている
「ムチムチで」どれだ……?
「ドスケベで」どれだ……?
「戦略的な」どれだ……?
「RPG」あっあれかぁ!
ぜんぜん上手く利用できてない最優良ユーザー
妖精さんかな
偽物が表れても行動パターンで看破する読者が出る流れめっちゃ好き
ゲムぼくさんの人見知りに親近感が湧いた
だからゲムぼくさんをネット流行語大賞の表彰式に送り込みたいのでヌオダスに投票してきました
某ゲームでギルドロビーに他のギルメンが居たときの俺で草
本人が隅っこでじっとしている裏でゲムぼくを自称しながら中央で暴れてた奴が読者なら目を瞑ってどっか隅っこに挟まって口だけ開けて落ちてくるむちむちだけ食って辛うじて生きてるような生態してるのにそんなことできるわけないから即偽物だって看破されてたの面白すぎる
まず偽物出てくるのが面白いし偽物とバレる理由も面白いし本物が本当にその行動してたのが一番面白い
左下のすみっこにもいた
ピクスペのイベントで人見知りするって発想がなかった。
こういうオンラインで展示物見るイベントが好きならバーチャルマーケットとかおすすめですよ~!
一般の人たち3Dで見る前提の凝ったブース作りますし、ゲムぼくさんの好きなハチナイコラボのホームランコンテストとかゴジラの口に飛び込む滑り台とか記事のネタになりそうな企業ブースも豊富でしたし…
気が向いたらぜひぜひ
不審なアバターが隅っこに寂しく座ってるの面白すぎる
ここのサービスで情報流出したみたいだから登録したメールアドレスとパスワードを他のサイトで使ってないか確認した方がいいかも。pictSQUAREのアカウントもRTしてるけどpictBLandのアカウントで報告してるよ。