28歳男性、いまさら人生初の一番くじに挑む。[艦これ]

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 うちには1歳4ヶ月の男女の双子がいる。娘は妻にそっくり、息子はぼくにそっくりで、とてもかわいい。自分で言うと完全に親バカだが。
 その双子がそろってカゼを引いてしまい、病院に連れて行った帰り。駅前のコンビニに立ち寄ると、陳列棚の片隅にあるものを見つけた。

 「一番くじ 艦これ ~提督、お食事ですよ!~

 なかでもぼくの目を引いたのは、高速戦艦・比叡改二のイラストと「ーレカ叡比」、すなわち「比叡カレー」の文字が入った、昭和レトロを感じさせるデザインのクリアファイル。

 ほ、ほほ、欲しい!これはめちゃくちゃ欲しい!
 
 ぼくは艦これが好きである。とりわけ比叡は大好きである。そしてクリアファイルというのは、保管に場所を取らず、いちおうの実用性があり、子どもが誤飲する心配がないという点で、妻の理解を得やすい。小さな子どもを持つ既婚男性にとって、非常に優秀なオタクアイテムである。

「へえ、こんなのあるんだ。買ってみてもいい?」
 さっそく妻にお伺いを立てるぼくである。内心はテンションMAXなくせに不必要に平静を装うぼくである。
「これなに?くじみたいなやつ?ちゃんと当たるの?」
「いや、まあ、どれが当たるかはたぶんわからないんだけど、ほら、食器とかコップとかもあるみたいだし。ちょうどいま家にコップ足りないでしょ?けっこうよくない?」
「ふーん。まあ、いいんじゃない?じゃあ、私は薬局に薬もらいに行ってくるから、その間に買うなら買いなよ」
 無事に妻の許可を得たぼくである。偶然にも「食事」がテーマの一番くじだったので、食器がどうのコップがどうのと屁理屈を並べたぼくである。素直に「比叡の!かわいくてボーイッシュで隠れ巨乳の比叡のクリアファイルが欲しいんです!だから買わせてください!」とは言わなかったぼくである。言ったらたぶん離婚の危機が訪れるので言わなくて正解である。

 しかし、ぼくは「一番くじ」というものを買ったことがない。そのため当然、買い方がわからない。

 そこで、まずはくじの景品が並んでいる棚を「へえー、いろいろあるんだなあ」と感心したような顔で眺めるフリをしつつ、どこかに買い方の手順などが書かれていないか、必死に探す。
 すると、ほどなくして棚の隅に「引換券」と書かれた小さな紙をたくさん見つけた。「こちらをレジにお持ちください」とある。
 なるほど、じゃあ今回は2回くらい引いてみたいからこれを2枚持っていけばいいのかな、と思ったが、よく見ると「引換券は1枚だけお持ちください」みたいなことも併記してあった。どうやら1枚だけレジに持っていって、「2回分お願いします」などと伝えるのが正解のようだ。

 購入の要領をつかみ、引換券を握りしめ、そのままレジに直行……ではなく、なぜか店内をぐるっと一周しだすぼくである。どうしたことか、ふだんは絶対に買わないスターバックスのカフェラテを手に取ってからレジに向かうぼくである。その意図を解説すると、この期に及んで「ぼく、オシャレなラテを買いに来ただけなんですけど、ちょっと気まぐれで、一番くじって言うんですか?まあ、たまたまそれも買ってみることにしました」みたいな空気を出そうとしているのである。いったい誰に対して見栄を張っているのだろうか。

 レジに着いたぼくは、カフェラテと、さりげなく引換券を差し出して、「これ、2回分お願いします」と伝えた。 
 しかし、ここで致命的なミス。言ってみて初めて気づいたのだが、ガッツリ2回分お願いしてしまっている時点で、カフェラテでなく一番くじが本命であることはどう考えても店員さんにバレバレである。無意味な見栄、完全に空振りで終わるの巻である。

 恥辱にまみれながら、店員さんが出してくれた箱に手をつっこむぼく。顔を真っ赤にし、緊張の汗をだらだらかきながらくじを2枚引く、28歳、双子用ベビーカーを押す奇妙な男性である。もういっそ思う存分怪しんでくれ、と開き直り始めた容疑者の男である。

「A賞とD賞ですね、少々お待ちください」

 そう言って、店員さんがレジを離れた。どうやら、賞品を取りに行ってくれたらしい。
 A賞って、名前からして、けっこういいやつなんじゃないか?期待大である。

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 結果、当たったのはA賞「提督用洋食器」とD賞「おしぼり」。
 ぼくが欲しかった比叡のクリアファイルは、どうやらG賞らしい。Gということは、わりとハズレのほうなのだろうか。

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 A賞のお皿は、実用性重視で「艦これ」色はかなり薄めのデザイン。物足りないと思う人もいそうだが、ぼくみたいな「家族の目も多少気にしながらそれなりの満足感を得たい、という人にはピッタリ。
 大きさ的には、直径が500mlペットボトルの高さとちょうど同じくらい。カレーライスを食べるのにちょうどいいくらいだろうか。

 すべてを終えたあと、ぼくは薬局に向かい、妻と合流した。
「どうだった?」
「あ、なんかA賞っていう、よさげなやつが当たったよ。お皿だった」
「へえ、すごいじゃん! 」

 ありがとう、でも違うんだよ、妻!ぼくは比叡の!かわいくてボーイッシュで隠れ巨乳の比叡のクリアファイルが欲しかったんだよ!夜中にこっそりトイレで隠れてペロペロしたかったんだよ!
 言うと離婚の危機が訪れる真意をそっと胸の奥にしまいつつ、「うん、いいのが当たってよかったよ」と無難な返事をして、ぼくたちは帰路についた。

 次に同じコンビニに寄ったとき、 ほかの賞品が掃けて、うまいこと比叡のクリアファイルだけが残っていてくれればいいんだけどな。


 

コメント

  1. 名無しのゲーマー より:

    無意味に店一周してごまかすのあるあるw

  2. 名無しのゲーマー より:

    私が行くコンビニには引換券?は置いてなくてレジで直接「○○のくじ下さい」って言うパターンですね。
    マイナー作品のクジだと店員さんが理解してなくて悲惨な空気に…

  3. 名無しのゲーマー より:

    ちなみにクリアファイルは当たりましたか?(ひっそり)

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