サクラ革命の一生を振り返る。

サクラ革命 ~華咲く乙女たち~(サクラ革命)公式サイト|セガ×ディライトワークス
セガとディライトワークスが贈る新たな『サクラ』プロジェクト

 『サクラ革命』というゲームがある。
 

 人気シリーズ『サクラ大戦』の流れを汲む、スマートフォンでの最新作。
 サクラ大戦シリーズは2005年の『サクラ大戦V~さらば愛しき人よ~』(PS2)を最後に14年も新作が出なかったが(途中でパチスロなどの派生展開はあった)、2019年に『新サクラ大戦』(PS4)が発売。
 続く2020年に発表されたこの『サクラ革命』は、『サクラ』シリーズの本格的な再始動の象徴となる……はずだった。
 ぼくのような初代『サクラ大戦』からの古参ファンが喜んで飛びつき、むさぼるように遊び倒す……はずだった。

 ところが。
 

 2021年6月30日にサービス終了となることが、同年4月22日に発表された。

 2020年12月15日のサービス開始からわずか半年。あまりにも早すぎる終焉。
 しかしいっぽうで、古参ファンであるぼく自身、「まあ、そうだよな」と納得もしてしまっている。半年とはさすがに思わなかったけど、2年以内に終わりそうだな、とは予感していた。
 

 ハッキリ言うけど、サクラ革命はゲームとしてはおもしろくなかった。
 戦闘システムはサクラ大戦と似ても似つかないし、3Dモデルはかわいくないし、各種の演出も古臭かったと思う。実際、そういう声はネットにもたくさん転がっている。

 でもいっぽうでぼくは、サクラ革命のスタッフに『サクラ大戦』シリーズを愛してやまない人たちが確実にいることも、ゲームをプレイしていて感じ取った。
 歌やBGMはまさしく『サクラ』だし、ストーリーもいいと思った。3Dモデルは微妙だったけど、元のキャラクターデザインはみんな「らしさ」があってかわいかった。必殺技のかっこいいけど恥ずかしい感じなんかも、「ああ、サクラ大戦だ!」と感動した。

 ビジネスとして結果は出なかったけど、そこにはたくさんの想いがあって、情熱があって、寸暇を惜しんで挑み続けた人たちがいたのだ。ぼくは、それをなかったことにしたくない。

 今回は、『サクラ革命』の歴史を、その誕生から見届けてきたひとりとしてご紹介したい。
 

さよならは言わないの また会えるから
サクラ革命の一生を振り返る。
 

2020/09 セガとディライトワークスの共同制作タイトルとして、『サクラ革命』発表。すべての歌唱楽曲を『サクラ大戦』シリーズの田中公平氏が手がけることも発表され、古参ファン歓喜。VTuber「白上フブキ」「宝鐘マリン」が公式応援大使に任命されたり24分のスペシャルアニメも公開されたりするなど、新規ファンの取り込みにも積極的な姿勢が見られ、その本気度に各所から期待の声が上がった。

2020/10 公式の広報番組『青ヶ島司令部通信』がスタート。計3時間の放送にもかかわらず大半をスペシャルアニメの再放映と声優の朗読とVTuberのトークが占め、肝心のゲームプレイの様子は最後に十数分だけ(しかもチュートリアル部分のみ)という構成に違和感を覚えたファンもいたが、全体としてはまだ期待が勝っていたのでポジティブな声も多かった。また、声優たちの朗読劇は本当に上手く、特に咲良しの(主人公)の声優・岸本萌佳の新人とは思えぬ実力には多くの視聴者が素直に感嘆した。

2020/11 事前登録30万人達成。それを記念して、公式応援大使「白上フブキ」「宝鐘マリン」の声優起用が決定。VTuberきっかけで入った新規ファンは狂喜乱舞。そうじゃない人たちは「うーん、それ、いる?」という微妙な反応。この起用の是非は一部の過激なファンの間でプチ騒動になった。
 

2020/12 12月15日、満を持して正式サービス開始! 新旧ファンが期待とともにいっせいにプレイ開始。SNSには「思った以上にストーリーやBGMがいい!」という声があふれ、その3倍くらい「思った以上にFGO」「思った以上に謎の都道府県推し」「思った以上に3Dモデルがブス」という声もあふれた。月末には「サクラ革命」と検索したらサジェストに「ブス」が出るようになった。

2021/01 サービス開始から1ヶ月も経たないうちに、Twitter上で「サクラ革命」を含むツイート数が激減。いちど盛り返したと思ったら炎上系YouTuberの動画が悪い意味で話題になっただけだった。早くも雲行きが怪しくなる。メインストーリー第三章『四国志』が実装されたのだが、横山光輝三国志をはじめとしたいくつかの作品のパロディを詰め込んだ節操のない演出で、ユーザーは「なんだこれ……? 話の大筋はともかく、わざわざサクラシリーズでやる味付けか……?」と困惑。しかしそのパロディの良し悪しもSNS上ではほぼ話題にならなかったことから、すでにユーザー数の減少は深刻であることをファンは察した。

2021/02 季節イベント『クリティカルバレンタイン 乙女たちのレシピ』が開催! ソシャゲにおいてバレンタインは稼ぎどきだが、まさかの売上激減一部の予測では1月5,607万円→2月1,879万)。AppStoreランキングも低迷。「サクラ革命」で検索するとサジェストに「サ終」が出るようになる。

2021/03 リリース100日キャンペーン開催! 第三章の後日談『桜花爛漫! 天神花見十番勝負』実装! 3月16日は主人公・咲良しのの誕生日! 話題が目白押し……だったのだが、どれも公式Twitterが100~200リツイート止まりという恐ろしい反響のなさ。10万人のフォロワーはどこへ行ったのか。中旬に少しだけ「サクラ革命」という言葉を含むツイートが増えたのだが、なにかと思えば「ウマ娘(3月10日サービス開始)の3Dモデルがかわいすぎてサクラ革命との差がヤバい」という悪い取り上げられ方だった。いちおう、サクラ革命も一部キャラの3Dモデルは微修正されてちょっとかわいくなったのだが……でも、キャラクタークリエイトできるゲームでランダムボタン押したらできるやつ(豊玉こがね)は最後まで修正されなかった。


  

2021/04 2ヶ月後にサービス終了となることが発表される。未プレイの人たちが「早すぎだろw」などと笑い、ネットニュースなどでもネタにされるいっぽうで、ユーザー経験が長い人ほど「まあ、そうだよな……」と静かに納得するという不思議なうえに悲しすぎる状況が各所で目撃された。古参ファンはサクラシリーズ再興の望みが潰えたことに落ち込み、新規ファンは「サービス終了決定に伴い、Vtuberの声優起用予定はなかったことにします」との公式発表に落ち込んだ。ぼくはちょっと泣いた。

2021/06 サービス終了予定。
 

 いろいろアレだったサクラ革命。
 でも、本当に、BGMとストーリーとキャラクターデザインはよかったのだ。
 3Dモデルだって、出来がいいキャラもちゃんといた。特に美瑛ななこ(びえいななこ。上画像)はめちゃめちゃかわいいと個人的に思う。主人公の咲良しのも好きだ。
 主演声優陣もよかった。特に岸本萌佳を見出したのは特筆に値する。新人声優として充分すぎる実力とフレッシュさ、そして低めの声を出したときの横山智佐(サクラ大戦 真宮寺さくらの声優)を思わせる強さは、サクラ大戦シリーズのヒロインとして完璧だったと思う。

 全体的・総合的には失敗だったが、いい部分はあったのだ。わかりやすいマイナスだけを取り上げて炎上ネタとして消費して終わるのは、ぼくは違うと思う。

 主題歌『SAKURA HIKARU Revolution』も、いまっぽさがありつつもサクラらしさにあふれる名曲だと思う。
 ぼくはサクラ革命はもう月に数えるほどしかログインしていないが、この主題歌だけはいまもよく聴いている。

SAKURA HIKARU Revolution

 「命短し恋せよ乙女」と言いつつ恋する間もなく息絶えたサクラ革命だが、これがサクラ大戦シリーズそのものの終わりにもならないことを切に願う。
 「サクラ革命はいいゲームではなかった」という感想と、「でもサクラシリーズはいままで以上に応援していく」という気持ちは、ぼくのなかでは矛盾なく両立する。

 ぼくがサクラ大戦シリーズで好きな曲のひとつに『夢のつづき』(2のエンディングテーマ)というものがあって、そのなかにこんな歌詞がある。
 

歌をさあ 歌いましょう そして夢のおわり
あふれる涙を そっとぬぐって

歌をさあ 歌いましょう だけど夢はつづく
さよならは言わないの また会えるから
 

 この先も、サクラ大戦という夢が、ずっとずっと続いてほしい。
 

夢のつづき
夢のつづき

コメント

  1. 名無しのゲーマー より:

    サクラの名前通り咲いてから散るのが早かったんだな

  2. 名無しのゲーマー より:

    サクラ革命はゲムぼく。の記事くらいしか触れ合いなかったけど寂しさを感じるね。

  3. 名無しのゲーマー より:

    下ネタを言わなかった辺りに真面目な追悼の意志を感じる

  4. 名無しのゲーマー より:

    サジェストに~~が出るようになった月を記録してるのこわい

  5. 名無しのゲーマー より:

    そこをなんとかゲムぼく得意の炎上芸で!

    ハチナイがサービス終了したときもこういう記事お願いします

  6. 名無しのゲーマー より:

    基本的に愛ある内容なんだけど所々辛辣で草

  7. 名無しのゲーマー より:

    夢のつづきはコミケでオタク仲間が集まったカラオケで必ず最後に歌う曲だわ

  8. 名無しのゲーマー より:

    有名シリーズをリスペクトした上での駄作の続編って見てて悲しくなる。

  9. 名無しのゲーマー より:

    サクラ革命終了の記事を見て「ゲムぼく。さん大丈夫!?」って思ったけど、やっぱり大丈夫じゃなかった…続編楽しみにしたいですね。

  10. 名無しのゲーマー より:

    大戦が終わって平和になる

    それでいいじゃないか!

  11. 名無しのゲーマー より:

    こういう真面目な記事だとしっかり愛が感じられて
    ただの下ネタ連呼してるだけの仮性包茎B専鳥類じゃないんだなって
    まぁ下ネタ連呼してる仮性包茎B専鳥類なんだけど

  12. 名無しのゲーマー より:

    バドミントンガールズが長生きしたように見える不思議

  13. 名無しのゲーマー より:

    開発費と運営維持費(とapple/Googleに払うみかじめ料)が高額過ぎて、グラブルぐらいの売り上げを毎月継続しないと回収しきれないという話をどこかで聞きました。
    そう考えると傷が深くなる前に撤退を決めたのは英断かもしれませんね。

  14. 名無しのゲーマー より:

    ゲームである以上ゲームとして面白くないとどうしても厳しいな
    その点システム元であろうFGOとか、ハチナイって逆に凄いんじゃないかなって思えてくる

  15. 名無しのゲーマー より:

    旧作ファンですが結局やらずに終わってしまった。
    やはりSLGがやりたかったけど
    日本のメーカーじゃ期待できないかな。

  16. 名無しのゲーマー より:

    開始直後にTwitterで「ご当地ブス集め」って呼び方が広まっちゃったのが致命傷だったように思うよ

  17. 名無しのゲーマー より:

    ゲーム作りをディなんとかって言う素人集団に任せたのが原因
    本気ならあんなところには投げないだろうな

  18. 名無しのゲーマー より:

    >ゲーム作りをディなんとかって言う素人集団に任せたのが原因

    DWのほうからFGOで実績のあるウチに作らせてくれと再三売り込みがあったそうだ

  19. 名無しのゲーマー より:

    このブログで何度かネタになった魔王の始め方みたいにマイナーでも惜しまれつつ終了するものもあれば
    何とは言わないが一時期はそれなりにメジャーだったのに忘れられひっそりと終了するものもある

    そう考えれば単なる叩きや嘲笑目的ではない形で取り上げたり、追悼記事まで書いてもらえるほど愛されたサクラ革命はある意味幸せなんじゃないかな
    私はやらなかったけど

  20. 名無しのゲーマー より:

    ゲムぼくさんが取り上げるだろうと思って来てみた。僕もおっさんで1・2・3は楽しんでやっていた。戦隊やライダーやウルトラマン、ガンダムなどシリーズ物の宿命としてどうしても一番最初に見た作品(キャラ)に思い入れが出てしまい、ほかの作品に違和感(という名の悪い意味での作品やキャラひいき?)を持ってしまうので(全部の作品にそう感じるわけではないが)、サクラ革命には手を出しませんでした。まあ難しいと思うけどサクラ大戦としてのコンテンツはついえてほしくはないですね。

  21. 名無しのゲーマー より:

    DWだから仕方ないなぁって思いました。

    DWに任せちゃだめだよ。

  22. 名無しのゲーマー より:

    いやホント、DWに任せる決定した無能連中には呆れる他ない
    Fate売れてるから、っていう理由だけで決めたんだろうな
    大金注ぎ込むならもっとしっかりリサーチしろつーの

  23. 名無しのゲーマー より:

    DWじゃなくてブシロードかCygames
    と組めばよかったのに

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